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LGBTの人が性教育で学びたかった23のこと

社会がインクルーシブを目指すのであれば、性教育もまたインクルーシブであるべきだ。

1. セクシュアリティとジェンダーに関して、「恥じることは何もない」。

@lgbtqhelpers / Via instagram.com

世の中には、ありのままの自分でいることが社会における「普通」に当てはまらなくても、大して気にしない人たちがいる。そんな人たちに囲まれた生活は恵まれているのも事実だ。

しかしLGBTの人は、マスカルチャーの中に自らのあり方を見出せないと知ると、自分は変わり者で間違った存在なのではないかと考え始め、気が狂いそうになるかもしれない。身近な家族やコミュニティ、文化が本来の自分を受け入れてくれない場合はなおさらだ。

性教育で、シスジェンダー(cisgender:身体的性別と自分の性自認が一致している)とストレート以外にも生き方があるのだと教えてほしい。クィアとして成長していくうえでの重圧が、多少は取り除かれるのでは。

2. セックスに「正しい」方法などない。

@faierey / Via instagram.com

セックスには、驚くほど多くのかたちがある。けれども、マスカルチャーと大部分の性教育カリキュラムのせいで、人々は、男性同士がセックスするならお尻を使うしかなく、女性同士の場合はオーラルセックスとシザリング(女性器同士をこすり合わせる行為)を何時間も交互に行うものだと思い込まされている。

そこで、素敵な提案がある。セクシュアリティによってセックスの方法が決まってしまうことはない、と性教育で教えてみてはどうだろう。

3. 「バージンを失う」ことの意味を決めるのは自分だ。

The Lonely Island / Via youtube.com

バージン(処女/童貞)は社会的な概念であり、まったくもってくだらない。けれどもあなたが、どんな理由からであれ、「初めてのセックス」を定義しようと思うとき、自分にとってのセックスが男女間の行為を意味しないのであれば、それがどんな感じなのか、どんな意味を持つのかがわからないかもしれない。「初めてのセックス」については自分自身で決めるべきだし、パートナーと話し合う必要がある。

初めてのセックスについてあれこれ考えたり特別な感情を抱くのは、男女のカップルだけではない。

4. メインストリームのポルノを見ると「自分はセックスに異常に執着しているのではないか」と思うことがあるかも。

NBC / Via giphy.com

メインストリームのポルノに登場する同性間のセックスシーンは、嘘っぽく見えることがある。ポルノというだけですでにわざとらしいところがあるのに、さらに不自然に見えてしまう。クィアでない人たちの中には、クィアたちがセックスする唯一の理由は、セックス自体がとても情熱的でスリリングだからと考える人もいるかもしれない。

5. その一方で、「初めてのセックスはこうであってほしい」と必要以上に理想を追い求めさせるのも、ポルノかもしれない。

Voltage Pictures

インディーズ映画や、一般のテレビや映画で見られる宗教的な意味を持つキスなどの例外はあるものの、同性が親密に触れ合うシーンを見る機会はあまり多くない。自分が抱いている欲望と初めてぴったり符号するような映像を目にできる唯一の場所は、今のところはポルノだけかもしれない。

6. LGBTを受け入れている医師や病院を知っておくことはとても重要。

@callenlorde / Via instagram.com

LGBTの人たちが安心できる場所がもっとあればいいのにと思う。性に関することであろうとなかろうと、健康や体について医師の診断を受けることは、きわめてつらく精神的なダメージの大きい体験になりかねない。

だからこそ、医師や病院は、近いとか、保険が使えるとか、言葉が通じるというだけでなく、親切かつLGBTの人に対処できるという基準で自ら選択できるよう、(例外扱いせず)ルール化すべきだ。 ついでに言うと、例えば、黒人でトランスジェンダーなど、複数の非主流派コミュニティに属する人の場合は、良質な医療を受けるのがますます難しいのが現状だ。

