「ガイジン」という言葉のとげ
同じような経験をしている人は、少なくありません。
「日本国籍だけどハーフには見えないくらい外国人顔」だという同じく20代前半の花野さんの妹は、つい数カ月前にこんな目に遭ったといいます。
「買い物をしていた時に男性から『お前ガイジンか?お前らのせいで日本の治安が悪くなってるんだ!どうせ違法滞在だろ!パスポートを見せろ!』など人が多い場所で何分間も叫ばれたんです」
妹によると、そばにはたくさんの人がいたにもかかわらず、多くの人は完全無視で、声をかけてくれたのは女性店員だけだったといいます。
その場にはいなかったという花野さんはこう語ります。「とてつもない怒りが湧きました。私が一緒にいたらすぐに妹をその場から逃がしたのに、と」
「人と人ならつながれる」
そんな花野さんが、今思うこととは何なのでしょうか。
「居場所がないって本当に辛いです。だからどうか、『顔が違うから』『言葉が違うから』という理由でいじめたり、『自分の国に帰れ』など簡単に言わないでほしいです」
「それぞれ事情があっていま、この日本で暮らしています。どんなに政治情勢が悪かったり、国同士の仲が悪くても、人と人ならつながれます。いろんな人が混ざって、お互いの考えを知っていけば、共存のしやすい環境になると思います。そしてそれを大人は子どもに教えてあげてください」