目が見えない人はおしゃれを楽しんではいけないのかーー。
そんな女性たちの苦悩に寄り添う、日本に唯一の視覚障がい者専門ネイルサロンがある。
どうして自分の姿を見ることができない人におしゃれをするのか。そこにはどんな理由があるのだろうか。
人の目を通して見るネイル。

はじめは懐疑的だった当事者たち。

話を聞いて決めた。「やりたい」
佐藤さんは、見えない人たちの直面している現実と向き合うことになる。
そもそも多くの人たちは、ネイルを体験したことがなかった。もしくは、「諦めた」経験を持っている人たちだった。
サロンに行ったとしても、「見えない人が来たよどうする?」と長時間待たされたり、「あそこに貼ってある中から選んでください」と言われたりすることが日常茶飯事。
当然、目の見えない人は自分の目で完成したネイルを確認することは叶わない。ネイリストとの間で認識がすれ違ったまま、思った通りの仕上がりにならない事もある。
地域によって異なるものの、外出する際に介助してくれるヘルパーが無料とは限らない点や、頼める時間が月に50時間と制限があることも、ハードルの一つになっていた。ネイルをしているあいだも、その限られた時間を使ってしまうことになるからだ。
当事者たちから現状を聞いた時、なんとしてでも目の見えない人にネイルができる環境をつくりたいと、決意した。
情熱を込めて伝える安心感や繊細さ。

ポジティブになったライフスタイル。

目が見えない人にメイクを教える理由。

変われたきっかけは出会えたこと。

だれもが自分のおしゃれを楽しめるように。
佐藤さんは、視覚障がい者は「見えないだけ」なのだと語る。
「自分の姿も顔も見たことないって人ばかり。おしゃれは必要ないって社会の固定概念と先入観で置き去りにされていたんです。でも、ふたをあけてみたらおしゃれしたくないわけではないんだなって思いました」
「目の見えない人とご飯を食べるときはメニューを全部読む必要があったり、大変なこともあるんですけど、でもそれ以外は見えているような感じ。これからも見えない人たちが抱えている不便を変えていきたいです」
目の見えない人も、おしゃれを楽しめるように。きょうも佐藤さんはお客さんの悩みに寄り添っている。
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昨日も、きょうも、これからも。ずっと付き合う「からだ」のことだから、みんなで悩みを分け合えたら、毎日がもっと楽しくなるかもしれない。
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10月1日から10月11日の国際ガールズ・デー(International Day of the Girl Child)まで、こちらのページで特集を実施します。