「病院で最悪の対応を受けたとしても、望みを完全に捨てたりしないで」と言ってくれる人がいたらよかったのに。 LGBTの人たちのために尽力する病院が数多い都市もある(ニューヨーク市のカレン・ロード・コミュニティ・ヘルスセンターや、フィラデルフィアのマッツォーニ・センター、ミシシッピ州ジャクソンのオープン・アーム・ヘルスケアセンターなど)。避妊薬の処方や性病の治療をおこなう医療サービスNGO「プランド・ペアレントフッド(Planned Parenthood)」が運営するヘルスセンターも、全米各地でLGBTを対象にした医療を提供しており、頼りになる。

トランスジェンダーが医療機関を見つけるのを手助けしてくれるアプリ「MyTransHealth」もある。もちろん、LGBTの人々を文化的かつ前向きに受け入れる医療機関は、今でも少ない。そこで役立つものが性教育だ。性教育で、LGBTの人がどんな医療機関でも自らを説明・主張できるよう社会の理解を推し進めることができる。

7. 同じことはメンタルヘルスサービスについても言える。

Anna Borges / BuzzFeed / Via buzzfeed.com

危機介入であれ、カウンセリングや薬、グループセラピー、あるいはそれらを組み合わせたものであれ、誰もが最高のメンタルヘルスサービスを受ける権利を持っている。けれども、LGBTの人の周囲があまり理解を示してくれなかったり、そうした場所・環境にいる場合はとくに、早急に専門的な支援を受けることを必要としている。実際、LGBTの人は、ひどいうつ病や全般性不安障害のような精神疾患を抱える可能性が3倍高いのだ。

精神障害者をサポートする非営利団体「National Alliance on Mental Illness(NAMI)」では、LGBTに親切で適切なサービスを提供するメンタルヘルス機関の見つけ方をこちらで詳しく紹介している。しかし、そもそもは学校が、そうした情報を提供すべきではないだろうか。

8. 他人に対して性欲や恋愛感情を抱く人ばかりじゃない。

@asexualdragons / Via instagram.com

すべての人が、他人に対して性欲や恋愛感情を抱くわけではない。中には、他人に対して性欲をほとんど、あるいはまったく感じない人もいるし、恋愛感情は抱いても性欲は感じない人もいる。要するに、アセクシュアルの人も含めて、セクシュアリティは、その感じ方も表現の仕方も、人によって違うのだ。アセクシュアルだからといって「おかしい」とか「不自然だ」とか「間違っている」ということはまったくない――声を大にしてそう言いたい。

(ご参考までに:人間の異性愛と同性愛の指向を示す指標「キンゼイ・スケール」の改訂版とも言えるのが、セクシュアリティを色で示した「パープル・レッド・スケール」だ。この指標を見れば、便利かもしれないし、状況がはっきりするかもしれない。また、いろいろ考えることができて楽しいかもしれない。もちろん、まったく必要ない人もいるだろう)

9. 誰もが、誕生時に決められた性を自分の性だと考えるわけではない。

@zacchaeus_crafts / Via instagram.com

すべての人がシスジェンダーではないのに、そのことが何だかうやむやにされている(意図的ではないにせよ、会話から排除されている)。人間のジェンダー・アイデンティティには多くのかたちがあることを性教育で認めることができれば、どんなに素晴らしいことだろうか。また、支援や保護をもっと必要としているかもしれないトランスジェンダーや、ジェンダー・ノンコンフォーミング(gender nonconforming:男女の性のいずれにも当てはまらない)の人たちに、情報を提供することだってできるだろう。

10. バイセクシュアルは実在する。

@gayafclub / Via instagram.com

クィアな人も、クィアでない人も、そのどちらも、バイセクシュアルを存在しないものとして扱ったことがきっとあるはずだ。バイセクシュアルであると認めることは、同性愛者を自覚するための第一歩にすぎないと言われるかもしれない。(バイではなく)「どちらかひとつ」であることをわからせようとする人から、質問をたくさん浴びせかけられることもあるだろう。

