【午前10時、東京都新宿区】日本共産党・志位和夫委員長

目標は比例で850万、15%
みなさんおはようございます。いよいよ総選挙が始まりました。
こんどの総選挙は、安倍政権を退場に追い込む歴史的なチャンスの選挙であります。
日本共産党は、政党を選ぶ比例代表選挙で全区で850万、15%以上獲得し、小選挙区でも議席を大きく伸ばすために頑張り抜く決意でございます。
みなさん、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進のために、どうかみなさまの絶大なご支持ご支援よろしくお願いいたします。
安倍暴走政治を続けるのか?
この総選挙の最大の争点、どこにあるでしょうか。
ずばり安倍暴走政治を、このまま続けていいのか。ここにあります。
安倍自公政権が、この5年間やってきたことはなんだったでしょうか。
憲法違反の法律たち
憲法をこれだけ、ないがしろにしてきた政権は、かつてありません。
安保法制、秘密法、共謀罪、憲法違反の法律を次々と数の暴力で押し通してきました。
権力が憲法を無視して、暴走を始めています。ならば国民の手で、この暴走を止めようじゃありませんか。
憲法違反の3つの法律、そろってきれいさっぱり廃止して、憲法を守るまっとうな政治を取り戻そうじゃありませんか。
沖縄の問題は、みんなの問題
それからみなさん。国民の民意を、これほど乱暴に踏みつけにしてきた政権はかつてありません。
いろいろありますが、最悪のあらわれが、沖縄に対する強権政治じゃないでしょうか。
県民のみなさんが、選挙で繰り返し繰り返し、辺野古の新基地建設は許さないと、圧倒的審判を下しても、それに耳を傾けず、強権に次ぐ強権で基地建設をごり押ししようとしております。こんなことは、民主主義の国で許されるものじゃありません。
私は訴えたい。沖縄の問題は、日本国民みんなの問題です。
どうかみなさん、沖縄県民に連帯して、新基地建設はきっぱり中止を。この審判下そうじゃありませんか。
「モリカケ」追及続ける
そして暴走政治の行き着く果てが、森友加計疑惑。こんな国政私物化疑惑にまみれた政権も、戦後かつてありません。安倍首相夫妻のお友達なら、国有地が特別に値引きされる。獣医学部の新設で特別の便宜がはかられる。こんなことが許されたら、日本は法治国家でなくなってしまいます。絶対に曖昧にできませんね。
きのう深夜のTBSの党首討論で、安倍さんに聞いたんです。安倍さんは解散表明の際に、この選挙戦の中でも、この疑惑について丁寧に説明すると約束した。だったら、今日の第一声でちゃんとモリカケについても話しなさい。
こう言ったんですが、安倍さんの答えは、第一声は15分しか時間がない、他にも大事な問題があって、モリカケについて話す時間はありませんと言ったんです。みなさん、あくまでだんまりで押し通そうとしている。
ならば、みなさん、新しい国会でやろうじゃないですか。
新しい国会に、安倍昭恵さん、出てきてもらおうじゃありませんか。加計孝太郎さんにも、出てきてもらおうじゃありませんか。新しい国会で、疑惑の徹底究明を行う。そのことをお約束したいと思います。
安倍さんこそ国難
安倍首相は、今度の解散を国難突破解散と言っております
私は言いたい。安倍晋三さんが首相に居座り続けることこそ、日本にとっての最大の国難ではないでしょうか。もうお引き取り願おうじゃありませんか。日本共産党の躍進で安倍政権を退場に追い込み、日本の政治を主権者である国民の手に、取り戻そうじゃありませんか。
どうかよろしくお願いいたします。
北朝鮮は外交で
さてみなさん、それでは、安倍政権を退場したあとに、どういう日本をつくるか。日本共産党は5つの提案をさせていただきたいと思います。
第1はみなさん、どんな問題でも、軍事ではなくて、外交の力で解決する。そういう日本を作ろうじゃありませんか。北朝鮮の核ミサイル開発は、もとより断じて許されるものじゃありません。同時に、私が強調したいのは、破滅をもたらす戦争だけは、絶対に起こしてはならないということであります。
いまの一番の危険は、どこにあるでしょうか。
それは、米朝の軍事的緊張が高まるもとで、当事者たちの意図にも反して、誤算や偶発的な事態から、軍事衝突が起きる。いったん軍事衝突が起こりましたら、コントロールできません。戦争になる危険があります。そしてその戦争とは、核戦争です。
このような事態は、どんなことがあっても回避しなければなりません。
