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今年の超おすすめインディーゲーム5選。シナリオ特化の2Dアクションから激ムズ象さんパズルまで、ウインターセールが来たので様々なジャンルを激推しします

年中ゲームばかりしている当社ライターが選んだ珠玉の5タイトル。好みのゲームが見つかれば幸いです!

「Steamウィンターセール」が12月22日から始まりました。遊びたかったあのゲームを普段より安く買うチャンスとなっています。

この機会に便乗し、2023年に発売・日本語訳が追加された「インディーゲーム」の中から、ゲーム大好きの筆者が選りすぐった心に残るゲームを5つ紹介させていただきます(最新作1タイトルのみセール対象外ですがどうかお許しを……)。

(対応機種、値段は2023年12月22日現在のもの)

言葉の力を解き明かすパズルゲーム『Chants of Sennaar(チャンツオブセナール)』

9月6日に発売された『Chants of Sennaar』は、不幸な歴史や差別によって言葉を交わすことを忘れた世界で古代言語を解き明かす「言語解読」アドベンチャーゲームです。

『Chants of Sennaar』ゲーム内より

ゲーム内に登場する言語はすべて架空のものになっていて、プレイヤーは謎の文字を解き明かしながらこの世界の歴史・謎にも迫っていきます。

この手のゲームはだいたいが“ゲキムズ”で、とことん向き合うことが求められる突き放したデザインのものが多いのですが、このゲームはユーザーに優しく寄り添ってくれるデザインなのが意外であり、革新的です。

わかりやすい問題から徐々に徐々にステップアップしていき、答え合わせのペースも非常に速いため、「クリアしてほしい」という製作者の気持ちが伝わってくるような親切さを感じます。こういったアドベンチャーゲームをやったことがない人にこそオススメしたい丁寧なゲームだと思いました。

こういった壁画などから文字の意味を考察していきます。『Chants of Sennaar』ゲーム内より

問題を解いていくうちにこの世界の歴史が理解できる構成で、楽しみながら考えられるのもポイント。その物語も先が気になるため、夢中で遊ぶことができます。

もちろん終盤は「ここまで解けたプレイヤーなら解けるはず」と製作者に言われているような、ユーザーへの信頼を感じる難しい問題が出題されます。それが解けた時のうれしさ・達成感は、“ゲキムズ”なゲームと肩を並べられるものに仕上がっており、それはこのゲームが丁寧に丁寧に積み上げてきた優しさ故のものなのが巧みですね。

対応機種:Steam(2480円→1月5日まで1984円) / Nintendo Switch(2420円) /  PlayStation4(2420円) / Xbox Series X・S(2450円→1月2日まで1960円)

Chants of Sennaar商品PV

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Focus Entertainmentより / Via youtube.com

世界に色を塗る『チコリー 色とりどりの物語』

なんとも殺風景な“色を失ってしまった世界”。

『Chicory: A Colorful Tale』ゲーム内より

そんな世界(ゲーム内のあらゆるもの)に色を塗ることができる「魔法の絵筆使い」となり、世界の謎を解き明かしていく『チコリー 色とりどりの物語』は、とにかくシナリオが素敵なゲームでした。

『Chicory: A Colorful Tale』ゲーム内より

主人公はチコリー……ではなく、ただの友達。実はチコリーは誰もが憧れる“天才”絵筆使いの名前で、主人公はチコリーの絵筆を拾っただけのなんの才能も持たない人物です。

最初こそ「憧れの絵筆使いになれた!」と喜び、魔法の絵筆を使って旅を楽しむ主人公でしたが、次の絵筆使いに選ばれるために死に物狂いで努力していた人たちがどう思うか……天才ともてはやされたチコリーがなぜ絵筆を捨ててしまったのか……主人公は徐々に実情を理解していきます。

クリエイターたちの「痛み」に焦点を当てたストーリーは、楽しいだけの気持ちにさせてくれるものではありません。しかし、終わった後はなんとも晴れやかな“色”を心に残してくれるゲームでした。

『Chicory: A Colorful Tale』Steamストアページより

発売は2021年6月11日ですが、今年日本版が登場し、2023年12月21日にはNintendo Switch版も発売されたため本記事で紹介させていただきました。

