カメラをかざすと曲が流れる「Spotifyタトゥー」がSNSで流行。失敗のリスクも…

    TikTokなどで、Spotifyコードのタトゥーを彫り、カメラでスキャンすると実際に曲が再生される動画がトレンドになっている。しかし、きちんと読み取れるタトゥーに仕上げるには、アーティストの緻密な技術が必要だ。

    TikTokなどのSNSで、新たなタトゥーデザインがトレンドになっている。

    "Spotify tattoo" やハッシュタグ #spotifytattoo で検索すると、音楽配信サービスSpotifyのロゴの横に、バーコードのような細い線のタトゥーの動画が並ぶ。

    これは「Spotifyコード」というもので、同社が2017年から始めた機能だ。アプリのシェア機能からお気に入りの曲のコードを作成できる。アプリ内の検索欄からカメラを立ち上げ、コードをスキャンすると、コードに記録された楽曲が再生される。

    思い出の曲や、自分の「座右の銘」のような曲のSpotifyコードを、タトゥーとして彫る人々が増えている。その多くが、カメラを向けると実際に読み取れるようだ。

    タトゥースタジオ @beautimarx が投稿した動画では、客の腕に彫ったSpotifyタトゥーにカメラをかざすと、レイ・ラモンターニュの「Trouble」が流れる。

    タトゥーアーティスト @jack_shutt_tattoo はある客から、結婚式で流した曲のSpotifyタトゥーの依頼を受けた。動画では、腕に刻まれたコードをスキャンするとスノウ・パトロールの「Chasing Cars」が再生される。

    @jack_shutt_tattoo

    Husband of the year award 🏆 Scott got his wedding song tattooed as a barcode #chasingcars #snowpatrol #tattoo #spotifytattoo #spotify #romantic

    ♬ original sound - Jack Shutt

    ところがこのSpotifyタトゥー、入れるにはリスクもある。

    Spotifyコードがきちんと機能するよう、アーティストの緻密な技術が求められる。少しでもズレたり、インクの濃度が一定ではなかったりすると、スキャンできない可能性もある。

    タトゥーアーティストのジョン・ラピディスはCNNに、「コードの線の高さはさまざまで、そのうちの1本がまっすぐでなかったり、上下や左右が対称でなかったりすると、タトゥーが読めないことがあります」と語る。

    できるだけ歪みが少ない状態でカメラがコードを読み取れるよう、Spotifyタトゥーは体の平らな部分に入れるのがいいと言う。確かに投稿を見ていると、手首や前腕に入れている人が多い。

    また、タトゥーは残るが、Spotifyコードのサービス自体が永遠に続くとは限らない。

    加えて、タトゥーは年月の経過で色褪せたり、ラインがぼやけたり、一部が消えてしまったりすることもある。肌の老いに伴い、形が変わる可能性もある。

    ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に答えたある男性のSpotifyタトゥーは、入れた当初は機能したが、その後読み取れなくなってしまった。「バーコードは今、大きなドラゴンのタトゥーで覆われている」という。

    このように、Spotifyタトゥーを入れたはいいものの、一度も読み取れたことのないケースもある。

    他のタトゥーと同様、入れるときは慎重に。