どんな業務形態でも、大切なメンバーに寄り添う環境であってほしいーー。
この春から社会人になった女性がTwitterに投稿した、リモートワークに関する切実な思いがあります。
「新卒でリモートスタート、すごく辛かった」と綴られ、結びには「部署にいる新卒メンバーに、ほんの少し心を配ってあげてほしい」というツイートに関心が寄せられています。今年の4月に新卒で入社した女性が綴ったものでした。
BuzzFeed Newsはツイートをしたゆりちさんを取材しました。
彼女の思いが込められたツイートとは。
新卒でリモートスタート、すごく辛かった。発言できるレベルもタイミングも分からない。文字でいただくご指摘は、表情も口調も見えないから刺されたようにきつかった。お仕事続けている方は伝えづらいと思うから、フリーになった私から。部署にいる新卒メンバーに、ほんの少し心を配ってあげてほしい。
《新卒でリモートスタート、すごく辛かった。発言できるレベルもタイミングも分からない。文字でいただくご指摘は、表情も口調も見えないから刺されたようにきつかった。お仕事続けている方は伝えづらいと思うから、フリーになった私から。部署にいる新卒メンバーに、ほんの少し心を配ってあげてほしい》
4月に人材系のベンチャー企業へ入社し、7月末に退社した彼女。もともと別の部署でライターとして、学生時代から1年間インターンとして在籍していました。

実はツイートの内容について、口外するつもりはなかったのだと答えます。
たくさんの方に読んでいただき、広めていただき、ありがとうございます👼🏻こんなに優しい方多いんだなぁ〜とほっこり。優しい方のまわりにいる、かもしれない、言葉が強めな方や、高圧的な指導が絶対と思ってる方に届くといいな、働くすべての人に、心理的安全性が届いたらいいなと思います。
「私自身以前からさまざまな方とTwitterで関わらせていただいていました。前職の方々に迷惑をかけたくないですし、SNSで仕事を辞めたこと、当時辛かったことについて、話すつもりは全くありませんでした」
では、どうして思いを綴ったのでしょうか。
「仲の良い友人と電話をしていて、その友人の友人も、私と同じように辛い状況にいるということを聞き、『なにか私にできることをしたい』と思いました」
そこでビジネスで活躍されている人がTwitterのフォロワーに多かったことから、「ここで何か発言することで救われるひともいるのでは」と思い、勇気を持って発信したのだといいます。
投稿には多くの人からの関心が集まり、リプライでは「文字だときつく感じることが多いんで要注意。新卒ならなおさらだと思う」「たしかに。社会人歴長くてもわからん時あるのに、新卒には相当キツいだろうね」など、同意の声が寄せられています。
ゆりちさん自身も反響に対して、「優しい方のまわりにいる、かもしれない、言葉が強めな方や、高圧的な指導が絶対と思ってる方に届くといいな、働くすべての人に、心理的安全性が届いたらいいなと思います」とコメントしています。
さて、リモートの状況下で、業務形態が出社からリモートワークに変わった会社は多いのではないでしょうか。
これから新入社員などを雇う場合、会社側はどんなことに気を配れば良いと思うかを、ゆりちさんに聞いてみると。
「上司の目線に立つと、『厳しい言葉をかけないと新人が育たない』という場面はあると思います」
「その時は、以前のように会って『おはよう』という場面がないこと、新人が相談できる人もいないことを十分に考慮して、それでも言うべきかどうか、他に伝え方はないか、考えてみてほしいです」
最近ゆりちさんが注目しているのはJYPエンターテイメントの創始者である、J.Y. Parkさんだといいます。
「リモートでは彼のように、叱るだけでなくちゃんと『認める』これが今まで以上に大事になってくるのではないでしょうか」
「時代にあった人を育てる方法は、叱る、悪いところを指摘する、ではなくなってきているように感じます」
この出来事がきっかけで、当時は自分を嫌いになり、朝も起きられず、何をしても涙が流れて、ご飯を食べられない日もあったのだと話します。
しかし、退職した現在は、おかげで自分の人生や価値観を見直して、自分らしい生き方、そして働き方ができているんだとか。
「私の価値観は前職にとっては正解ではないけれど、他の場所では受け入れられるということを知りました。以前より大事にしていた『みんなちがってみんないい』を身をもって体感したなと思っています」
最後にツイートを通して伝えたいこととは。
「『みんなちがってみんないい』。だから自分を責めないで。自分を責めてしまう環境、自分を嫌いになってしまう環境にいるのなら、先のことが見えなくても逃げてもいい、ということを伝えたいです」
「会社に対して無責任に思えるかもしれないけれど、会社に代わりはいても、自分の人生に代わりはいないので」