「母親はこうあるべき」他人の目を気にする私が、セレブの真似をしてインスタに投稿してみた
「母親」であることで受ける批判が怖く目を背けていた私ですが、今回は勇気を振り絞ってみました。
みなさんこんにちは、BuzzFeedスタッフのクリスタです。私は現在子育て中のママなのですが、特にソーシャルメディアで自分がほかの人からどう見られるかを気にしてしまいます。
母親になった当初の私は、精神的にかなり苦しい日々を送っていました。子どもができたのが19歳のときで、常に周りからいいか悪いか判定されている気持ちでした。
息子が生まれたあと、若すぎた年齢がネックになって、ほかのママたちから受け入れてもらえないと感じていました。
それからだいぶ年月が経っていろいろ経験してきたけれど、「自分の価値をほかの人の意見に左右されて決めることはもうない」と言えるかというと、まだまだです。
そんな私のロールモデルは、モデルのクリッシー・テイゲン。
モデル・TVパーソナリティとして活躍している彼女。2016年に娘、2018年には息子が生まれ、2児の母になりました。
彼女のどこが好きかといえば、申し訳なさそうにしたりしないで、堂々と自分らしくいるところ。そして結婚して子どもが生まれても、自分らしくあり続けているところです。
本当の自分とは違う、実現不可能な理想の母親や完璧な妻をソーシャルメディアで演じたりはしません。
誰が見てもかわいいと思うような赤ちゃんの写真もアップする一方で、ひとりの女性として美しく自信にみちた自分の姿も見せています。
残念なことに、母親になった女性は実にいろいろな決めつけや批判をされます。それも「そんなことで?」と思うようなどうでもいい理由で。
クリッシーも、育児のやり方を批判される心境について率直に語っています。TV番組「Today」に出たときはこう話していました。
「みんなそれぞれ個人的に『こうでなきゃいけない』『これだけは絶対にだめ』のように、自分を自分で苦しめてる。さらにネット上でも四六時中ありとあらゆる批判や意見にさらされる。そこから逃れるのは難しいです」
これまでクリッシーが母親として批判されてきたのは、例えばこんな理由から。
赤ちゃんが生まれたばかりなのに ディナーに出かけた 、赤ちゃんの抱き方が正しくない 、すべり台を子どもと一緒にすべった 、授乳している写真 を投稿した、授乳をやめてミルクに するのが早すぎる、などなど(これはほんの数例)。
フォロワー数がクリッシーの1万分の1にも満たない私でも、ネット上の批判に対する彼女の気持ちはわかります。
例えば自分の中で「よし、髪もとかした、メークも服もきまった、写真撮ってアップするか!」と思っても、投稿するとなるとやけに不安になってきて、結局は投稿しないで終わることもしょっちゅう。
理由は、ほかの人、特にママたちにどう思われるか、何を言われるかを気にしてしまうから。
2年ほど前、動画の企画でアリアナ・グランデのポニーテールに挑戦したことがあります。プロに撮ってもらった写真はどれもすごく気に入っていました。
でも、自分のソーシャルメディアに載せたのは上の舞台裏写真1枚だけ。母親として載せてもいい写真はこれぐらいしかないと思ったからです。
服の丈が短かったので、最初はこれでさえ投稿するのをためらっていました。ほかの写真はみんな、子持ちの母親なのに女性的なアピールをしすぎだと思われそうな気がしたのです。
そこで、ひとつチャレンジをしてみることにしました。クリッシーのインスタ写真を自分で再現して、他人の目を気にしてしまう不安を吹き飛ばしたいと思ったのです。
自分が何を投稿するかをここまで気にするなんて…と自分に怒りを覚えたりもします。でも私も人間なので、誰でもそうだと思うけど、人に受け入れられたい。特に「ママの世界」で受け入れられたい。
だって本当は自分がしたければ何を投稿したっていいし、同時に「いいお母さん」でいることだってできるはず!(と言うのは簡単だけど、実行するのが難しく…。こう書いてるだけでも緊張してきます😂)
再現する写真は、自分自身の殻を破れるようなものを選んでみました。普段自分でアップする写真とはだいぶ違うシーンばかり…。
それでは実験スタートです。まず手始めに、こちらのアボカド柄水着の写真から。今まで投稿してきた写真とは様子が違うものの、そこまで怖いというわけでありませんでした。

息子は11歳になるので、小脇に抱えるのは現実的にムリ。その代わりに、娘同然のうちの愛犬「オートミール」が、クリッシーの娘ルナちゃんみたいに一緒にポーズをとってくれました!
ちなみにこの写真を撮れたのは、塀に囲まれた裏庭だったから。「通りがかりの人が見るんじゃないか...」「2月なのに外で水着着て何してるのこの人...」などの不安なことは、考えなくてすみました。

犬に話しかけていればよかったので、カメラを見つめたりポーズを意識しすぎたりせずに撮れたのもよかった。
でも、Instagramの投稿ボタンを押すときはかなり不安でドキドキ…!投稿後、1時間くらいスマートフォンを見ないようにしました。
その後見てみると、私のプチ撮影会を楽しんでくれたらしいアボカド好きな人からの反応が結構ついています。ふう。
これが最初の1枚だったので、肯定的なコメントをいくつかもらって背中を押され、次なる撮影に臨む自信がつきました。
さて、ここからは恐怖の写真シリーズです。幸い友人たちは協力的で、「クリッシー・テイゲンの水着写真を再現したいから手伝って」と頼んでも、快く手伝ってくれました!

