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手書きのESに性別欄…学生たちが思う「就活のここが変わってほしい」6つのこと

日本の就活で変わってほしいと思うところ。BuzzFeed NewsのLINE公式アカウント「バズおぴ」に寄せられた読者の皆さんの声をご紹介します。

就活で「変わってほしい!」「これいらなくない?」と思うところはありますか?

BuzzFeed NewsのLINE公式アカウント「バズおぴ」で、そんな質問を投げかけてみました。

すると就活中の学生や、就活を経験した・これから経験をするという方から、様々な意見が寄せられました。その一部を「6つのポイント」に絞ってご紹介します。

1:採用側「ES手書きの必要ない」学生「本当?」

全てオンラインで済ませられる時代に、まだ残っている「手書き」のES。

「パソコン入力も可能」なのか「手書き」なのか、指定がない場合もあり、学生たちは「手書きの方が誠意が伝わる?」と戸惑ってしまうようです。

東京都内在住の20代・かざぐるまさんは、「本当にキーボードで打ったESと手書きのESは差別なく評価されるのでしょうか。人事担当だけでなく、そのさらに上の役員、社長も差別なく評価してくれるのかどうか…」と不安を語ります。

学生は「『古い価値観』で、手書きじゃないと」と思う役員らに評価が下げられる可能性を考えてしまうために、「企業側が『ESの様式は自由』と明記するべき」と指摘します。

一方で、バズおぴへのご意見の中には、都内で採用・人事を担当する30代、夏田さんからのご意見がありました。

夏田さんは「ESが手書きである必要性を全く感じません。学生の皆さんには『手書きじゃなくても大丈夫』とお知らせしているのですが、それでも手書きで作成する方が多いです」とし、こう語ります。

「もっと学業やプライベートの時間を優先してくれてもいいのに、と思っています。表向きではそう言っても、なんだかんだで手書きの方が選考に有利なんだろう、と思う学生さんが多いのでしょうか」

「日本の『本音と建前』の文化が、企業と学生の間のコンセンサス形成の弊害になっている気がします」

2:「地方の学生がもっと就活しやすい環境作りを」

東京に本社を置く企業も多いため、採用が進んでいくと、地方からも東京を訪れて面接が行われることもあります。しかし、全ての企業が交通費などを負担してくれる訳ではありません。関西在住の学生からは、こんな意見がありました。

「業界によって東京に何度も行かなければいけないことがありますが、学生としては時間にもお金にも限りがあると思います」

「地方の学生がもっと就職活動に取り組みやすい環境作りをして欲しいです。金銭的にも時間的にも関東で就職活動を行う学生とは大きな差を感じます」

関西在住の大学生・しゅうさん(21)は就活中、東京で面接が開催される度に企業から提案された日程に沿って東京を訪れなくてはならず「2月だけで4回、東京を訪れた」と話します。

交通費が出ない企業もあり、出る企業でも「支給された交通費に加えて自腹を切らなければいけない時もあった」ということ。しゅうさんは東京の知り合いの家に宿泊していたそうですが、知り合いがいないしゅうさんの友人らは、宿泊代も発生し「とても苦労していた」と語ります。

3:履歴書の性別欄や証明写真、いりますか?

日本の履歴書には必ずある「性別欄」。性別に関係なく採用するなら、「性別欄はいらないのでは」という声もあります。

神奈川県在住の大学生・Hannahさん(22)は、「性別欄は書く必要があるのかなと思いました。なので、性別欄の書く必要のない会社を選びました」と話します。

過去数年で、医学部への大学入試で女子学生を故意的に減点して合格者数を不正に操作していた事件が相次いで発覚しました。Hannahさんは「医科大の問題にもあったように、男女の数で採用されるのはおかしい」と指摘します。

3月には、日用品大手のユニリーバ ジャパンが採用で応募フォームなどで性別欄や証明写真などを廃止するなどの動きもありました。

また、オンライン署名サイトchange.orgでも「履歴書から性別欄を廃止してください」との署名に、6千筆以上が集まっています。

性別欄廃止には、男女平等な採用を求める声もありますが、トランスジェンダーや、まだ自身の性別について模索している人々からの声もあります。性別欄があることで、履歴書や面接でカミングアウトを余儀なくされるからです。

Hannahさんも「私自身、自分でもまだ分かりませんが、クィアだと思います。性別欄を選ぶ時に一瞬戸惑ってしまう自分がいます」と性別欄に記入することへの戸惑いを語りました。

