アメリカの月刊紙「Vanity Fair」の特集で、歌手ビリー・アイリッシュが5回にわたってインタビューに答えている。2021年10月の5回目のインタビューでは、その年に起こった3つのできごとを次のように振り返った。
1つ目は、5月にファッション誌「Vogue」の表紙を飾った際、ビリーの見た目が大きく変化していたことだ。
そして、5月。「Vogue」の表紙では、古典的なハリウッド映画のようなコルセットの衣装を披露。
しかし、スタイルを変えたビリーに対し、批判の声もあった。プラスサイズの衣服を着る姿が、ビリーの象徴だったからだ。
だが、スタイルの刷新は、19歳のビリーが性的な対象として見られることを避けるため、意図して行ったことだった。
ビリーは、この1年でのスタイルの変化について、こう語った。
それでも、ビリーは大切な信念をもって、仕事に臨んでいた。
さらに、2021年は自身のモチベーションにも変化があったと話す。
当時のインタビュー映像を見ながら、「最悪。この頃(18歳)の私、アイデンティティが崩壊してるね」と振り返るビリー。
「この頃の私は『外なんか歩けない。あそこもここも、全然行けない、無理』みたいな態度だった。公園に行くことや、レストランのテイクアウトすらもできなかったから」
しかしやがて心境の変化があり、新たに自信がついて安心して街を歩けるようになったという。
「でも2020年ごろから、オープンでいるようになった。そしたら今では帽子やサングラス、マスクなどの変装をしないで、堂々と外を歩けるようになった」
「塞ぎ込んで暮らしていた前よりもずっといい。あの時、オープンになろうと選択した自分に感謝している」
2つ目に語ったのは、インスタグラムのフォロワーが10万人も減ったことについて。
ビリーは、自身のインスタグラムに、胸部のコルセットとレース生地の下着を身につけた写真をアップしたところ、フォロワーが10万人減ったと明かした。
「バストの写真を投稿しただけで、10万人もフォロワーが減った」
「大きめのバストに不快感を覚えたんだと思う」とELLE誌のインタビューに語った。
ビリーのファンの中には、有名になった当時のオーバーサイズの容姿のままでいてほしいと思っている人もいるようだが、ビリーは、特定のスタイルに縛られることは「人間性を奪う」と答えた。
そして3つ目は、9月にファッションの祭典Met Galaへ出演し、環境配慮を訴えたことだ。
ビリーは、Met Galaでも世界の注目の的となった。
ビリーは、当時の心境をこう語った。
「この時を待っていた。数年で大きく変化し、自信に溢れた姿を見せることができた」
「蝶のように羽ばたける日を楽しみにしていた。これ以上嬉しいことはないと思った」
「ファッションの舞台でこれほどまでに活躍できたのは、まったく初めて。嬉しくて、震え上がった」
ビリーは、オスカーデラレンタ社とのコラボに先立ち、デザインに毛皮を使用しないことを約束したとも語った。
「毛皮を使うのはやめたほうがいいと思います。もしできないのであれば、手を引きます」と伝えたという。
最後には、「もっと多くのブランドが環境に配慮することを気にかけ、世界を良い方向に持っていってほしい」と語り、5回目のインタビュー締めくくった。
「Vanity Fair」でのインタビュー映像(英語)はこちら。
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙島海人