日本最大のLGBTQの祭典「東京レインボープライド2020(TRP2020)」のオンラインイベント「#おうちでプライド」が4月25日、始まった。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、東京・代々木公園で予定していたイベントは中止した。しかし、それに代わり、TwitterなどSNSを駆使したイベントの開催を決めた。
この日は、タレントのミッツ・マングローブさんがオンライントークイベントに最後のゲストとしてライブ出演し、自身の体調不良を踏まえつつ、「油断せずに乗り切って、生き延びて、また会いましょう」と呼びかけた。
今回のオンラインイベントは、5月6日までをプライドウィーク期間と予定通り位置付ける。
SNSで使えるハッシュタグ「#おうちでプライド」を活用。それぞれ個人が思い描く「幸せのかたち」を尊重し合い、お互いの存在を笑顔で祝福できる社会の実現を目指し、さまざまなメッセージを発信していくという。
4月25日にあったオンライントークイベントの様子は、TRPのTwitter公式アカウント(@Tokyo_R_Pride)でライブ配信した。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、それぞれが遠隔で出演した。
司会者は、女装パフォーマーのブルボンヌさんと、いずれもTRPの共同代表理事であるトランスジェンダーの杉山文野さんとレズビアンの山田なつみさんが務めた。
そして、ゲストには、人気アイドルグループ「AKB48」の元メンバー・秋元才加さんやタレントのMEGUMIさんなどが登場して思いを語った。
体調について、ミッツさんは
最後のゲストとして出演したミッツさんは、この日、さまざまな衣装を着たマネキンが18体置かれた部屋の中で顔を見せた。
冒頭、自身のインスタグラムでも公表していた新型コロナウイルス感染の疑いについて「大丈夫なんですけど、大丈夫じゃないっていうよくわからない状態です」と時折、咳をしながら語った。
「熱はまだちょっとあるんですけれど、咳もだいぶ落ち着いてきているので。ただの風邪かもしれないし、人生グレーゾーン。やることなすことすべてがグレーだわ」
インスタで「オバケとオカマは滅多に死んだりしませんから。独り時間にも慣れっこだし」と綴った点について、「厳密に言うと、オバケと女装はなかなか死なないから」と改めて前向きに語った。
「ご心配おかけしてしまって申し訳ない。ある程度は元気なので。ただ油断してはいけない。こういう場では喋ってますけど、熱があがってくる時間もあるので。あなどってはだめです」
杉山さんからTRPに対する「いつも通り、厳しい言葉を」と求められると、ミッツさんは優しく投げかけた。
「こういう緊急時にイベントをやることで、図らずも新しい気づきや繋がりが、生まれると思います。こういう経験を踏まえて、来年以降、どう変わっていくのか。変わっていかないとやっぱり意味がないと思うので。変わっていった先に、私は東京レインボープライドがなくなるのが最大の目的というか到達点だと思っています」
「そんなに世の中、毎年変わらないので、できるところでまた来年以降も頑張っていただきたい」
「こっちが世の中を受け入れるって発想がないと」
司会の3人と会話する中で、ミッツさんは女装をしている人が「増えた」と述べ、社会が着実に変わってきているとの認識も示した。
「単純に一つの職業として確立していってくれたらいいな、と女装を始めた頃から思っていて。女装して、渋谷でティッシュ配りしたり、女装して通訳してたりしたこともあるので、嬉しいです」
LGBTQの当事者たちを含めて「マイノリティ」と呼ばれる人たちの心構えとしては、「受け入れてもらうって発想より、こっちが世の中を受け入れるって発想がないと、結局ぶつかり合ってしまうままだと思う」と語り、最後にポジティブなメッセージを送った。
「本当にこんな大変な状況の中、みんな一致団結して東京レインボープライド2020がちゃんと行われたことを誇りに思います。素晴らしいと思います。また今のこの状況を油断せずに乗り切って、生き延びて、来年また青空の下で大きな舞台の前でお会いできるのを楽しみにしています」
東京レインボープライドの公式メディアパートナーであるBuzzFeed Japanは、4月26日、27日の両日、BuzzFeed Japan Newsの公式Instagramアカウントにて「オトマリカイ」のインスタライブを配信します。
「オトマリカイ」はLGBTQなお友達をお招きし、「We Are More Than Sexuality」をモットーにゴロゴロ語り合う番組です。
今回はいずれも午後8時より、計5組のゲストと話しながらリアルタイムで視聴者の質問にお答えします。
さらに、BuzzFeed Japanでは、6月19日〜28日までの期間中、年に一度の特集「レインボー・ウィーク」を実施し、LGBTQをはじめとする性的マイノリティに焦点をあてた記事や動画を集中的に発信する予定です。
今年の特集のテーマは「幸せ」です。現在、テテレビ会議システムなどを活用し、オンライン上でインタビュー取材に協力してくださる、LGBTQの方やカップルを募集しています。
メール(japan-report@buzzfeed.com)やBuzzFeed NewsのLINE公式アカウント(@buzzopi)、または担当記者にご連絡いただけますと幸いです。
あなたは、あなたのままでいい。私も、私のままでいい。
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毎日、異なった生活を送り、それがこれからも続くのだから。
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BuzzFeed Japanは、多様な「幸せ」について発信していきます。