マスクで、読唇ができない……の悩みを解決。耳の不自由な人向けのアプリが有能だった。

    新型コロナウイルスの影響で、マスクを付ける人が増える中、耳の不自由な人が店員さんと意思疎通ができないという問題が発生しています。そんな問題を解決するあるアイデアがTwitterで話題です。

    新型コロナウイルス感染拡大の影響は、こんな場面にも。

    時事通信

    感染症対策でマスクを着用する人が増えることで、耳の不自由な人たちの生活に支障が出ています。

    話す相手の口の動きを読み取ることで、言葉の内容を把握している人にとって、店員さんがマスクをしている現状では、意思疎通が難しいというのです。

    そんな悩みを吐露した、ある女性の投稿がTwitter上で話題となっています。

    「この情勢でマスクを外してくださいとは言えない」…

    この情勢でマスクを外してくださいとは言えないし、筆談対応を待っているよりは、Googleの音声変換アプリを使ってみたら、コンビニ店員さんの目の表情が変わった。(^^) 話もスムーズだった\(^o^)/ #難聴 #コミュニケーション #音声変換アプリ

    買い物をする際、意思疎通のためにレジの店員さんの口元を見たいものの、「この情勢でマスクを外してくださいとは言えない」と思っていたという投稿主の女性。

    ある音声文字変換アプリを使ったことで「会話がスムーズに」なったといいます。

    リプ欄には「すごくいいアイデア!」「天才だ」など耳が聞こえにくい当事者かたからの反応や「コンビニ店員です。ろうの常連さんにも常連さんにも教えてあげたいな」といった声が寄せられています。

    BuzzFeed Newsは投稿をしたrainwormさんを取材しました。

    先天性感音性難聴で、左耳は失聴、右耳には補聴器を付けているrainwormさん。

    普段から「聞こえない、聞こえにくい人のことを広く知ってもらいたい」という思いで、ボランティア活動をしているといいます。


    以前まで「障害者マークである耳マークを提示して、筆談してもらったり、マスク着用していなかった時は、わかりやすくお話してもらっていた」というrainwormさん。

    そんな生活は新型コロナウイルス感染拡大を機に一変したといいます。

    「買い物に行くのが嫌」

    普段から話している相手の口の形を見ることを通じて、会話の内容を読み取っているrainwormさん。感染症対策でマスクをつける店員が増えたことで、生活には様々な支障が出るようになりました。

    「買い物に行くのが嫌になります。マスクで口が見えないと口の形が見えないために言葉がわかりづらいのですが、それでも神経を使いながら言葉を聞き出そうと集中するので、とても疲れます」

    そこで使ってみたのが、「Google音声変換アプリ」。

    rainwormさん提供

    Googleが提供している「聴覚障がい者向けユーザー補助アプリ」で、「自動音声認識テクノロジーにより、音声がリアルタイムで画面上のテキストに変換されるため、これまで以上に簡単に周囲の会話に参加できる」機能が搭載されています。


    現在はAndroid5.0以降の端末で、ダウンロード可能となっています。

    店員さんの反応は?

    アプリを使用した際、店員さんは「話した言葉がリアルタイムに文字変換されていることに驚いているよう」だったといいます。

    「突然スマホを出すと戸惑われてしまうのですが、『耳が不自由です』という紙を見てもらうと、理解して、スマホに向かって話してくれます」

    職場や家庭でもポジティブな変化が。

    外出自粛。家でテレビ視聴中。再放送に字幕ないので、字幕変換アプリで字幕を観ていたら、ちゃんと字幕で観れた! 途中コマーシャルも、ちゃんと字幕で観れた!! これはスゴイ!(☉。☉)! #テレビ字幕 #音声変換アプリ #難聴

    このアプリはお店のレジ以外にも「銀行、郵便局、病院の窓口」など、生活の様々な場面で役立っているといいます。

    テレビ視聴では、「字幕のない再放送の番組も、ちゃんと観られた」とのこと。「聞こえない、聞こえにくい人たちには役に立たない」と思っていたラジオも、楽しめるようになったといいます。

    職場や家庭でもこんな良い変化があったといいます。

    「健聴者ばかりの職場で、ミーティング内容がずっとわからず、疎外された気持ちでしたが、このアプリを使ったことで内容が把握できました。家庭では、健聴者の夫は私の事を理解してくれていますが、やはり会話が続かないことはありました。そんな時もこのアプリが役に立ちました」

    またrainwormさんは「まだ不明瞭な言葉や単語が表示されますので、修正してもらえたらと思います」とアプリの改善点も指摘しました。

    聞こえない、聞こえにくい人を支えるツールは他にも

    rainwormさん提供

    rainwormさんはアプリの他にも、「手作りのホワイトボードや電子メモパッド」を筆談に役立てているといいます。

    「補聴器の性能は、昔に比べると機能もよくなってきています。色々な調節をスマホでできる補聴器もあり喜ばしいのですが、機能が備わっているほど補聴器は更に高額になっています」

    また、聞こえない、聞こえにくい人にとって、あったらいいなというサービスは何ですかという質問に、「電話の通話内容が文字化されるサービス」と答えるrainwormさん。

    「聴覚障害者のほとんどは電話ができず、すぐに連絡できない不便さがあります。テレビ電話は、手話ができない聴覚障害者は使えません。人に頼らずに受け答えがスムーズにできるサービスがあればと思います」

    Contact Hana Shimada at hana.shimada@buzzfeed.com.

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