「いきなり殴られた」暴行被害を訴える女性の動画が拡散。米ニューヨーク市で相次ぐ、女性への暴行

    「被害を受けた女性たちに非はない」米ニューヨークで、女性に対する暴行が相次でいる。BuzzFeedは、被害にあった女性に話を聞いた。

    ニューヨーク在住の女性が、見知らぬ男から暴行を受けた。その直後に撮影した動画が、TikTokで4000万回以上再生されている。

    動画を投稿したのは、TikTokで120万人のフォロワーを抱えるインフルエンサー、ハレー・ケイトさん(23)。

    ニューヨークに住むハレーさんは3月末、見知らぬ男から顔を殴られた直後の動画を投稿した。動画に映るハレーさんの額は、痛々しく腫れている。

    ハレーさんは、涙ながらに「殴られたところが痛い」と状況を説明した。

    「ただ歩いていただけなのに、いきなり知らない男から顔を殴られたの。話せないくらい、すごく傷が痛い」

    「殴られた後、私は地面に倒れた。こんなことが起こったなんて、信じられない」

    ニューヨーク市警察によると、ハレーさんは3月25日に被害届を提出したという。ハレーさんは左顔面を負傷し、地元の医療施設で手当てを受けた。

    3月27日、ハレーさんを暴行したとされるスキィボスキィ・ストラ容疑者(40)が逮捕され、その後、暴行罪で起訴された。

    ストラ容疑者は、過去3年間にニューヨークの市長選、知事選、市議会議員選に出馬。自身のインスタグラムには、公共の場で女性に嫌がらせをする様子を撮影し、投稿している。

    市内で突然、暴力をふるわれるのはハレーさんだけではない。同様の被害を受けたという声が、複数の女性からSNSに上がっている。

    現在、これらの暴行にストラ容疑者が関与しているかは不明だ。

    NYPD police vehicle on duty with a visible crowd in the background

    近年、ニューヨークでは、地下鉄での襲撃ヘイトクライムが問題になっている。

    市内のデザイン学校に通う学生は、TikTok動画で「学校の帰り道に顔を殴られた」と被害を明かした。

    「下を向いて、携帯でテキストをしていた。すると、見知らぬ男から急に顔を殴られた」

    「すごくショックを受けている。女性をターゲットにした暴行が市内で流行しているのかはわからないけれど、ニューヨークに住む女性たちは警戒して」

    BuzzFeedは、市内で暴行の被害にあったと語る、サラ・エイミー・ハーバードさん(30)に話を聞いた。

    Person stands in a subway station with a mosaic artwork of trees on the wall. Exit sign visible

    事件後、サラさんはパニック障害を発症。暴行を受けた被害者を責める言葉「被害者非難(Victim Blaming)」も後を絶たないという。

    「『なんでやり返さなかったの?』とよく言われるんです。私の両親は格闘技の教室を経営していて、私自身も護身術を身につけています」

    「でも私は背後から暴行を受けました。加害者が凶器をもっているかもしれない。加害者はすぐに逃げたし、なぜわざわざ追いかけなきゃいけないんでしょうか?やり返して命を落とす女性もたくさんいるんです」

    Aerial view of a city skyline at sunset with prominent skyscrapers

    「事件が起こった日、私は家に帰って、仕事をしようと思っていた。何も悪いことをしていないのに、私は暴行を受けました。今は病院に通っていて、医療費も払っています。すごく不公平だと思います」

    「被害を受けた女性たちに非はありません。なのに、暴行を受けた被害者である女性たちが、その代償を支払っています。市はなんの責任も果たしてくれません」

    サラさんは、女性に対する憎悪犯罪がいかに「常態化」しているか、マイノリティの女性がより大きな被害を受けやすいかを強調した。

    警察への不信感もあり、事件直後は被害届は出さなかったサラさんだが、BuzzFeedの取材後、警察に届けを出す決意をしたという。

    TikTokでさまざまな情報が拡散されるなか、サラさんは「冤罪を生まないよう慎重になる必要がある」と付け加えた。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン