オウム事件、死刑が執行された13人の人物像

    その経歴をまとめた。

    オウム真理教をめぐる一連の事件で、13人の死刑囚全員に刑が執行された。

    7月6日に麻原彰晃死刑囚ら7人が死刑となり、26日には残りの6人にも刑が執行された。

    同一事件の共犯者の死刑は同時執行が原則とされているが、ともに7人、6人という大人数が同じ日に執行されるのは、極めて異例だ。

    7月6日と26日に死刑が執行された死刑囚は、以下の通り(呼称略、麻原死刑囚以外は五十音順)。

    麻原彰晃(本名・松本智津夫、63)=6日に執行

    井上嘉浩(48)=6日に執行

    遠藤誠一(58)=6日に執行

    岡崎一明(57、死刑執行時の姓は宮前)=26日に執行

    土谷正実(53)=6日に執行

    豊田亨(50)=26日に執行

    関与した事件:地下鉄サリン事件、東京都庁爆弾事件など4事件で殺人罪などに問われ死刑。

    東大理学部卒。東大の大学院でも物理学を研究した。教団で科学技術省次官となり、オーストラリアで核開発を行おうとした。

    大学時代に同級生だった伊東乾・東大准教授は、なぜ豊田死刑囚がオウムに加わったのか、その足跡をたどり、「さよなら、サイレント・ネイビー 地下鉄に乗った同級生」を出版した。

    中川智正(55)=6日に執行

    関与した事件:坂本一家弁護士殺人事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など11事件で殺人罪などに問われ死刑。

    京都府立医科大学卒。元医師で、松本死刑囚の主治医をつとめた。坂本弁護士一家殺害事件では実行役をにない、サリンの製造にも関与。教団では「法皇内庁」のトップだった。

    新実智光(54)=6日に執行

    関与した事件:坂本一家弁護士殺人事件、松本サリン事件、地下鉄サリン事件など11事件で殺人罪などに問われ死刑。

    愛知学院大卒。地下鉄サリン事件では送迎役をになった。教団では「自治省」のトップをつとめ、麻原死刑囚の「側近中の側近」とも言われた。

    端本悟(51)=26日に執行

    早川紀代秀(68)=6日に執行

    林泰男(60、死刑執行時の姓は小池)=26日に執行

    関与した事件:地下鉄サリン事件、松本サリン事件など3事件で殺人罪などに問われ死刑。

    地下鉄サリン事件で、サリンの入った袋3つを傘で突き刺してガスを飛散させた。その後、特別指名手配されたが、1996年12月に沖縄県石垣市で逮捕されるまで、逃亡を続けた。

    広瀬健一(54)=26日に執行

    関与した事件:地下鉄サリン事件など2事件で殺人罪などに問われ死刑。

    早稲田大学理工学部応用物理学科を首席で卒業。大学院に進学後には超伝導技術を研究していたが、民間企業の内定を蹴って入信。教団の兵器開発をになった。地下鉄サリン事件の散布実行役だった。

    横山真人(55)=26日に執行

    関与した事件:地下鉄サリン事件など2事件で殺人罪などに問われ死刑。

    東海大学で応用物理学を学び、通信機器メーカーに就職。入信を機に退職した。教団内では「科学技術省」次官を務め、教団の武装化でAK-74自動小銃の密造に従事。31歳で、地下鉄サリン事件の散布実行役をになった。