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BTSの誤情報、ドワンゴのニュースサイトが一部記事の配信を停止

「原爆看板」をめぐる記事はネット上で拡散していた。

インターネットメディア「Buzz Plus News」(バズプラスニュース)が韓国アイドル「BTS」に関する誤情報などを掲載していたことを受け、ドワンゴが運営する「ニコニコニュース」への記事配信を停止したことがわかった。

BuzzFeed Newsの取材に明らかにした。

同社は「不適切なニュースを配信するメディア」に対して配信停止の措置をとっているという。

まず、経緯を振り返る

「バズプラスニュース」は、BTSのメンバーが「原爆Tシャツ」を着ていた問題が発覚したのち、立て続けに記事を配信。そこには誤情報も含まれていた。

たとえば「バズプラスニュース」は11月11日、【炎上】韓国アイドルBTSがユニセフ事務所に「原爆看板」持ち込み問題視 → 世界的大批判「非常識すぎる異常集団という記事を配信した。

「Share News Japan」や「アルファルファモザイク」「保守速報」などのサイトに転載され、広がった。

だが、この記事で「原爆看板」としたのは、実際には飛行船の模型だった。BuzzFeed Newsがその事実を指摘した後、記事は「ミサイル型看板」と修正された。

11月12日には、【問題視】ナチス帽子・原爆Tシャツ炎上の韓国アイドルBTSが音楽ランキング不正で1位獲得 / 北米BuzzFeedがスクープ「ビルボード順位は不正」という記事も配信した。

BuzzFeed Newsが報じた、BTSファンが世界規模でチャートの順位を押し上げた状況を解説した記事を引用したものだが、「アメリカ版だけで報じられ、日本版はスルーした」とした。

だが、BuzzFeed日本版はこの記事を翻訳して10月25日に配信していた。

また、「バズプラスニュース」は10月には「韓国で料理の再利用が合法化された」という記事を配信しており、これについてもBuzzFeed Newsが「ミスリード」であると指摘している。

誤情報の拡散、ニュースサイトの対策は

「バズプラスニュース」はニュースアプリ「グノシー」や「ニコニコニュース」などの大手媒体にも配信され、一連の記事もSNSを通じて拡散している。

ニュースサイトとしてこうした問題点をどう捉えているのか、BuzzFeed Newsは両社に取材した。

「ニコニコニュース」を運営するドワンゴは、「誤報の疑いがある記事は、配信元メディアに事実確認の上で、該当記事の修正・削除の対応をしております」と回答。

対策として、「不適切なニュースを配信するメディアについては、契約違反として、記事の削除や配信の停止等の措置」をしているという。

判断基準は公開はしていないという。そのうえで、バズプラスニュースに関しても「本件を踏まえ、一時配信停止の措置」をとっていることを明らかにした。

実際、BTSに関する誤情報の記事を含め、同サイトの配信記事一覧が削除されていることがわかる。

グノシーも課題との認識

一方、「グノシー」は、BuzzFeed Newsの同様の質問にメールで回答を寄せた。

タイトルを過剰にすることでアクセスを稼ぐ「クリックベイト」(釣り記事)への対策が、同社のアルゴリズムにおいても課題だという認識を示した。

「近年ウェブ上のメディアでは、ユーザのクリックを誘発するような記事への対策が課題となっており、当社のアルゴリズムも同様の課題を抱えています。当社ではアルゴリズムの改善を目的に、クリックベイトの対策について研究を進めております」

そのうえで、対応策については「規約違反が確認された場合は掲載停止する」と説明し、以下のように答えた。

「事前に媒体社様へ執筆体制等をヒアリングし、弊社の規約とガイドラインを遵守することに同意した媒体社様と提携をしております。なお、規約等への違反が確認された場合は掲載停止などの措置をとっております」

「本件につきましても個別に精査させていただきますが、詳細は非開示となります」