「就任式を見た観衆は過去最多だった、以上」。トランプ政権の大統領報道官に就いたショーン・スパイサー氏は1月21日夜(現地時間)、初めて開いた記者会見でこんな嘘をついた。
トランプ大統領自身も「正直、150万人はいたように見えた」と豪語していた。その後に、この記者会見は緊急に開かれた。
スパイサー報道官は、就任式を「生で」見た人の数も、「世界中で」見た人の数も、「過去最多だった」と話した。さらに「就任式の熱気を小さく見せようとするのは、恥知らずで、間違っている」と加えた。
本当に過去最多なのか? オバマ前大統領が就任した2009年と観衆の様子を比べてみると・・・
どっちが多い?👀👀👀
翌22日、テレビ番組には、ケリーアン・コンウェイ大統領顧問が登場。司会者は「(報道官に)なぜ反証可能な嘘をつかせたのですか?」と突っ込んだ。「小さなことでしょう。でも、最初に報道官が国民の前に出るときに、嘘ですか?」
はぐらかし続けるコンウェイ大統領顧問。激しいやり取りが続いた後、その口から飛び出した言葉はこれだった。
「そんなに大げさにしないで。あなたは嘘だといいますけどね。ショーン・スパイサー報道官は、オルタナ・ファクト(Alternative Facts)を示したんですよ」
「Alternative(オルタナティブ)」は「代替する、他に取りうる」の意味。オルタナ・ファクトで、「代わりの事実」「別の事実」といった意味になる。
このコンウェイ発言に、司会者は驚く。
「ちょっと待ってください。オルタナ・ファクト?」「オルタナ・ファクトは事実じゃありません。それは嘘です」
Twitterは大騒ぎ
コンウェイ大統領顧問がブチあげた「オルタナ・ファクト」#AlternativeFactsは、すぐにTwitterトレンド入り。
「だいじょうぶ」#オルタナ・ファクト
「このオルタナ・サラダをむさぼろうとしております。#オルタナ・ファクト」
「献身的な夫を愛している。幸せな妻よ。#オルタナ・ファクト」
嘘をついて楽しむ人たちも。
「わたしたち結婚します!#オルタナ・ファクト」
「わたしはリッチな白人女性。#オルタナ・ファクト」
辞書の出版社は「事実」の意味をツイートした。「事実は、客観的な現実として、示される情報」
ジョージ・オーウェルの小説「1984年」を思い起こし、トランプ政権を憂う人たちもいた。全体主義国家が支配するディストピア小説だ。
(サムネイルはMark Wilson / Drew Angerer / Alex Wong / Getty Images / BuzzFeed)