• sexedjapan badge

「食べるとセックスしたくなるもの」ってあるんですか?

「カキを12個食べると、セックスの神様になれる?」

「アフロディジアック・フード(媚薬食品)」という言葉を聞いたことがありますか?

初耳だという方のために説明すると、食べると性欲が高まるとされる食品のこと。つまり、意中の人とデートをするときに食べれば、すぐに「その気」になる、というわけだ。本当に効果があるのだろうか?

ひとことで言えば、答えは「ない」

「性欲を著しく高められる食品や食材が本当にあるのなら、世界でもっとも人気のある食べものになっているはずです」。『The Complete A to Z for Your V(あなたのVのための、完全なAからZ)」の著者で、婦人科医のアリッサ・ドウェックは、BuzzFeed Healthにそう語る。

たしかに、すぐにその気にしてくれる超人気のセックスフードは存在しないのかもしれない。

BuzzFeed Healthでは、さらなる情報を得るために、前述のドウェックのほか、『The New Naked』(新しい裸)の著者で泌尿器科医のハリー・フィッシュと、セックスセラピストで『Wanting to Want(したいようになりたい)』の著者マデレン・カステリャノスにも話を聞いた。以下に、その内容をまとめた。

1. アフロディジアック・フードのなかには、脳をだますものもある

脳は最大の生殖器官だと、ドウェックは言う。したがって、催淫効果があると思っているものを食べれば、自分でそう信じこみ、身体が反応する可能性はある。プラセボ効果のようなものだ。そうした効果が出る仕組みとしては、いくつかのパターンが考えられる。

2. セックスの感覚を想起させることによって脳をだます食品

その一例が、カキだ。「カキはぬるぬるしていて、奇妙な触感があり、口のなかにうまく入れる方法を工夫する必要があります。そうした全体的な触感の要素が、キスやオーラルセックスと結びつくのでしょう」とカステリャノスは言う。同氏によれば、カキやハマグリ、ムール貝が呼び起こす官能的な感触は、一部の人にセックスを想起させ、場合によっては、それだけで「その気」になることもあるという。

そのほか、そうした思考や感覚を呼び覚ますものとして、バナナ、イチジク、パパイヤなど、セックスを連想させる外見を持つ食品が挙げられると、カステリャノスは語っている。

3. ロマンスや愛、セックスとイメージ的に結びついている食品

ドウェックはその好例としてダークチョコレートを挙げ、多くの人がチョコレートをロマンスと結びつけていると指摘した。さらにダークチョコレートに含まれているフェニルエチルアミン(フェネチルアミン)には、セロトニン濃度を上昇させ、幸福感を高める効果があるとドウェックはいう。ただし、チョコレートには糖質も含まれているので食べすぎは禁物だ。

とはいえ、個人的にセックスやロマンスと結びついているものなら、どんな食べものでもアフロディジアック・フードになる。要するに、ホイップクリームやチョコレートシロップを添えたデザートであれ、どこかのスペイン料理レストランで食べたディナーであれ、過去になんらかの効果があった食べものなら、もう一度ためしてみる価値はあるということだ。

「性的な記憶を呼び覚ます食べものがあるのなら、それをアフロディジアック・フードと呼んでもいでしょう」とフィッシュは語っている。

4. 毎日食べたほうがいい「健康的な食品」の場合もある

媚薬効果があるとされる食べものについては、これまでにいろいろな例を耳にしたことがあるだろう。たとえば、ザクロ、アボカド、鮭などはその代表例だ。スイカやサクランボ、イチジク、バナナ、ナッツがいいと聞いたことがある人もいるかもしれない。

たしかにそのとおりだ。とはいえ、そうした食品はどれも、栄養バランスのとれた食事の一部にすぎない。バランスのいい食事は、全身の健康のみならず、性的な健康にとっても必要だとフィッシュは指摘する。

具体的に言うと、ここに挙げた食品はいずれも、オメガ3脂肪酸、L-アルギニン、ビタミンBといった抗酸化物質などの栄養素を含み、全身(や特定部位)の血流を良くする効果があると、フィッシュは説明する。

「こうした栄養素は、動脈の疲労を回復させる効果に優れています。その意味では、男性の勃起機能や女性の性的興奮を高めてくれる、とも言えるでしょう」とカステリャノスは説明し、それが精神的な興奮にもつながると付け加えた。

「身体があるべき形で反応していれば、心理的な興奮も高まりやすくなりますし、その逆もまた同様です。身体が反応していないと、ネガティブな思考にはまりこんでしまいます」。そのせいで、当面のあいだ性欲が抑えられてしまうこともあると、カステリャノスは語る。

5. 「効く」ものでも、摂りすぎには注意

その代表的な例が、コーヒーとアルコールだ。

1杯のコーヒーなら、気分を高めておくのに役立ちそうに思える。だがカステリャノスによれば、飲みすぎると、不安状態に陥り、興奮しにくくなることがあると言う。さらにドウェックによれば、コーヒーには利尿作用があるため、「盛り上がったムードに水を差す」こともあるかもしれない。せっかくいいムードになってきたのに、途中でトイレに行かなければならなくなるかも、というわけだ。

同じようにアルコールも、少量なら自制心を緩め、気分を高める効果があるかもしれない。だが最終的には鎮静効果を発揮するため、飲みすぎると眠くなったり、勃起しにくくなったりするとフィッシュは説明する。

6. 朝鮮人参は安全かもしれないが、サプリメントは避けるべし

フィッシュによれば、朝鮮人参は性的機能を高めてくれるかもしれないが、自然な状態のものでなければ安全とはいえないという。

フィッシュはさらに、ドラッグストアなどにある「性欲増進」サプリメントは避けるべきだと警告している。こうしたサプリメントには、バイアグラのような、医師の監督下で摂取する必要がある薬剤が含まれている場合があるのだ。

7. 性欲を高めるのは、食べものだけではない

テストステロンやエストロゲンなどの性ホルモンが関係しているのはもちろんだが、性欲には無数の要素が影響を与えている。ストレスレベルや自尊心、相手との関係に対する印象、さらには睡眠の質までが絡んでくる可能性があると、3人の医師は口をそろえる。そのため、性欲の程度をコントロールしたいのなら、食べものだけに頼るべきではない。あなたの生活のなかに、そのほかにも考慮すべき要素があるはずだ。

「多くの人は、手軽に買って口に入れられるものを信じたがります」とカステリャノスは言う。「けれども、本当に効くのはそれではないのです」

この記事は英語から翻訳されました。翻訳:梅田智世/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan

セックスの悩み」について知りたい時に読みたい

###

BuzzFeedでは4月17日から23日までの1週間を「性教育週間」(Sex Education Week)として、性にまつわる様々な記事を配信します。誰にとっても他人事ではないけれど、どこか話しづらい「性」。私たちの記事が対話のきっかけになることを願っています。

・記事一覧はこちら

http://www.buzzfeed.com/sexed2017