天国と地獄、最大10万円のチャンス!? お正月を迎えた子どもたちが楽しみにしている「お年玉」の金額を決めるルーレットが注目を集めています。
夢がたくさん詰まっていると思ったら、中身は厳しい現実だけでした。
注目を集めているのは、モノづくりが大好きというエンジニアのKazumasa Kusaba(@KazumasaKusaba)さんがX(旧Twitter)に投稿したもの。
Kusadaさんは以前に開発した「絶対にハズレしか出ないルーレット」を「お年玉の金額を決めるルーレット」に進化させました。
盤面には500円、1万円、2万円、3万円、10万円のマスが用意されており、停止ボタンを押して止まったマスの金額がお年玉としてもらえるという、なんとも夢のあるルーレットです。
しかし、その実態はスマホから出目がコントロールできるようになっているイカサマルーレット。500円を指定するとどんなタイミングで停止ボタンを押しても必ず500円のマスに止まるという仕様で、どんなにがんばって10万円を狙っても、そこに針が止まることはありません……インチキ! インチキ!
このイカサマし放題のお年玉ルーレットに、Xでは「ざわ……ざわ……」「イカサマだー!」「技術と悪意のコラボ」といった反応が寄せられ、「当日バグってくれ!」「スマホを取り上げるのだ!」など、ルーレットに挑む子どもたちを応援する声が多く寄せられました。
BuzzFeed Japanは開発者のKazumasa Kusabaさんにイカサマルーレットをどのようにして作ったのか聞きました。
「遠隔操作」にこだわったイカサマルーレット
――ルーレットの機能について教えてください。
スマートフォンのUIに表示されている「Free Stop」というのが「即停止モード(ボタンが押されたらすぐに針が止まり目押しが有効になる)」です。また、金額を指定することで、特定のマスに必ず停止させることもできます。
SNS上では公開していませんが、スマートフォンからルーレットのマスの設定を行うこともできます。今はお年玉専用になっていますが、将来的に別の用途で使うときのため、ルーレット本体のファームウェアを書き換えずに、スマートフォンから設定を行えるようにしています。
――製作にあたってこだわった点はありますか?
1つ目はスマートフォンから遠隔操作できるようにすること。このルーレットの肝となる機能です。
2つ目はリアルタイムで遠隔操作ができること。動画には写っていませんが、実はルーレットの針が回転しているときでも、スマートフォンからの操作を受け付けられるようになっています。
大したことがないように思われるかもしれませんが、針を回転させながらウェブサーバーを動かしつつスマートフォンからの要求を受け付けるというのは、制御(プログラミング)の難易度が高かったです。
マイコンはESP32というCoreを2つ持つマイコンを使っており、片方にネットワーク系の制御(ウェブサーバーを含む)、もう片方にルーレットそのものの制御(ステッピングモーターやボタン、オプティカルセンサーの制御)というように、役割を完全に分担させることで、なんとか解決できました。
3つ目は設定の変更をスマートフォンから行えるようにすることでした。
――作品を作るにあたって苦労したことはありましたか?
「リアルタイムで遠隔操作ができること」を実現するのがたいへん難しかったです。最後まで頭を悩ませました。
――大変多くの反響が寄せられています。今の心境を教えてください。
こんなにも多くの反響をいただけたことに、大変驚いております。中には「ほしい」といった声もあり、今後のものづくりの励みになりそうです。
また、このルーレットはお年玉の金額を決定するのみならず、色々なことに応用できそうなことがわかりましたので、色々と検討してみたいと思っております。
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こちらのルーレットには針の位置がずれた場合、それを感知して補正する機能も搭載しているとのこと。果たして、子どもたちに攻略することはできるのでしょうか?