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「銀座も一回行ったんでしょう」尾身会長、バッハ氏を名指しし苦言。政府の矛盾したメッセージに対しても…

全国で爆発的な感染拡大が続く中、政府は矛盾したメッセージを発信し続けている。政府分科会の尾身会長はこうした対応に苦言を呈した。

政府分科会の尾身茂会長は8月25日、衆議院厚生労働委員会で、矛盾したメッセージを発信し続けている政府の対応に苦言を呈した。

「バッハ会長の挨拶が必要ならば、なぜオンラインでできないのか?」など、名指ししたうえでの批判もあったほか、パラリンピックをめぐる学校観戦についても懸念を示している。

尾身会長はバッハ会長の“銀ブラ”に…

国内では新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、自宅療養を続けている人が増加の一途を辿っている。「医療崩壊」が起きているとの指摘も現場からは多くあがっている。

この日の委員会では、野党側から、政府が発する矛盾したメッセージが感染拡大防止に歯止めをかけていると指摘する声が上がった。

立憲民主党の尾辻かな子議員は、東京五輪閉幕後にIOCのトーマス・バッハ会長が“銀ブラ“をしていたことに言及。

丸川珠代五輪相が「不要不急の外出はご本人が判断すること」と発言したことにも触れながら、「誰が一緒になって、今は本当に大変だから一人ひとりが外出を止めなきゃいけないと思うんでしょうか」などと指摘した。

また、東京パラリンピック開幕の前日に都内のホテルでIPC(国際パラリンピック委員会)のアンドリュー・パーソンズ会長や菅義偉首相ら40人が参加する非公開の歓迎会が開催されたことにも疑問を呈し、尾身会長に認識を尋ねた。その回答はこうだ。

「私どもが再三申し上げたのは、五輪でメッセージがどうなるのかと。バブルの中のことよりは、このことが、人々の意識に影響するから大事だと再三申し上げてきました」

「バッハさん、私はお会いしたことはありませんけど。いま人々にテレワークを要請しているわけですよね。その時に、今回また来る。バッハ会長の挨拶が必要ならば、なぜオンラインでできないのか?こういうことですよね」

「国民にお願いしているんだったら、五輪のリーダー・バッハ会長がなんでわざわざくるのかと。銀座も一回行ったんでしょうと……。普通のコモンセンスならできるはずなんですね。私は専門家というよりも、一般庶民としてそう思います」

子どもたちのパラリンピック観戦、問題は感染リスクではない

東京パラリンピックは無観客開催となったものの、一部の学校観戦が決まっている。

東京都教育委員会は8月24日時点で、新宿区や渋谷区、杉並区などの幼稚園児や小中学生合わせて2万人と、6つの都立高校などの生徒500人が参加する予定と発表している。

こうした子どもの観戦に批判も集まる中、尾身会長は次の様に語った。

「学校観戦は、行っても感染しない確率は高い。熱中症はあるかもしれないですが、実はそこが問題ではないんですね。これだけのみんながあれ(自粛)している時に、教育のためといっても、なんで、この時期にやるのか」

「問題の本質は、そこで感染が起きるか起きないかじゃないんです。そのことがどういうメッセージを一般の人に伝えるのか。そうした問題は、今起きていると確信しています」

尾身会長は政府の発するメッセージの重要性について、たびたび指摘してきた。BuzzFeed Newsのインタビューにも「人々に協力を求めるのであれば、なおさら、まずは自分たちが汗をかいて、できる限りのことをやっていると、行動で示さなければいけません」などと語っていた。