説明させてもらうと、これを撮ったのは友人の誕生パーティがあった週末でした。撮る前にお酒の勢いを借りてやってます(笑)
水着の写真を2枚投稿してから、私は考えました。この写真をどんな人が見て、どう思うのか。ママたちは「自慢げに身体をさらしてる」「男性の目を引こうとしてる」とか思うのだろうか?社会にそう思わされてしまっているのは嫌だけれど、現実にそうなのです。

この写真2枚を投稿してから、フォロワーは14人減りました。一応説明すると、私のフォロワーは多くはありません。Instagramでは見えない存在も同然のアカウント。ともあれ、フォロワーは1374人から1360人になりました。
水着写真でフォロワーが1パーセントくらい減ったことになります。でも、もしクリッシーのフォロワーが1パーセント減ったら、28万4000人減ることになります(クリッシーのフォロワーは2800万人)。
フォロワーが減ったあと、こんなことを気にするのはやめようと考えました。誰かが私のフォローを外したからってそこまで気にする必要があるのか。
なのに、どうしても考えてしまいます。14人の人がなぜフォローを外したのか知りたかった。
自意識過剰だと思われた?あんなポーズの写真をネットに載せるなんて母親としてふさわしくないと思われたとか?とにかく、相当落ち込みました。
さらに、こうも考えてみました。私が母親でなかったら、フォロワーは減っただろうか?子どもがいなければ、身体をさらすような写真を投稿しても寛大に受け入れられるとか?それとも私がいろいろ考えすぎなだけで、単に私の水着姿なんか見せられたくなくてフォローをやめただけとか?それなら全然いいんだけど。
いずれにしても、とりあえず忘れてもう少しやってみることにしました。
クリッシーはよく夫のジョン・レジェンドと一緒の写真をアップしています。だから私も夫のフィルに協力してもらうことにしました。

(余談)写真を撮ってくれた息子からは「二人ともばかみたい」とのコメントをいただきました(笑)
この写真はどちらかというと「この人たち何してんの&何でこれがインスタにあげる価値があるんだ」的な写真だと思っていました。セレブはちょっと変わった個性的で面白い写真を撮るし、それが評価もされます。同じことを一般人(=私)がやったらどんな反応がくるのでしょうか。
では、どんな反応がきたのか?特筆するようなことは何もありませんでした。
友だちが2、3人、燃える火の絵文字で賛同を示してくれたほかは、いいねの数はこれまでの写真より減りました。
本当のところ、ここでもうこの実験はやめたかったんですが、ワインを1杯飲んで続けることにしました。
次のチャレンジはこの写真に。なぜならクリッシー・テイゲンのユーモアのセンスが大好きなのと、過去にお尻の写真をあげたことがないから。

(また余談)これはBuzzFeedの会議室で、めちゃくちゃ協力的な同僚が撮ってくれました。
キャプションは「タトゥーを入れる場所を確認中」としておきました。みんな冗談だとわかってくれると思って書いたんだけど、何人かの男性は本気だと受け取ったみたい。ある男性からは「タトゥーを入れるには滑稽な場所だ」と書いていただきました🙄いいねの数は投稿するたびに減るばかり。それでもとりあえず続けます…。
食べもの写真を投稿しないなんてクリッシーに対する冒涜でしょう?そこで見つけたのがこちら。

最後に選んだのは一番厳しかった写真。タオルだけ巻いてハイヒールなんて、普通なら絶対にやらない格好です。

批判がくるかなと私はまたまた不安になりました。ほかのママたちが「セクシーっぽく見せて世の男にアピールしてるわけ?」と思うかもしれない(そんなつもり一切ないんだけど)。
でもそう思い出すと止まりません。ここで、私って本当に自尊心が低いんだなとわかってきました。自分の価値をかなり他人の評価にゆだねてきたんだなあ…。これは問題ありです。
火曜の夜に上の写真を投稿して、フォロワー数をスクリーンショットで残してから、半日放置しておきました。翌日の午後、見にいってみると...フォロワーが4人、増えてます。全員男性🥴それでもフォロワー数は7人減でした。つまり、あの写真のあと、4人増えて11人減ったってこと。

以上で実験は終了。思ったことをまとめてみます。
1カ月にわたる実験を振り返ってみると、ソーシャルメディアをめぐってこれほど不安になったことはありませんでした。ほかの人の意見、場合によっては知らない人の意見にでさえ、こんなにも頭がとらわれてしまうのだと実感しました。
いいねやコメント、フォロワー数で私の価値が決まるわけじゃないとわかってはいても、改めて自分にそう言い聞かせる必要がありそうです。
一方で、子持ちではない女性の同僚たちがセレブのインスタグラムを再現したときは、全体的にポジティブな反応が返ってきています。
そんなわけでめちゃくちゃ楽しかったとは言えないけど、やってよかった(あと、終わってよかった笑)とすごく思います。なぜなら、自分のことをいろいろ学んだから。
このチャレンジの目的はフォロワーを獲得することではなく、自分がどの程度ソーシャルメディアに影響されているか、身をもって実感することでした。
残念ながら私はかなり影響されてしまうようです。でも、これからは変えていきたい。もっと自分を大事にして、知らない人に自分の自尊心を左右されないようにしたい!と思っています。
ありのままの自分とその体を受け入れ、自信を持つことの大切さ。クリッシー、教えてくれてありがとう。
そう、見とれるようなお尻でもそうじゃなくても、誇りに思うべき!

この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:石垣賀子 / 編集:BuzzFeed Japan