TikTokに映った背中にほくろ→「皮膚がんでは」と指摘→手術で命拾い

    動画で背中をさらさなければ皮膚がんを放置していたかも

    23歳のアレックス・グリズウォルドは「結婚するってこんな感じ」と題した短い動画をつくり、TikTokに投稿した。裸の背中が一瞬アップになるため、肌を露出しすぎかな、と少し気になった。

    「本当はTikTokで服を脱いだ姿をさらしたくないな、とは思っていたんです。でも結局やったんですけど」。グリズウォルドはBuzzFeedの取材にそう語る。相手の背中をかいてあげているといつの間にか「にきびつぶし大会」になる、というくだりのことだ。

    グリズウォルドは動画のキャプションに断り書きも入れていた(!)

    だがこのとき、本当に心配すべきなのはそこではないことに彼はまだ気づいていなかった。

    投稿後、コメント欄に「背中にあるほくろが大丈夫か気になる」と書いている人がいた。「そのときは『オーケー、まあこの人はすごく心配症なだけだろう』くらいに思って、特に調べようとも考えていませんでした」

    しかしその後、動画を見た二人の人から相次いでメッセージが届いた。一人はInstagramのコメント、もう一人はメールだった。二人とも皮膚がんの一種であるメラノーマ(悪性黒色腫)の経験者で、背中のほくろを診てもらった方がいい、というのだ。

    これでグリズウォルドは心を決めた。「皮膚科なんて行ったことがありませんでした。今回のことがなければこの先もたぶんずっと行かなかったと思います」

    診察した皮膚科医は、ほくろの状態があまりよくないと判断、一部を採取して検査に出した。「1週間後、中等度の異型性ほくろだったと知らされました。変化を続けていて、このままいくと将来的にメラノーマの方向に進行する可能性がある、と」

    約1カ月後、ほくろの残りの部分を切除する手術を受けた。担当医からは、あの動画を見て医者へ行けと言ってくれた人のおかげで命が助かったかもしれないね、と言われたそうだ。

    家に戻ったグリズウォルドは、一連のできごとをTikTokにまとめて報告した。もちろん、すぐに拡散された。

    「人は親切で世界には善意があるんだとみんなに知ってほしいです。たとえネガティブなことばかり起きているように見える時があったとしても」

    予後について医師からは、切除した箇所はきれいになっていて異常な細胞はみられない、と言われているそう。万全を期すため、これからは半年に一度皮膚科で検査を受ける予定だ。

    以上、TikTokから生まれたちょっといい話でした。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:石垣賀子 / 編集:BuzzFeed Japan