10月11日は、自分の性的指向や性自認をカミングアウトする勇気をたたえ、自分らしく生きたいと願う人々を応援する「国際カミングアウトデー」。
この日を記念し、Netflixが「あたりまえのことを、あたりまえに言える時代へ。」という言葉とともに、LGBTQの登場人物が活躍する作品のワンシーンを集めた全面広告を朝日新聞に掲載しました。
「この日、観てほしいシーンがある」
掲載された広告には「この日、観てほしいシーンがある。」という呼びかけのもと、「誰もが自分らしく生きられる世界とは何か」を考えるヒントとなる7つの作品が紹介されています。
女子刑務所を舞台にしたドラマ「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」からは、自身もトランスジェンダーである女優ラヴァーン・コックスが演じたトランス女性の登場人物の「本当の自分になれたの。もう前には戻れない」という台詞などを紹介。
他にもドラァグクイーンが競い合う「ル・ポールのドラァグ・レース」のワンシーンや、10代が性の悩みに向き合う様子を描いた「セックス・エデュケーション」の「これが僕だから。傷つくとしても、僕らしくいたい」という言葉。
さらには、「クィア・アイ in Japan!」に登場した日本人会社員のカンさんが、恋人と手を繋いで街を歩くシーンなどが紹介されています。
あのシーンは「自分の声を聞き、行動に移せた瞬間」
カンさんは都内で働くゲイの会社員で、「クィア・アイ in Japan!」の第2話に登場しました。
幼い頃から「自分を受け入れてもらえるか」という不安を抱えてきたというカンさんが、ファブ5と一緒に「自分らしさ」を取り戻し、家族に最愛のパートナーを紹介するまでを辿ったエピソードには、世界中から反響がありました。
カンさんにとって、手をつないだあのシーンは「周りの声ではなくて、自分の声を聞き、行動に移せた瞬間」だったとBuzzFeed Newsの取材に語ります。
「僕はずっとトムと日本で堂々と手を繋ぎたかったのですが、同性同士で手を繋いでいる僕たちを周りはどう見るのだろうと考えると、不安で手を繋げずにいました。クィア・アイの撮影を通じて、『自分の声をもっと聞き、行動に移して良いんだよ』と背中を押してもらいました」
カミングアウトについては「とてもパーソナルなことだと思うので、自分がしたければすれば良いし、したくなければしなくて良いと思います。もしカミングアウトをするのであれば、誰かのためではなく、自分のためにしてあげてほしいです」と語るカンさん。
「僕は、自分のセクシュアリティについて認知と理解をしてもらうためにカミングアウトをしましたが、将来はあらゆるセクシュアリティへの認知と理解が進み、カミングアウトの必要がない世の中になってほしいと思っています」と話しました。
10月11日まで渋谷駅にも
今回の広告は、同様のものが10月11日まで渋谷駅の構内にも掲示されています。
Netflixは今回のキャンペーンで「あたりまえのことを、あたりまえに言える時代へ。」というフレーズを掲げた意味について、こう説明しています。
「一人一人が違ってあたりまえと理解する方々が増えることで、カミングアウトを取り巻く不安や緊張、さらには、カミングアウトという形式すらなくなるかもしれない」
「このキャンペーンをきっかけに、より多くの方々がLGBTQに関連するストーリーに触れ、お互いへの思いやりをもてる世界へ近づく一歩となることを願っています」
カンさんにインタビューした記事はこちら。