日本共産党は8月12日に、声明を発表しまして、危機打開のために米朝が直接対話に踏み出すべきだということを提唱し、関係各国に働きかけを続けて参りました。こういう努力がいま必要じゃないでしょうか。
経済制裁の強化、必要です。同時にそれと一体に、対話による平和的解決を図る。これが唯一の解決方法ではないでしょうか。憲法9条をもつ日本の政府こそ、対話による平和解決のイニシアチブを発揮することを、私は強く求めたいと思います。
ところが、みなさん、安倍首相がやってること、どうでしょう。今言った努力をせずに、やってることはもっぱら軍事です。日米同盟の強化と、安保法制がいよいよ大事になってきたと言っておりますね。
そして、何やってるかと言いますと、安保法制を発動して、海上自衛隊の艦船が、自衛隊の軍艦に燃料を補給する。武器を使って防護をする。こんなことをやっていることが明らかになりました。しかも国民の知らないところで、秘密裏にオペレーションをやっていたんです。とても危ない話じゃないでしょうか。
アメリカは、軍事的選択肢も含めて、すべての選択肢はテーブルの上にあると言っている。
アメリカが万一、軍事的選択肢、すなわち先制的な軍事力行使に踏み出したときには、アメリカの戦争に、日本が自動的に参戦することになってしまいます。
国民のみなさんが知らないところで、日本が戦争の当事国になり、日本全土に戦争の戦火が及ぶことになります。これでいいでしょうか。
この道こそ、いちばん危ない道じゃないでしょうか。憲法違反の安保法制・戦争法は、北朝鮮との関わりでも、一刻も早くきっぱり廃止すべきじゃないでしょうか。
みなさん、どんな問題でも軍事でなく、外交で解決する。この知恵をいま発揮するときです。叡智を発揮するときです。そういう立場で行動している政党は、日本共産党です。どうか日本共産党を躍進させてください。よろしくお願いします。
アベノミクスで暮らしよくなった?
第2に私が訴えたいのは、1%の富裕層と大企業のための政治でなく、99%の国民のための政治を作ろう。このことを訴えたいと思います。
5年に及ぶアベノミクスがもたらしたものは、何でしょうか。
この間、党首討論をやって参りましてね、討論になりますと安倍首相はいろんな数字を並べて自慢するんですよ。
あれもやったこれもやった。しかしみなさん、あ〜、アベノミクスのおかげで暮らしがよくなったと実感されているかた、おられますか? いませんよね。わたくし、安倍さんは肝心の数字を2つ言ってない。こう言って批判したんです。
ひとつは、働く人の実質賃金。安倍政権のもとで、10万円も減ったんです。もうひとつは家計消費。これが安倍政権のもとで、1世帯あたり22万円も減りました。賃金と消費といえば、経済の一番土台の一番大事なところじゃないですか。ここが痩せ細ってしまっております。
その一方で、大企業は、空前の大もうけをあげ、内部留保はどんどん積み上がって400兆円を超えました。大金持ちは、株が上がってどんどんもうけが増え、上位40人の超富裕層の資産は、安倍政権のもとで2倍になった。もうけるところは、うんともうけている。
結局みなさん、アベノミクスがもたらしたものは、強いものをどんどん強くするけれども、庶民の暮らしは一向によくならない、格差の拡大だけだったのではないでしょうか。
4つの経済改革
日本共産党は、格差と貧困をただす、4つの経済改革を実行して参ります。
第1は、税金の改革です。暮らしを壊し、経済を壊す、消費税10%への大増税は、きっぱり中止を。この声を上げようじゃありませんか。日本共産党は、消費税に頼らないで、暮らしをよくする財源提案を出しております。たとえばみなさん、株取引にかかる税金が軽すぎる。この富裕層優遇税制を正せば、1兆円出てきます。研究開発税制など、大企業優遇税制、これを正せば、4兆円出てきます。これだけで5兆円でしょ。消費税2%の増税分出てくるじゃありませんか。みなさん、こっちの道を進もうじゃありませんか。増税するんだったら、アベノミクスで大もうけしている、富裕層と大企業に応分の負担を求める、税制改革を実行しようじゃありませんか。
第2はみなさん、予算の改革です。安倍首相は、消費税の使い道を変えるんだ。全世代型の社会保障にします。こんなことを言ってますね。
しかし私は言いたい。安倍政権のもとでやってきたことは何か。社会保障費の自然増を1兆4600億円削ったんです。そのおかげで、医療費は上がる、介護の利用料は上がる、生活保護は切り詰められる。全世代型と言いますが、すべての世代に対して、社会保障をボロボロにしてしまったのが安倍政権のやってきたことではありませんか。
