SNSで拡散されている動画では、車やバイクが走る中、デリバリーバッグを背負った男性が馬に乗って通り過ぎます。
場所は、インド・テランガーナ州のハイデラバード。
インドでは1月初旬、ひき逃げや事故未報告の罰則を強化する新法案に対し、トラック運転手たちは全国的な抗議活動やストライキに踏み切りました。
ガソリンの不足を恐れた人々がガソリンスタンドに押し寄せ「パニック買い」をする事態にまで発展します。
動画が撮影された1月3日も、ガソリンスタンドは大混雑。道路もひどく渋滞していたそうです。ザ・タイムズ・オブ・インディア紙によると、男性は3時間待ちましたがバイクに給油できず、注文があったため馬に乗り換えて仕事を続行する決断をしたそうです。
インドでは、乗り手が16歳以上で馬を地方自治体に登録していれば、道路で馬に乗ることが認められています。日本でも、道路交通法上、馬は軽車両と同じ扱いになります。
同州のイスラム教政党Majlis Bachao Tehreek(MBT)の党首が、配達員に1万ルピー(約1万8000円)を贈る場面もXに投稿されています。
インドの交通事情は、日本よりもだいぶワイルド。車線や車間距離のルールを守って運転するドライバーは、ほぼいないと言っても過言ではありません。
都市部ではどん詰まりの渋滞が日常茶飯事で、隙間を縫って交通する車やバイクも多く、車両がぶつかり合うことも。
英紙ガーディアンによると、一部のフードデリバリーサービスは「10分以内の配達」を約束しています。配達時間の上限はドライバーにプレッシャーを与え、交通面での危険がより高まると批判する声もあがっているようです。