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Updated on 2020年8月31日. Posted on 2020年8月26日

「WHOが日本のコロナ終息を確認。安倍総理の対応を絶賛」拡散したニュース動画は過去のもの、ミスリードに注意

テレビ東京が5月25日に放送した「WHO日本のコロナ対策を称賛」というニュースを引用しており、テドロス事務局長が「日本の取り組みは成功したと理解できる」と述べたことを伝えている。

「WHOが日本のコロナ終息を確認。安倍総理の対応を絶賛」というニュース動画付きのツイートが拡散している。

しかしこれは、いわゆる「第一波」の収束が見えていた5月25日段階のニュース映像だ。

このツイートがアップされた8月25日とは状況が大きく異なることから、「ミスリード」だと言える。BuzzFeed Newsはファクトチェックを実施した。

Twitterより

Twitterで拡散しているのは、《【速報】WHOが日本のコロナ終息を確認。 #安倍総理 の対応を絶賛!!》という8月25日のツイート。

テレビ東京が5月25日に放送した「WHO日本のコロナ対策を称賛」というニュースを引用しており、テドロス事務局長が「日本の取り組みは成功したと理解できる」と述べたことを伝えている。

なお、動画内では政府としての対応を評価するコメントはみられるものの、安倍晋三首相に直接言及する言葉は出てこない。

このツイートの文言には「速報」と記されていることもあり、現在の状況に対する評価であるというようなミスリードを誘っている。

実際、ツイートは3800リツイート、8000いいねを超えており、動画も30万回近く再生されている(午後5時現在)。

WHOは日本を評価しているが…

時事通信

しかし先述の通り、これは5月25日のニュースだ。日付を見ればわかるように、これはいわゆる感染の「第一波」が収束した際の評価だ。

この日の会見でテドロス事務局長は、緊急事態宣言を同日に解除した日本の現状に言及し、日本の対応が「成功」であると称賛した。

「ピーク時に700人以上の感染者が出たが、今は40人ほどに低下している」ことがその理由ともされ、第二波への警戒もあわせて呼びかけている。

一方で、WHOは日本のコロナ対策に一定の評価を置いていることは事実だ。

7月27日の会見では感染者が増えていることに懸念を示しつつも、死者数の増加が最小限に抑えられているとして「依然として成功例」「模範」と述べている。

また、日本で呼びかけられてきた「3密対策」についても、WHOは7月になって公式SNSなどを通じて英語で「3C」として呼びかけており、その有効性が認められた格好だ。

なお、テドロス事務局長は安倍首相の名前を挙げ、クラスター対策などの対応を賞賛する発言をしているが、それは3月13日のこと。日本政府は当時、WHOに約170億円を追加拠出しており、「リップサービス」という見方も出ていた(共同通信、3月14日)。

「終息」はまだ見えず

時事通信

国内の新型コロナウイルス の感染者数は8月25日現在、全国で718人(NHKのまとめによる)。検査の拡大などが影響している可能性もあるが、第一波のピーク時(720人)とほぼ同じだ。

新型コロナウイルス感染症対策専門家分科会は8月21日の会合で、現状を「下降傾向にある」としながら、「また増加に転じる可能性」に警鐘を鳴らしている。

日本政府は収束(終息)の定義について「国内外における感染状況や病原体の性質、社会情勢等の具体的な状況に即して判断すべきものであり、一概に定義することは困難」とする答弁を閣議決定をしている。

一方、WHOではSARSやMERSが流行した際には、潜伏期間の2倍に当たる時期が経過した段階で新たな感染者が出ないことを終息の基準としていた。

新型コロナウイルスの潜伏期間は、最大14日とされている。仮にSARSやMERSの基準を当てはめるとすると、その2倍は28日間になる。

これらのことからも、現状、日本において感染が「終息をした」という状況ではないことに、注意が必要だ。


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