韓国で「犬肉」の食用禁止へ。今年中に法案提出、業者への支援も含む

    韓国では古くから「スタミナ料理」の代表として犬肉料理がある。ところが近年は国際的な批判もあり、国内でも若者を中心に犬食の反対運動が広がっている。

    犬食文化のある韓国で、犬肉の生産や食用を禁止する法整備が進みそうだ。

    与党「国民の力」の政策責任者、ユ・ウィドン氏が、法案を年内に提出すると明らかにした。

    背景には、動物愛護の観点から犬食を「残酷」とする国際的な論調がある。韓国国内でも、若者を中心に犬食に反対する動きが強まっていた。

    韓国では「スタミナ料理」として犬肉を調理する文化があるが、実際に犬肉を食べる人は大幅に減少したという。

    2018年にCNNが報じたソウル市の統計では、犬肉を提供する店舗の数が2005年から2014年にかけて40%減少した。ロイター通信が報じたギャラップ韓国による世論調査では、犬肉の消費に反対と答えたのは64%で、過去1年以内に犬肉を食べた人は全体の8%に留まった。

    政府・与党は今年中に法案を提出する予定だ。ユ氏は、超党派の支持を得れば、法案は国会を通過するとみている。

    政府の農林畜産食品部長官、チョン・ファングン氏は法案会議で、犬食の禁止を迅速に実施し、産業関係者を最大限支援すると述べた。

    キム・ゴンヒ大統領夫人も犬食否定派で有名だ。ユン・ソンニョル大統領と、野良犬を保護している。

    業者からは反発の声もある。法案には3年の猶予期間と、別産業に移行する業者に対する財政支援が含まれる。補償は、国の認可を受けている犬肉農家、食肉処理業者、レストラン経営者などが対象だ。

    「私たちは、この法律により閉鎖や移行に直面している農家、肉屋、その他の事業者に全面的な支援を提供します」とユ氏は述べた。