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患者が動かした「基礎疾患のある人に優先接種」 名古屋市で受付け開始

優先的に接種を受けられるはずの基礎疾患がある患者に接種券がなかなか届かない問題。がん患者団体の要望を受け、名古屋市は7月6日に優先発送の受け付けを始めました。

新型コロナワクチンの接種が優先されているはずの基礎疾患のある患者が後回しにされている問題。

がん患者団体から早期に接種券を配るか接種券なしでの接種を可能にするよう要望を受けた名古屋市は、7月6日午前9時から重い基礎疾患のある65歳未満の患者を対象に接種券を早急に発行するための申請受付を始めた

当初の受付枠は1500人で、申請に基づき7月15日までに順次、接種券を配布する。申し込み状況次第で、追加枠を設けることも検討する。

「仲間にも同じチャンスを」 要望書が名古屋市を動かす

同市ではこれまで、64歳未満は年齢別に接種券を発行し、基礎疾患のある患者はその年齢枠の中で優先されるだけだった。

最も若い年齢層の16歳〜39歳は8月2日の発送日となり、若くて基礎疾患のある人が健康な65歳未満の市民より遅くなることが問題視されていた。

再発・転移したがんを治療中の加藤那津さん(42)は、医療従事者、高齢者の次に優先されるはずの基礎疾患を持つ患者が後回しになるのを疑問に思い、自身が通院する藤田医科大学病院と交渉。

接種券がなくても薬物治療を受けているがん患者は病院で接種を受けられるようにしてもらい、自身も1回目の接種を受けた。

しかし、がん仲間の声を聞いて、限られた患者だけが恩恵を受けるのではいけないと考え、名古屋市に6月29日、基礎疾患のある患者に接種券を早急に発行するか接種券なしでも接種できるように求める要望書を提出した

市議会でも議論され、申請した患者には接種券を早急に発行する制度が作られた。

加藤さんはBuzzFeed Japan Medicalの取材にこう喜びを表した。

「接種券が届かず、予約することができなかった64歳以下の基礎疾患をもつ患者さん達が、これで少しは安心できるのではないかと思う。患者の声を聞いて下さった市議会議員の皆さまや、それに答えて迅速に動いて下さった名古屋市の皆さまに感謝の気持ちでいっぱいです」