でも、自分でそうだと思えるなら、それは本当だ。これ以上話すことはない。

11. 誰だって、クィアでトランスジェンダー/ノンバイナリー/ジェンダー・ノンコンフォーミングである可能性がある。

@abprallenuk / Via instagram.com

「レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア」と呼ぶのにはちょっと問題がある。というのも、それらはすべて両立しないかのように聞こえるからだ。ところがそうではない。シスジェンダーの人も、トランスジェンダーやジェンダークィア(ジェンダー・ノンコンフォーミングの別称)、ノンバイナリー(non-binary:性別を男女に特定しない人。第三の性別とも言う)の人もみな、ありとあらゆる性的指向を持っている。なのに、どうして誰もそのことを教えてくれないの!?

12. 誰と恋愛やセックスをしてきたか、あるいは、してきていないかは、あなたのセクシュアリティとは関係ない。

sheekeepsmewarm.tumblr.com / Via sheekeepsmewarm.tumblr.com

男性としか付き合った経験のない女性のクィアもいれば、時々女性とつきあうゲイもいる。自分にぴったり合ったアイデンティティを見極めるには、「相応の」経験をするまで待たないといけない、というわけではない。

13. 安全なセックスとデンタルダム

Sarah Karlan / BuzzFeed / Via buzzfeed.com

性教育ではたいてい、「コンドームを使う」のが「安全なセックス」だということになっている。ペニスがヴァギナに入ることを前提にしている場合が多いからだ。ところがおもしろいことに、セックスにはほかにも方法がある。つまり、安全にセックスする方法はほかにもあるということだ。例えば、デンタルダムは、四角いラテックスの膜で、オーラルセックスのときに、肛門や性器にあてて使う。

ペニスをヴァギナに入れる(あるいはペニスを肛門に入れる)タイプのセックスであろうがあるまいが、健康が何よりも大切だ。

14. HIV感染のリスクを減らすPrEP(プレップ)

@teamprepster / Via instagram.com

PrEP(Pre-exposure prophylaxis、暴露前予防投与)は、性行為によるHIV感染のリスクを減らすことのできる予防薬で、毎日きちんと飲めば、感染リスクが90%低くなる。また、PEP(Post exposure Prophylaxis、暴露後予防投与)は、ウィルスが体内に入ってから72時間以内に飲めばHIV感染を防ぐことができる薬だ。

HIVに感染するリスクがある場合は、必ず医師の診断を受けて、感染しそうかどうかを確認するべきだということも、性教育で指導してほしい。

15. 「性的合意」は、ストレートの人たちだけの問題ではない。

@nairy_fstukh

性行為に関する合意も、異性愛を前提に議論される傾向がある。ストレートの男性に、性的・身体的なバウンダリー(境界線)という考え方を理解してもらおうとする場合もあるし、ストレートの女性が自分の望みをはっきり主張できるよう啓発する場合もある。しかし、どのジェンダー、どんな性的指向を持つ人であっても、バウンダリーを決定し、尊重し、広め、超えることができる。

16. どう生まれ、どう成長したかということと、ジェンダーや性的指向がどのようなものか――そんなことは関係ない。

@chasing_my_reality / Via instagram.com

あなたはそれでいい。大丈夫。これ以上、この話をする必要はない。

17. 自分のセクシュアリティやジェンダー・アイデンティティについて「答えを出す」べき期限はない。

@lgbt_and_anime / Via instagram.com

それに、「今すぐ」自分のセクシュアリティやジェンダーについて結論を下しても一向にかまわない。自分がクィアやトランスジェンダーだと判断するには「若すぎる」? そんなばかな話はない。クィアやトランスジェンダーとして自覚を持ちカミングアウトするには「年を取りすぎている」? それもまたばかげている。

