新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月7日に「緊急事態宣言」が発出される。
1. 緊急事態宣言は「新型インフルエンザ等対策特別措置法」(新型コロナ対策特措法)に基づいて出される
宣言は、以下の要件が満たされた場合に出すことができるとされている。
(1)政令で定められた「国民の生命及び健康に著しく重大な被害を与えるおそれがある」などの感染症が発生し
(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼす、またはそのおそれがある
2. 「緊急事態宣言=ロックダウン」ではない
日本では、罰則付きの移動制限や都市の封鎖といった強硬なロックダウン措置をとることは、現行法下では不可能だ。
内閣府も「欧米におけるロックダウンのように強制的に罰則を伴う都市の閉鎖は生じません」としている。
また、安倍晋三首相も4月6日に「日本では海外のような都市の封鎖をおこなうことはいたしません」と強調した。
3. 緊急事態宣言=「外出禁止」ではない
4. 多数の人が利用する施設は?
さらに「多数の人が利用する施設」や施設を使ったイベント主催者に対し、使用の制限や停止などの「要請」をすることもできる(45条)。
こうした施設などが要請に応じない場合は、「特に必要がある」とされれば制限や停止を「指示」することもできる。ただし、これにも罰則はない。
施設については、政令(11条)で以下の通りに定められている。ただし、食品や医薬品、燃料などの生活必需品の売り場は対象外になる。
また、劇場以下の施設については、床面積1000平方メートルを超えるものに対象が限定されているが、「特に必要」と判断された場合は対象になる。
学校、保育所・介護老人保健施設、大学など教育施設、劇場・観覧場・映画館・演芸場、集会場・公会堂、展示場、百貨店・マーケット、ホテル・旅館、体育館・水泳場・ボーリング場などの運動施設や遊技場、博物館・美術館・図書館、キャバレー・ナイトクラブ・ダンスホールなど遊興施設、理髪店・質屋・貸衣装屋など、自動車教習所・学習塾など
なお、特措法には緊急事態宣言における補償規定はない。政府や自治体による支援策に左右されることになる。
5. 交通機関は止まらない
6. インフラ、運送、通信も止まらない
電気・ガス・水道などのインフラ、運送・通信・郵便業者も、交通機関と同様だ。(52、53条)
「国民生活の安定」などのため、安定した供給や運送のため、必要ような措置を講じるように都道府県知事が要請ができる。
7. 強制的にできることは…?
臨時の医療施設をつくるための土地や家屋について、同意が得られない場合でも使用することができる(49条)。
また、業者に対し、医薬品や食品などの必要な物資の保管を命じることもできる(55条)。
では、私たちにできることは?
UPDATE
一部表現を追記、修正しました。
UPDATE
県外移動に関する記述を追記しました。