みなさん、社会保障予算を、削減から拡充に、抜本的に切り替えて参りましょう。
国民のみなさんの大切な税金は、社会保障、教育、子育て、そして若者。格差と貧困の是正につながるところに大幅に増やしていこうではありませんか。
第3はみなさん。本当の働き方改革です。電通で働いていた若い女性が、過労自殺したことが社会問題になりました。過労死が絶えません。残業代ゼロ法案はもうきっぱり断念させ、長時間労働は法律で厳しく是正して、この日本から過労死を根絶しようじゃありませんか。非正規社員から正社員への流れを強め、中小企業のみなさんへの手当をしっかりやりながら、最低賃金をドーンとあげまして、8時間働けば、普通に暮らせる社会をご一緒に作ろうではございませんか。
そして第4は、地域経済の再生です。地域経済を土台から支えているのは中小企業です。農業です。農産物の価格保証、所得保障。しっかり充実しまして、安心して続けられる農業を作り、38%と先進国で最低まで落ち込んでしまった食料自給率をしっかり上げていこうではありませんか。
みなさん、この4つの経済改革いかがでしょう。どれも国民のみなさんの当然の願いではないでしょうか。ただこれ実行するにはね、財界に正面からものが言える党が必要です。共産党が必要です。日本共産党は、党を作って95年。財界献金びた一文うけとってこなかった党です。この党が伸びてこそ、いま述べた国民のための経済改革、実行できるんじゃないでしょうか。どうかお力をお与えください。よろしくお願いいたします。
原発再稼働は認めない
第4に訴えたいのは、原発ゼロの日本。再生可能エネルギー先進国を作ろうということでございます。この原発問題、総選挙の争点になってまいりましたが、その最大の試金石は、ズバリ原発再稼働を認めるかどうか。ここにあります。
みなさん、どんな世論調査を見ましてもね、再稼働反対は国民の5から6割で揺るぎません。なぜでしょうか。それは福島の現実を、私たちが体験したからです。福島では、事故から6年以上経つのに、なお6万8000人の方々が、避難生活を余儀なくされておられます。家もある、土地もある、ぼうぼうになったけど畑もある、でも帰れない。ふるさとを奪われてしまっている。それを目の当たりにして、もう原発は動かせない。再稼働反対は、いまや国民的合意になっているのではないでしょうか。
安倍首相は、新規制基準に適合した再稼働を、どんどん進めると言っています。しかし、世界で最も厳しい規制基準というのはまったくのウソですよ。だいたいみなさん、住民のみなさんの避難計画はこの審査の内容に入ってないんです。避難計画なくても、規制委員会はOKを出せる仕組みになっている。こんなものでどんどん再稼働を進められることは、絶対に認めるわけにいきませんね。どうかみなさん、原発再稼働は中止させて、原発ゼロの日本を作ろうじゃありませんか。再稼働ストップに決断してこそ、再生可能エネルギーもどんどん普及が進みます。
みなさん、この願いをですね、官邸前でも全区でも、再稼働反対の市民のみなさんとともに、ずっと頑張って声を上げ続けてきた、どうか日本共産党に託してください。よろしくお願いいたします。
憲法9条を守り、生かそう
第4に呼びかけたいのは、世界に誇る憲法9条を守り、憲法9条を生かした日本を作ろう。このことを訴えたいと思います。
安倍首相は、9条1項・2項を残しつつ、別の項目で自衛隊を書き込むんだ。こう言っております。どうなるでしょうか。ただ単に現にある自衛隊を、憲法で追認するだけにとどまりません。みなさん、法律の世界では、後から作った法律は前の法律に優越する。これが法の一般原則と言われております。
ですから仮に9条2項、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」。これを残したとしても、後から別の項目で自衛隊が明記されたら、こっちの方が優越することになってしまいます。9条2項が空文化、死文化してしまいます。
しかしみなさん、9条を9条たらしめている、9条のいのちは、2項じゃないでしょうか。2項があるからこそ9条なんですよ。
2項があるからこそ、海外派兵ができなかった。戦後、ひとりの自衛隊の戦死者もなく、ひとりの外国人も殺さなかった。9条2項と国民のみなさんの平和の戦いのおかげであります。9条2項が、空文化・死文化してしまったら、無制限の海外での武力の行使が可能になってしまいます。このような恐ろしい道は、断固ストップの審判を下そうじゃありませんか。
