アジア系女性が路上で突然暴行されるも、警備員は傍観。憎悪犯罪として捜査中

    ニューヨークの路上で事件は起きた。監視カメラ映像には、女性が突然蹴られて路上に倒れ込む様子だけでなく、警備員が助けもせず扉を閉める場面も映されている。

    アメリカ・ニューヨークで3月29日(現地時間)、65歳のアジア系女性が突然男から暴行を受けた。ニューヨーク市警の憎悪犯罪(ヘイトクライム)班が捜査している。

    事件が起きたのはマンハッタンの路上。ニューヨーク市警が公開した防犯カメラの映像には、男が突然女性に向かって叫び、女性の胸を蹴る様子が映っている。女性が倒れると、男は女性の頭を複数回踏みつけた。

    NYPD

    路上に面したマンション内部にある監視カメラが、事件の一部始終をとらえていた。

    当局によると、男は女性に向かって「アジア差別的な発言をしていた」という。

    女性は重症を負い、地元の病院に搬送された。地元テレビ局は、女性は教会に向かう途中だったと報じている。

    当局は容疑者とみられる男の写真を公開し、情報提供を求めている。

    Help identify the below individual wanted in connection to an assault. On Monday, March 29th at 11:40 AM, at 360 West 43rd St, a female, 65, was approached by an unidentified male who punched and kicked her about the body and made anti-Asian statements. Info?☎️1-800-577-TIPS.

    Twitter: @NYPDHateCrimes

    ニューヨーク市警ヘイトクライム班のツイート

    監視カメラの映像には、女性が激しく暴行を受ける様子だけでなく、マンションの警備員が女性を助けようとせず、扉を閉める場面も映されている。

    マンションの管理会社は、映像に映っていた警備員を停職処分にしたと発表した。

    「我々はいかなる形の差別、人種差別、外国人嫌悪、アジア系アメリカ人コミュニティーに対する暴力を非難します。捜査の連携のため、暴行を目撃したスタッフは停職処分となりました」と同社はインスタグラムに投稿している。

    中国・武漢での感染者発生で注目されるようになった新型コロナウイルスの世界的大流行を受け、アメリカではアジア系に対する差別や暴行が増加している。被害者の多くは高齢者だ。

    ニューヨーク市警によると、3月1日から28日までに市内で確認されたアジア系に対するヘイトクライムは、33件にのぼる。

    コロナ禍で、アジア・太平洋諸島系住民に対する差別の根絶を掲げる団体「Stop AAPI Hate」が出した報告書によると、2020年3月19日からの約1年間、アジア系アメリカ人をターゲットにした差別的な事件が、全米で少なくとも3795件あった。

    ジョージア州のアトランタでは3月16日、男がアジア系が多く働くマッサージ店を相次いで銃撃。アジア系女性6人を含む8人が死亡している。

    UPDATE

    現地時間3月31日、ブランドン・エリオット容疑者(38)が逮捕された。

    エリオット容疑者は19歳の時に母親を刺殺し終身刑で服役。3月29日の事件当時は仮釈放中だったという。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。 翻訳:髙橋李佳子