トランス女性が28カ所刺されて亡くなる。有罪の少年少女「反省のかけらもない」

    イングランドで2月、当時16歳のトランスジェンダー女性が亡くなった。有罪となった少年と少女は、暴力的な動画などを互いに送り合い、殺害方法を計画していたという。

    イングランド北西部のチェシャーで2月11日、トランスジェンダー女性のブリアナ・ゲイさん(当時16歳)が亡くなった事件。

    殺害の容疑で起訴されていた16歳の少年と少女に、有罪判決が下った。2人とも未成年のため、名前は公表されていない。

    BBCによると事件当日、ゲイさんは少女から公園に誘われたという。少年と少女は白昼堂々、ゲイさんをナイフで襲い、頭や首、胸、背中など、28カ所を刺して殺害した。2人は遺体を公園に隠すつもりだったが、犬の散歩中だった女性に夫婦に見つかり、現場から逃走した。

    ニューヨーク・タイムズは、2人は頻繁にメールのやり取りをする仲で「暴力的なものに夢中だった」と報じている。拷問の動画を送りあったり、人を殺す方法を計画したりしていたという。

    ゲイさんと少女は2022年11月ごろに知り合った。ゲイさんに「夢中」だと少年に送った記録がある。検察によると2023年1月、少女は少年に、鎮痛剤を過剰摂取させてゲイさんを殺害しようとしたことを打ち明けたという。

    少年に宛てたメッセージで、「あの子がうつ病だということはすでに知られている」「どういうわけか、耐性が強かったみたい。死ぬのに十分な量を飲ませたのに」と少女は書いた。

    母親は、ゲイさんがその週に体調を崩していたこと、嘔吐物に含まれていたものが錠剤の残骸であった可能性があったことを認めている。

    少女の寝室からは、手書きの殺害計画書も発見された。

    法廷で判事は2人に「終身刑を宣告しなければならない」と告げた。釈放が検討されるまでの「最低服役期間」を今後決めるという。

    出廷したゲイさんの母親によると、2人は「反省のかけらも」見せなかったという。「同情する気も失せた」と会見で語った。

    父親は、メイクアップ動画などを載せていたゲイさんのTikTokでの活動を「才能に満ちあふれていた」「誇りに思う」と振り返る。両親は、ゲイさんに「とても会いたい」と涙ながらに語った。