過去のタトゥーが、まったく違う意味に…。「誤解が不安」「取り除きたい」

    8年前、友人とお揃いで入れた「Q」のタトゥーが、今では誤解を招きかねないものに。「まさかこんなにもタトゥーの意味が変わるとは想像もしていかった」

    日々、目まぐるしく変化する世界。今までには予想もできなかったことで、不運な経験をする人が多くいる。

    そのひとつに、気軽に入れたタトゥーがとんでもない誤解を生み出してしまうケースがある。

    2月下旬、アメリカ・ケンタッキー州に住むリア・ホランドさん(25)のタトゥーがTikTokで話題になった。

    ホランドさんの腕には、「Courageously & radically refuse to wear a mask(勇気を持ち、マスクをすることを頑なに拒否する)」と過去に入れたタトゥーがある。

    タトゥーを入れたのはパンデミックの前。彼女にとっては意味のあるメッセージだった。

    Leah Holland

    リア・ホランドさんと、彼女のタトゥー。

    タトゥーの「マスク」は仮面を意味している。自分を偽ったり、誰かのふりをしたりないというメッセージを込めた。

    ホランドさんはBuzzFeed Newsに対し、ケンタッキー州が最初のコロナ陽性者を発表する2日前にタトゥーを入れたと語った。

    残念ながら、今ではホランドさんのタトゥーは全く別の意味をはらんでしまっている。

    そして最近、彼女と似たような不運な経験をしている人が増えはじめた。

    カナダ・トロント住在のケイトリン・ケニフィックさん(27)は8年前、首の付け根、背中の上部あたりに大きな「Q」のタトゥーを入れた。

    BuzzFeed Newsはケニフィックさんを取材した。

    ここ数年、「Q」と名乗る人物によってネットに投稿される陰謀論の信奉者「Qアノン」の存在が強まっている。Qアノンの陰謀論や活動は、主にアメリカの極右勢力によって支持されている。

    それに連れて、ケニフィックさんの「Q」タトゥーが誤ったメッセージを他人に伝える可能性があり、「不安になり始めた」と彼女は語った。

    Caitlin Kennific

    ケニフィックさんのタトゥー。

    2013年、19歳だったケニフィックさんは、絆の象徴として友人とおそろいのタトゥーを入れた。

    「『Q』という文字は、友人との内輪の冗談だった」とケニフィックさん。

    「特に会話をしなくても、相手のことを思った時に 『Q 』という文字を送っていた」

    「かなり長い時間ネットを使っていたので、世界が知る少し前にQアノンの存在に気付き始めた」

    ケニフィックさんは、自身のタトゥーのフォントがQアノンが使用していたものと非常に似ていたため、警戒していたという。

    「選挙が終わった直後、ネット上でQアノンについての話題が出始めたときだった」

    「『カエルのぺぺ』が極右勢力の象徴となったときを覚えているし、私はかなり不安になり始めた」

    The Washington Post / The Washington Post via Getty Im

    今年1月6日、アメリカの首都ワシントンで起きたトランプ氏の支持者らによる連邦議会襲撃。男性(中央)が着ている服に、「カエルのぺぺ」が。

    カエルのぺぺ」とは、ウェブ漫画「ボーイズ・クラブ」に登場する擬人化したカエルのキャラクター。

    元々は差別的な意味は持っていなかったものの、ネット掲示板でミームとして流行したのを発端に、極右団体などに利用されるようになった。

    投稿内容は過激化し、2016年にはヘイトシンボルに認定された。

    同年の大統領選挙で、トランプ氏が勝利した。その翌年ごろから、ネット掲示板でQが活発化し始める。ケニフィックさんは数年間、自身のタトゥーを除去しなければならないのではと心配していた。

    友人たちからは「心配しすぎだよ。Qアノンとあなたを関連付ける人なんていないから」と言われていたそうだ。

    しかし今年1月、アメリカの首都ワシントンで起きたトランプ氏の支持者らによる連邦議会襲撃の後、ケニフィックさんはタトゥーを取り除くことを決めたという。

    「『Q』タトゥーは首と背中の中間にあるので、Tシャツがずり落ちて人に見られる可能性がある」

    「私はQアノンじゃない。誰かが『Q』のタトゥーを見て、誤解したらととても不安」

    「コロナが収まったら、いちばんにこのタトゥーを取り除きたい」

    Caitlin Kennific

    ケイトリン・ケニフィックさん。

    ケニフィックさんはホランドさんのタトゥーについて知り、特別な親近感を感じたという。

    「世界はどんどん変化している」

    「タトゥーを入れようとすると、大抵のお母さんは『意味や気持ちが変わるかもしれないよ』と言うけど、まさかこんなにもタトゥーの意味が変わるとは想像もしていかった」

    「ホランドさんは腕に、私は首の後ろに意味のあるタトゥーを入れただけなのに、こんなことになってしまった」

    ケニフィックさんはこの不運な経験から、タトゥーのようになかなか取り消せないものにでも、適応していく必要があると学んだという。

    「人生とは、いろんな物事に適応していくことだと知った」

    「自分で決めたことが、他の力によって捻じ曲げられることもある。自分ではどうしようもないことも」

    「人生って不思議」とケニフィックさんは笑いながら付け加えた。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:アシュウェル英玲奈