まだ見ぬ才能を秘めた絵筆使いが増えることを願っています。

対応機種:Steam(2300円→1月5日まで1150円) / Nintendo Switch(2940円) / PlayStation4・5 (3080円→1月5日まで1540円) / Xbox Series X・S (2350円)

『チコリー 色とりどりの物語』商品PV

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Finji 公式チャンネルより / Via youtube.com

ゾウさんのパズル『ALEPHANT』

3月1日に発売した、ゾウさんが主人公の言葉のないパズルゲーム『ALEPHANT』の魅力は、なんと言っても「難しい」ことです。

『ALEPHANT』Steamストアページより

「こうしたらクリアになるよ」といった優しい説明などは一切取り払われており、クリア条件すらもプレイヤー自らの手で見つけ出さなければなりません。

『ALEPHANT』Steamストアページより

試行錯誤の楽しさと、どう見ても詰んでいる状況から一転してクリアに向かうような爽快な問題の数々は今年出たパズルゲームの中でも、極上の体験をさせてくれるものばかりでした。

頭がおかしくなりそうな高難易度のパズルに挑戦したいという人や、ゾウさんが出てくるパズルゲームが好きな人にオススメです。

完全に余談ですが、クリアしたときの「モッ」という変な効果音がだんだんと癖になります。なんなんだあの音は……。

対応機種:Steam(1200円→780円)

たった2人で作った“美しすぎる”和製ホラーゲーム『ウツロマユ』

1980年代の日本を舞台にしたホラーゲーム(12月7日発売)。

日本のクリエイター2人で作ったというこのゲームは、近年登場した名作ホラーゲームと比べてもとにかくリアルで美しいことが特徴です。

『ウツロマユ』Steamストアページより

もちろんその分フィールドはコンパクトになっていますが、狭い分小物の配置や障子の破れ方などから、恐ろしいほどの作りこみと“ホラーゲーム愛”を感じることができます。

ホラーゲームの美しさ・リアルさは“怖さ”にも直結。悲鳴を上げてしまうような恐ろしい体験がプレイヤーを待ち構えており、歴代の名作ホラーと比べても『ウツロマユ』は怖いホラーだと感じました。

『ウツロマユ』Steamストアページより

また、ストーリーも非常に面白く、「なぜ、この怪物はいるのか」「なぜ、主人公がここにいるのか」などの謎を、使用人の日記や親戚に充てた手紙から推測していくという体験に気づけば夢中に。

決して見た目だけではない、中身も伴った隙のないホラーゲームでした。

対応機種:Steam(1480円)  

『ウツロマユ』商品PV

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NAYUTA STUDIOより / Via youtube.com

涙が止まらない最高のエンディング『SANABI』

復讐に燃える元軍人が装備した「チェーンフック」を使い、ディストピア・サイバーパンク世界を高速で駆け抜ける2Dアクションゲーム『SANABI』。

もちろんゲームも面白いのですが、『SANABI』の魅力はゲーム開始直後から引き込まれるストーリーの面白さにあります。

ピクセルアートで彩られたストーリーシーンはアニメのように動き、一瞬たりとも目が離せないような作りこみです。終盤すべての謎が解き明かされるシーンでは、あまりの感動に友人が見ていたにも関わらず号泣してしまいました(見ていた友人も泣いていました)。

『SANABI』ゲーム内より

そのシナリオは、『Fate』『空の境界』などで知られる奈須きのこさんも自身のブログで「ゲームライターとして致死級のダメージを受けました」と称賛しているなど、徐々にではありますがゲーム好きの間で評判が広まりつつあります。

『SANABI』ゲーム内より

ただシナリオが良いだけではなく、プレイヤーの体験とストーリーが一体となるような「ゲームならでは」の部分がゲームファンとしてはうれしいもので、映画やアニメなどでは摂取できない楽しさを味わえるものでした。

現状は翻訳の質が悪いという欠点がありますが、作者に取材すると近日中に修正されるとのこと。完璧な状態となったこのゲームの“2周目”をお正月にプレイするのが何よりの楽しみです。

対応機種:Steam(1520円→1月5日まで1216円) / Nintendo Switch(1520円→12月31日まで1216円)

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任天堂公式チャンネルより / Via youtube.com