子ども向けのTシャツに書かれた文言をめぐって、ディズニーが批判される

    「いまや、その人の意見や言葉の中身のほうが、靴なんかよりもずっと重要だと広く認識されているはずです!」

    ディズニーが「Shoes speak louder than words(靴は言葉よりも雄弁)」と書かれた子供用Tシャツの販売中止を迫られている。きっかけは、そのメッセージを「時代遅れ」と非難する、ある母親のFacebook投稿だった。(投稿は現在、削除されている)

    ロンドンに住む36歳のインテリアデザイナー、エマ・パーマーは1月3日、ショッピングセンター「ウェストフィールド・ロンドン」に入っていたディズニーストアで、あるTシャツを目撃した。そのTシャツに書かれたメッセージを見た彼女はショックを受けた。そのスローガンは、女の子に対する時代遅れの見方を象徴しており、そんな商品を店頭に並べるべきではないと彼女は思った。

    パーマーは2児の母で、6歳の娘と3歳の息子がいる。彼女はFacebookに、このデザインに関するディズニーへの批判を投稿した。「簡単に言うと、女の子に伝えるべきメッセージとして、すべてがまちがっています」と彼女は述べた。

    「いまや、その人の意見や言葉の中身のほうが、靴なんかよりもずっと重要だと広く認識されているはずです!」という彼女の意見に、ほかの人々も賛同した。

    BuzzFeed Newsの取材に対してパーマーは、彼女の意見に異議をとなえて「ただのTシャツじゃないか」と言う人たちも中にはいるが、彼らの意見は「まったくの的外れ」だと話してくれた。

    「女の子に伝えるメッセージは、その子が思っていることや、その子の知性、その子の意見についてであるべきです。その子の容姿についてではなく」と彼女は語った。

    「おしゃれをしたり、お化粧をしたり、きれいなものを身につけたりするのはたしかに楽しいです。でも私はそうしたことを、頭脳や自分の意見の代用品として使ったことは一度もありません」

    彼女は親として、子どもに対するこうした類いの「ジェンダーマーケティング」と闘わなければと思ったという。

    「まずは、広告やTシャツです。あるいはピンク一色になったオモチャ屋に乗り込んだり。時間はかかるでしょうが」

    パーマーは先日、娘からこんなことを言われたという。「私は女の子だからバカなんでしょう?」と。また、息子からは「バレエを踊ってみたいんだけど、男の子だからダメだよね?」とも。

    「わたしはこう言いました。『そんなことないわ! じゃあ、男のバレエダンサーはどうなの? 誰が女のダンサーを持ち上げているの?』と」

    「私は、娘を男の子にしたいとか、息子を女の子にしたいとか思っているわけではありません。あの子たちに、何をしたいと思ってもいいし、何に興味を持ってもいいということを知ってもらいたいだけなんです」

    「ディズニーのような子ども向けのグローバルブランドが、自社のTシャツに、とにかく恥ずかしい時代遅れのメッセージを掲げている」ことに対して、パーマーは抗議の声をあげる必要性を感じたという。

    「このTシャツを見たとき、『ちょっと待って。ここはちっぽけな店じゃない。とてつもなく大きなメッセージを世界中の子どもたちに送っている一大ブランド、ディズニーなのに』と思いました」

    この件について、ディズニーからのコメントは得られなかった。パーマーによると、ディズニーはFacebookで彼女のクレームに返答し、調査を行う意向であることを伝えてきたという。

    パーマーのディズニー批判が呼び水となり、1月の第1週に、ある祖母も不満の声をあげた。ディズニーは、パッケージにシンデレラが描かれた「つけまつげ」を販売して、子どもをセクシャライズしようとしている(性に目覚めさせようとしている)として同ブランドを非難したのだ。

    ディズニーが英『サン』紙に語ったところによると、このつけまつげは、ティーン以上の大人を対象につくられたものであり、通常は化粧品売り場にしか置かれていないという。BuzzFeed Newsはこの件についてもディズニーにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

    また親たちは、「ジェンダー・ニュートラル」な子ども服がないことにもいらだちを募らせている。

    ロンドンに住む38歳のジェム・ムーニー=ダルトンは2017年8月、Facebook投稿で、英国の靴ブランドであるクラークスが、性に対する固定観念を助長していると批判した。この投稿はバイラルを巻き起こし、これまでに1万7000件のシェア、および4万7000件を超す「いいね!」とコメントを獲得している

    ムーニー=ダルトンは、7歳になる自分の娘に、外で遊ぶときに履ける頑丈な靴を買おうとしたが、見つけられなかったと述べた。そして、店内の売り場は「男の子に向けて大々的な売り込みがかけられており、あきらかに自分の娘は対象外だった」と不満をもらし、「性差別」に加担しているとしてクラークスを非難した。これに対してクラークスは、ユニセックスの頑丈な靴もそろえていると反論した。

    ムーニー=ダルトンは、これはクラークスに限った話ではなく、ほかの同じようなブランドやスーパーマーケットなどでも見られる問題であると述べ、万人を受け入れる営業方針を彼らに求めた。

    2016年にはアパレル大手のギャップも、男の子は「学者」に、女の子は「社交家」になるべきとほのめかす商品ラインナップを展開して、消費者からの反感を買った。

    この記事は英語から翻訳されました。翻訳:阪本博希/ガリレオ、編集:BuzzFeed Japan