18. カミングアウトしない自由もある。

@puhevika / Via instagram.com

カミングアウトするのは、ストレートでない人間、シスジェンダーでない人間になるために必要なステップだと思うかもしれない。誰もがそうする、あるいはそうしたがるステップだ、と思うかもしれない。もちろん、カミングアウトするのが正しいと思えるとか、そうしたほうが(心理的にも身体的にも)安心できる、またそうしたいと思っているのなら、知ってほしい人に打ち明けよう。

でも、言いたくない相手には、死ぬまでずっと、言う必要はない。とりあえず胸に秘めて、将来的にカミングアウトしたくなるかどうか、様子を見るのもいいだろう。

19. どうしてもカミングアウトしたいなら、覚悟を決めること。

Poppy Dadd / Via buzzfeed.com

カミングアウトは一大事だと思えることもあれば、大したことないと思える場合もあるだろう。どう思えるかは、「誰に」対して「いつ」「どのように」カミングアウトするかで変わる可能性がある。そのためには、計画を立て、起こり得る結果を想定し、サポート体制を整えておくのがいちばんだ。カミングアウトするにあたっての心構えについて、ぜひパンフレットを作ってほしい。

20. 生身の人間とセックスしていなくても、婦人科医の診察は受けるべき。

Keith Brofsky / Getty Images

ヴァギナを持っているなら、子宮ガン検診を受ける年齢に達していなくても、年に1度は婦人科を受診するべきだ。性的に活発な人は、相手が誰であろうと、検査を受け、問題ないことを確認し、性の健康について婦人科医と話をしてほしい

21. ジェンダーやサイズ、能力を問わず、人はみな自分の身体について健全なイメージを持つ価値がある。

@rebirthgarments / Via instagram.com

マスカルチャーは、スリムで健康で、絵にかいたような魅力的な白人シスジェンダーが、恵まれた人生を満喫する姿を描きたがる。ところが、そうした暮らしには程遠い人間、セックスも恋愛も別れもない人の姿はあまり見かけない。私たちは1人残らず、存在を認められるだけの価値がある。そして、マスカルチャーがそれに気がついていないからといって、私たちがリアルでないとか、ふさわしくないというわけではない。その穴を埋めることができるもの、それが性教育だ。

22. 性的トラウマを持っているなら、支援やケア、保護を受ける権利がある。

@rainn01 / Via instagram.com

脅迫や強制によって何らかの性的な行為を強いられると、心に深い傷を負う。あなたのセクシュアリティやジェンダーがどうであれ、あるいは、加害者のセクシュアリティやジェンダーがどうであれ、そうなのだ。あなたには、支援とケアを受ける権利がある。

23. あなたは、なんであれ自分に好きなようにラベリングできる。あるいは、ラベルをまったく選ばなくたっていい。

@ajrivera80 / Via instagram.com

セクシュアリティやジェンダーについて話せば話すほど、自分自身、そして自らのアイデンティティを表現する方法を見つけることができる。それは素晴らしいことだが、ジェンダーとセクシュアリティに関しては、すべての人間の経験に当てはまる表現が見つかることは決してない。

ということは、すぐ見つかるような言葉は、あまり適切ではないのかもしれない。もしくは、適切だけどぴったり合致するわけではないのかもしれない。あるいは、あなたは自分をラベリングすることに関心がないだけかもしれない。それでいい。あなたはそれのままでいいのだ。

Lixia Guo / BuzzFeed News

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この記事は英語から翻訳されました。翻訳:遠藤康子/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan

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BuzzFeed Japanは東京レインボープライドのメディアパートナーとして2018年4月28日から、セクシュアルマイノリティに焦点をあてたコンテンツを集中的に発信する特集「LGBTウィーク」をはじめます。

記事や動画コンテンツのほか、Twitterライブ「#普通ってなんだっけ LGBTウィークLIVE」も配信。

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