白人歌手が「私は日本人」と発言し、ネットが騒然。「大の日本好き」として知られるも…【2023年上半期回顧】

    「原宿カルチャー」の大ファンを自称する、アメリカの歌手グウェン・ステファニー。プロモーションや表現が「文化の盗用」行為なのでは、と過去に何度も指摘を受けてきました。雑誌のインタビューで「私は日本人」と発言し、再び批判にさらされています。【2023年上半期回顧】

    2023年上半期にBuzzFeedで反響の大きかった海外記事をご紹介しています。(初出:1月11日)

    アメリカの歌手でノー・ダウトのボーカル、グウェン・ステファニーが、コスメブランド「GXVE」を立ち上げ、プロモーションの一環で雑誌「アルーア(ALLURE)」に登場しました。

    インタビューでは、2000年代初頭にグウェンが受けた批判について触れています。

    大の「日本ファン」として知られるグウェンは当時、「原宿ラバーズ」と称したフレグランスを展開していました。

    商品のプロモーションやミュージックビデオのバックダンサーには、「原宿」スタイルに身を包んだ多くの日本人や日系人を起用していました。

    グウェンの「異文化の取り入れ方」は「文化の盗用」の典型的な例にあたるのでは、と当時も今も指摘されています。

    アルーアの記者が批判から何を学んだか尋ねると、グウェンは身の上話を始めます。自身の父親がヤマハに勤めていた関係で、18年間、カリフォルニアと日本を行き来する生活だったと語りました。

    「それで私は日本から影響を受けたの。日本文化はとても豊な伝統がありながら未来的で、芸術性と細やかさ、その規律性に細心の注意を払っていて、魅力的だった」

    「なんてこと、私は日本人だったんだ。知らなかったけど、そうなの。そうでしょ」

    「なにか美しいもののファンになって、人々にシェアする。これが批判されるのは、正しくないと思う。あの頃(2000年代初頭)は、原宿カルチャーとアメリカンカルチャーがマッチした、クリエイティブで美しい時代だった」

    グウェンの「私は日本人」発言はインタビュー記事のタイトルにもなり、SNSで拡散されました。複数の媒体も報じています。

    出自が日本に関係していないにもかかわらず、このような発言をすることは、日本人や日系人のアイデンティティーを侵害するものだとして、SNSでは過去にあったような批判のコメント見られました

    「アジア文化を熱烈に愛する=その一員になる、ではない」「グウェンはマジョリティ=特権のある白人女性であり、決して(アメリカにいる日系人のような)マイノリティでなはい」などの声が、アジア系コミュニティーからあがりました。

    日本では「この発言では傷つかない」「好意的なものだから問題ない」など、グウェンを擁護する意見もあります。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子