平成はどんな時代だったのか 13の事件写真から振り返る

    事件は世相を映す鏡といわれる。平成の30年間、日本で何が起きたのか。

    事件は、世相を映す鏡とも言われる。バブル最盛期に始まった平成の30年を、事件を通じて振り返る。

    1989(平成元)年 女子高生コンクリート詰め殺人事件

    時事通信

    1988年11月に少年グループが女子高生を拉致、監禁して激しい暴行を加えたうえ殺害し、遺体をコンクリート詰めにして遺棄していたことが89年3月に発覚した。

    犯行の残忍さが注目されたうえ、少年らの実名報道を巡る議論が起きた。裁判では傍聴希望者の列ができた(写真)。

    10年後、事件とは全く無関係のお笑い芸人のスマイリーキクチさんを勝手に「犯人」とする中傷がネットに横行。スマイリーさんは長く苦しむことになる。警察は2008〜9年に実行犯を次々と検挙。ネットでの匿名での無責任な誹謗中傷を巡る議論が焦点となった。

    1990(平成2)年 高校生の校門圧死事件

    時事通信€“

    神戸の県立高校で、「遅刻指導」のため校門に立っていた教員が、始業時間とともに重さ230キロある鉄製の門扉を閉め、登校しようとしていた女子高校生が頭を挟まれて死亡した。

    生徒を厳しい校則で管理・統制する「管理教育」の最悪の結末として、管理や校則の是非が議論されることとなった。

    その議論は、平成が終わろうとする今も「ブラック校則」と名を変えて、続いている。

    1994−95(平成6−7)年 オウム真理教事件

    時事通信

    1994年6月、長野県松本市でサリンがまかれ、7人が死亡した。警察は、事件とは無関係の市内の男性宅を家宅捜索し、この男性を容疑者視する報道が相次いだ。

    さらに1995年3月、東京の地下鉄千代田線、日比谷線線などでサリンがまかれ、乗客や駅員ら13人が死亡し6000人以上が負傷。東京は大混乱に陥った。

    警察当局はオウム真理教の犯行と断定し、強制捜査に着手。教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)容疑者らを逮捕した。

    地下鉄サリン事件と、その後明らかになった、国家転覆まではかろうとしたオウム真理教の各種の謀議は、都市の災害に対する脆弱さを浮き彫りにした95年1月の阪神大震災に続き、日本の安全神話を大きく揺らがせることとなった。

    1997(平成9)年 神戸連続児童殺傷事件

    時事通信

    神戸市内の学校で児童の切断された頭部が見つかり、「酒鬼薔薇聖斗」を名乗る犯行声明文が添えられていた。のちに新聞社にも声明文が送られた。

    逮捕されたのは、当時14歳の中学生だった。少年法と実名報道を巡るあり方や、少年の更生などが問題となった。

    「元少年」は出所後、手記を出版してHPを開設。再び激しい議論を呼んだ。

    1999(平成11)年 神奈川県警の不祥事

    時事通信

    神奈川県警察本部で、警官の覚醒剤乱用、若い警官に対する集団暴行などの不祥事が次々と表面化。幹部らが相次いで処分された。

    不祥事の発覚はほかの県警にも飛び火し、日本の治安を支えるべき警察組織の体質が問題となった。

    2000(平成12)年 西鉄バスジャック事件

    時事通信

    17歳の少年が佐賀発福岡行きのバス車内で刃物を出して乗っ取り、乗客を殺害した。

    少年が犯行前、2ちゃんねるに「ネオ麦茶」のハンドルネームで書き込んでいたことから、ネットで事件を予告したのではないかと注目された。神戸の児童殺傷事件で逮捕された少年と同学年だったことも話題となった。

    2002年 北九州監禁殺人事件

    時事通信

    北九州市のマンションで、7人が次々と監禁・殺害されたことが、被害者の少女が脱出して警察に通報があったことで明らかになった。

    2006年 ライブドア事件

    時事通信

    次々と企業を買収して急成長し、ニッポン放送の買収を巡るフジテレビとの攻防などで注目された堀江貴文氏率いるライブドアに、東京地検特捜部が証券取引法違反容疑で家宅捜索。堀江氏も有罪判決を受け、収監された。

    規制緩和やIT技術の興隆などの波に乗って伸長した新興勢力に対する「国策捜査」なのではないかという議論も起きた。

    刑期を終えた堀江氏は、今も数々の事業や著作などを通じ、時代の寵児であり続けている。

    2008年 秋葉原通り魔事件

    時事通信€“

    当時25歳の男が東京・秋葉原で、信号を無視してトラックで突っ込み、通行人を次々とはねたうえ、ナイフを振り回して計7人を殺害した。

    男は携帯サイトの掲示板で犯行予告を行っていた。2015年、男の死刑判決が確定した。

    2014年 STAP事件

    時事通信

    理化学研究所が2014年1月に画期的な発見とした発表した「刺激惹起性多能性獲得(STAP)細胞」を巡り、論文に不正があった疑惑が浮上。理研は12月に検証結果を発表し、そのほぼ全内容を取り消した。

    論文の筆頭著者だった小保方晴子氏に対し、当初は「リケジョの星」として注目が集まったが、やがて疑惑の浮上とともに激しい批判が巻き起こるようになった。

    会見での「STAP細胞はあります」という発言が流行語となり、共同研究者が自殺するなど、科学研究の枠を超えた社会的な問題となった。

    小保方氏は2016年に手記を刊行した。

    2015年 電通過労死自殺事件

    時事通信

    大手広告代理店・電通の社員だった高橋まつりさん(当時24)が12月25日に自殺。その後、長時間労働でのうつ病による自殺と労災認定された。電通は2016年、強制捜査を受けた。

    日本を代表する企業での過酷な労働実態が浮き彫りとなり、「働き方」が社会の大きな焦点となった。

    母の幸美さんはまつりさんの3回忌に手記を発表し、過労死の根絶に向けて政府や社会全般が取り組み続けることを強く訴えた。

    2017年 座間連続殺人事件

    時事通信

    神奈川県座間市のアパートに住む男が、若い男女9人を誘い出し、次々と殺害し、遺体を保管していたことが発覚。

    男がTwitterを使って自殺願望のある人を誘い出していたことが判明し、Twitter社は「自殺や自傷行為の助長や扇動を禁じる」とするルールを加えた

    また、被害者の多くが他県の出身だったことから、各地の県警の間で捜索願が出ている人の情報交換が不十分だった点も指摘された。

    2018年 オウム事件で死刑一斉執行

    AFP=時事

    オウム真理教の一連の事件で死刑判決が出ていた13人に対し7月、2度にわけて死刑が執行された。

    2019年になると今上天皇の退位と新天皇の即位、国政選挙などの重要日程が相次ぎ、2020年には東京五輪が控えていることから、日本の司法史上まれに見る一斉執行が、このタイミングで行われたとみられる。

    平成初期を揺るがしたオウム事件は、平成の終わりに刑の執行というかたちで一つの終結を迎えたことになる。

    Contact Kando, Yoshihiro at yoshihiro.kando@buzzfeed.com.

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