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ゲイの黒人男性に、トランスジェンダー女性。アメリカで「歴史的初当選」続出

アメリカ大統領選挙と合わせて、連邦議会選挙と州議会選挙も行われている。LGBTQの歴史に名を残す議員が連邦議会や州議会で初当選する見通しだ。

11月3日(現地時間)に投票されたアメリカ大統領選挙と並行して行われた連邦議会選挙と州議会選挙で、これまでの歴史を塗り替える議員らが誕生する見通しだ。

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1人目は、民主党のリッチー・トーレス氏。ゲイであることを公表している黒人男性として初めて、下院での当選を確実にした。

ニューヨーク・ブロンクス出身のトーレス氏は7年前、当時25歳でニューヨーク市議会選挙で当選し、ゲイであることを公表する初の市議会議員となった。

最終的な候補者を決めるため行われた今年6月の民主党予備選挙では、反LGBTQ的な発言が多かったルベン・ディアス・シニア氏を破っている。

CBSによる当時のインタビューで、トーレス氏はこのように語った。

「政界を率いる同性愛嫌悪者を、LGBTQをオープンにしている候補者が打ち破る。これは、私が長年の夢だった美しい正義を、まさに表しています。プライド月間を祝うのに、これ以上良い方法があるでしょうか?」

トーレス氏はセクシュアリティのみならず、メンタルヘルスについても公で頻繁に発言してきた。過去に、BuzzFeed Newsのインタビューでうつ病の経験を明かしている。


トーレス氏と共に、ゲイを公表している黒人男性として下院に初当選した人物がいる。

ニューヨーク・ナイアック出身、民主党のモンデア・ジョーンズ氏だ。トーレス氏と同様、ニューヨーク州で選出された。

当選について、ジョーンズ氏は「責任の重さを感じている」とCBSに話している。

「『あなたの行動に感銘を受けている』『あなたから希望をもらった』。私の選挙区だけでなく、全国の方々…若者から高齢者まで多くの人が、そう私に伝えてくれました。彼らの代表を務めることができ、本当に嬉しく、誇りに思います」

アメリカの連邦議会でLGBTQを公表している議員は、2020年の改選前で9人いた。2012年、ゲイの有色人種として初当選したマーク・タカノ下院議員や、2018年に当選したシャリース・デイビッド下院議員らがいる。


民主党のサラ・マクブライド氏は、デラウェア州議会で史上初めてのトランスジェンダーの上院議員となる。

LGBTQ活動家だったマクブライド氏は、前回の大統領選挙の民主党大会で、ヒラリー・クリントン氏の応援演説も担当した。

マクブライド氏は2012年、ワシントンD.C.にあるアメリカン大学で学生会長だった時にカミングアウトしたという。その後、研修生としてオバマ政権下のホワイトハウスで働き、人権NGOヒューマン・ライツ・キャンペーンで報道官を務めた。

当選が確実になった数分後、マクブライド氏はBuzzFeed Newsの取材に応じた。

自身の幼少期、トランスジェンダーの人々が公のメディアで登場するのは「コメディーのパンチライン(冗談の "落ち" )としてか、ドラマの死体役」がほとんどで、権力のある立場にいるのは見たことがなかったと、マクブライド氏は振り返る。

自分が初のトランスジェンダー議員になったことをきっかけに、他の若いLGBTQの人々がもっと夢を追いかけられればと期待しているという。

「この結果が、若いトランスジェンダーの命を救うメッセージになるといいです」

UPDATE

状況の進展に合わせて、モンデア・ジョーンズ氏の情報を追記しました。

UPDATE

当初、「アメリカ連邦議会選挙で『歴史的初当選』続出」としていましたが、サラ・マクブライド氏はデラウェア州議会選挙で当選確実となったため、表現を修正しました。