7月10日投開票の参院選比例区に立憲民主党から立候補している辻元清美氏の東京事務所に「生卵」が投げ込まれた。事務所は警察に通報し、実況見分が行われた。
これをめぐり、無関係の画像をつかって「不自然な状況」「自作自演がトレンド入り」などとまとめサイトが伝えている。画像は実際の状況とは異なるもので、ミスリードな情報であるため、注意が必要だ。
同氏の事務所によると、建物の3階にある事務所のベランダに生卵が投げ込まれたことを発見したのは、7月6日のこと。すぐに警視庁牛込署に通報。実況見分が行われた。被害届の提出も視野に相談を続けているという。
辻元議員本人が同日夜にこれをツイートしたところ、ネット上では「自作自演」などという根拠に基づかない書き込みが相次いだ。辻元議員の事務所とは無関係なベランダの写真を用いて「物理的にあり得るのか」などと指摘するユーザーもいた。
その後、まとめサイト「Share News Japan」はこの画像を用い、【辻元清美氏事務所に生卵 → 不自然な状況に“自作自演”がトレンド入り】などという記事を公開。記事は1万近く以上「いいね」されるなど拡散している。
記事には「こんな稚拙な演出をしやがって」「暴漢に襲われたとしても自作自演が疑われる」などのコメントも書き込まれている。
前述の通り、このベランダの写真は実際の事務所とは無関係だ。不動産情報サイトなどで使われており、素材サイト「PIXTA」でも販売されているのが確認された。
2階建ての建物の屋根が見えていることから、事務所がある3階よりも数階分は高いところにあるとみられる。
こうした写真などを用いたうえで、見出しでは「不自然な状況」「自作自演がトレンド入り」と結びつけており、ミスリードであるといえる。
現場の状況は…
陣営関係者によると、東京事務所は辻元氏のポスターなども貼られているほか、サポーターのサイトで住所が確認できる状況にあった。
またベランダは通りに面した建物の3階部分にあり、上階などから投げ込むことは難しい構造のため、道路側から投げ込まれたとみられるという。
辻元氏をめぐっては、大阪府高槻市にある事務所に今年3月、20代の男が窓ガラスを割って侵入。その後、逮捕・起訴され「本人に危害を加えようとした」と供述していると報じられている。
辻元氏は7日に、「“自作自演"のトレンドを見て呆然」「暴力や誹謗中傷、差別やヘイトに屈しません」とツイート。
陣営関係者は取材に「被害者に対し、自作自演であると指摘するのは悪質な二次被害。本格的な被害を生む可能性があり、本人や事務所スタッフに危害が加わるようなものがあれば、きっちり対処をしていきたい」としている。
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