みなさん、平和憲法を守り、平和憲法を生かそう。この未来を、党を作って95年、苦しい時代も一筋に反戦平和を貫いてきた、日本共産党におよせください。よろしくお願いいたします。
核兵器廃絶のために
第5に訴えたいのは、核兵器禁止条約にサインする政府を作ろう。このことでございます。
核兵器廃絶国際キャンペーン、国際NGOのICANがノーベル平和賞を受賞しました。これは核兵器禁止条約のために、命がけで頑張ってこられた広島・長崎の被爆者をはじめ、市民社会の努力を高く評価したもので、私は心からの祝福と歓迎を送りたいと思います。
そのときに、唯一の戦争被爆国である日本政府が、この世界の平和の大きな流れに、背を向けているのは、恥ずかしいことじゃないでしょうか。私も笠井さんと一緒に、この禁止条約の国連会議に3月と7月、参加してまいりました。その会議で、被爆者のみなさんが、日本政府の態度について、心が裂ける思い、母国に裏切られた思い、強く批判をされておられました。私は日本政府に、各政府禁止条約にサインすることを強く求めます。
そしてみなさん、サインしないというんだったら、政府を取り替えようじゃありませんか。政府を取り替えて、サインする政府をみんなの手で作ろうじゃありませんか。その意思を総選挙で示そうじゃありませんか。
戦後70年あまり、被爆者のみなさんとともに核兵器廃絶のために一貫して頑張り抜いてきた日本共産党にその思いを託してください。よろしくお願いいたします。
対決構図は3極じゃなくて2極
さて、安倍政権を倒して、新しい日本を作る、このお話をして参りましたが、それを進める力はどこにあるでしょうか。
今度の選挙の対決構図について、テレビなんか付けますと、3極対決とよく報道していますね。だけどそれは違いますよ。3極じゃありません。
だってみなさん、自民党と希望の党、政治の中身、少しも違いがないじゃないですか。この間、党首討論で私、こっちの隣に小池代表が座ってるんですね。で、小池さんに、希望の党の公約、拝見したけれども、安保法制は容認、9条含む憲法改訂は進める、原発ゼロというけど再稼働は容認。そうすると、自民党と、政策の根幹部分、違わないじゃないですか。どこが違うんですか。こうおたずねしたんです。
そうしたら小池代表の答えは、「あまり違いはありません」「受動喫煙の問題ぐらいです」というお答えでした。違い、ないんですね。小池さんも認めている。安倍さんの方も理念が同じだと言っている。みなさん、この党が自民党の補完勢力であることは、いまや明瞭じゃないでしょうか。
ですからねみなさん、今度の選挙の対決構図は、3極じゃなくて、自民・公明とその補完勢力、対、市民と野党の共闘、この2極対決こそ、本当の対決構図でございます。
野党共闘、第2ステージへ
この間、私たちは共闘の力で政治を変える、この道に取り組んで参りました。それは確かな成果を上げてきたと思います。
昨年の参院選では、全国32の1人区のすべてで野党統一候補を実現し、11で勝利を勝ち取りました。そのあとの新潟県知事選挙にも勝ちました。仙台市長選挙にも、勝ちました。市民と野党が一つに力を合わせれば、安倍政権を倒せるというのは、もう実証済みの現実ではないでしょうか。
私たちは今度の総選挙で、この市民と野党の共闘を第2ステージへ発展させたいと決意しております。
私たちは、安倍政権を倒す、という大局に立ちまして、全国67の小選挙区で、私たちの予定候補者を下ろすという決断をいたしました。そして、全国249の小選挙区で、野党3党、共産・立憲民主・社民、この野党3党として、候補者を一本化して、この選挙を戦っております。
みなさん、共闘こそ希望であり、共闘こそ未来を拓く力です。共闘の力で安倍政権を倒し、新しい日本を作ろうじゃありませんか。そしてみなさん、この流れを進めるうえでも、どうか日本共産党を躍進させてください。
日本共産党に対して、いま、ぶれない党、共闘の大義を守る党、こうした評価が寄せられております。大変うれしく思っております。そういう党が躍進を勝ち取ることこそ、市民と野党との共闘を前に進め、日本の政治をよくする一番の力になるんじゃないでしょうか。
どうかみなさん、日本共産党を、大きく躍進させてください。
そしてみなさん、安倍政権を倒しましてね、野党連合政権に向けて、大きく踏み出す結果を作ろうじゃありませんか。
お年寄りも子供さんも、男性も女性も、国民のみなさんすべてが、尊厳を持って生きられる新しい日本。この総選挙でご一緒に作っていこうじゃありませんか。そのことを呼びかけまして、私の第一声とさせていただきます。ありがとうございました。がんばります。