また「どこの会社の履歴書でも証明写真の欄がありましたが、見た目で採用するの?と疑問に思いました」と話します。

千葉県在住の会社員・杏菜さん(22)も「面接があるのに、履歴書に写真を貼らなければいけないのも、不思議。会う前から、見た目で判断し、偏見を持たれてしまいそうです」と指摘しました。

4:「結婚は?」「妊娠が…」性別でなく「本質を見て」

埼玉県在住で現在はコールセンター契約社員・ぽんたさん(28)は就活中、「男女雇用機会均等法って?」と思ってしまうような経験をしたといいます

求人サイトなどでは「性別問わず」「資格不要」と書いているのに、実際面接を受けにいくと「ご結婚は?」「若い女性の場合、いきなり妊娠されたりするから…」と言われたといいます。

滋賀県在住の大学生moomooさん(21)は、女性であることや見た目を理由に商社の面接官に心外な発言をされた経験があります。

「面接で『君みたいなお嬢さまに営業できるん?』と言われました。昔からバレエをしており中高一貫校で女子大出身、服装は周囲の学生と比べるとカジュアルというよりキレイめでした。しかしだからといって『仕事ができない世間知らずなお嬢さん』というような偏見を持たれたことがとてもショックでした」

「見た目や第一印象は就活においてとても大切です。しかし、その情報だけで私たちの可能性や能力を判断しないでほしいです。私たちを本質的に見ようという姿勢で学生と向き合ってほしいです」

5:就活メイク講座に黒染め…就活は「見た目重視?」

東京都在住の大学生・はるさめさん(19)は「見た目重視の就活が変わってほしい」と語ります。

はるさめさんが通う大学では、「就活メーク講座」が開かれていて「アイシャドウはブラウン」「リップカラーは赤NG」など指導があるといいます。その様な現状を見て、こう語ります。

「個性を捨てさせ均一化を目指しているようにしか感じません。メイクは自分の個性を出すだけではなく、自分のコンプレックスを隠す方法でもあります」

地毛が茶色という東京都在住の高校生・有栖さん(18)は、将来就活をする際に「理解が得られるのか不安」と話します。

高校では「地毛であることを説明すれば、黒染めなどの強要も無く、地毛でも問題なかった」が、黒染めをすることが多い就活生を見ていて、自分の髪色が面接官に理解されるのか、そもそも髪色の統一への疑問をこう語ります。

「これから外国人労働者が増えると予想されています。『地毛=黒』という古い考え方は変わるべきたと思います」

東京都在住の会社員・おこめさん(30)は、自身の就活をこう振り返ります。

「アトピーなどで肌が弱く、化粧ができなかったのに『お化粧がマナー』とされることにモヤっとします。社会に出てからもですが、就活の時点から強制されるのも暗澹たる思いでした」

おこめさんは就活セミナーの際に個別で相談した際にも「やはりお化粧は礼儀だから」と言われたといいます。

「肌が弱くてお化粧ができない人がいるのに、化粧はマナーとされるのは『社会に出る資格がない』と言われているようで辛かったです」

社会人として「清潔感を保っていれば、お化粧する・しないの自由はあってもいいように思います」と語ります。

6:「新卒カード」の考え方や制度に疑問

新卒での採用が多いために、就職のチャンスとして「新卒カード」や「新卒切符」などの言葉や考え方も存在するほど。そのような流れに疑問を呈する意見もありました。

愛知県在住の大学生・MOMOTAさん(20)は「日本では新卒採用が採られやすいのは分かりますが」としながら、在学中に勉強の時間なども削り就活をし、卒業後すぐに就職する必要性を疑問視します。

海外では実際に、新卒採用の制度がない国も多くあります。その様な国では卒業後の就職口に困る学生も多い一方で、留学やインターンを経験したり、自分が働きたい業界などをじっくり考える機会にもなります。

MOMOTAさんの通う大学に在籍する海外からの留学生からもこのような意見を聞いたといいます。

「フランス人やアメリカ人の留学生から話を聞くと、そのような風習はあまりないので、自分の貯金でまずは進学や留学をしたり、働いてから留学する人の話も聞きます」

MOMOTAさんは海外留学を希望していましたが、持病の都合で4年生まで留学が叶わず、4年生での留学は就活を優先すべきと親に反対されたといいますMOMOTAさんは、新卒直後の就職にとらわれすぎず「個性を生かしながら、社会を作っていくべき」と話します。

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