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【参院選】また沖縄で自民党が負けた 当選の今井絵理子氏は「現状分からない」

自民党は、衆参両院の選挙区議席を失った。

沖縄北方担当相の現職・島尻安伊子氏(51)が、翁長雄志知事が支援する野党統一候補の伊波洋一氏(64)に敗北した。

NHKなどが報じた。これで、沖縄選挙区で選出された自民党の国会議員は、衆参両院でいなくなる。

2014年の衆院選では、小選挙区の公認候補4人が全員落選。かろうじて比例で復活しているが、全国で圧倒的な強さを見せる自民党も、沖縄では苦しい展開が続いている。

米海兵隊普天間基地を県内に移設するのか、しないのかをめぐり、世論が加熱している沖縄。

移設を容認する立場の自民党は、ここ数年の国政選挙でも、知事選でも、県議選でも勝てていない。「自民党は、県民に受け入れられる論理を構築できなくなった」と指摘する専門家もいるほどだ。

6年前の参院選で、「移設反対」を掲げて当選した島尻氏。その後、党本部の方針に従う形で「容認」に転換。今回の選挙では「経済振興」を訴え続けてきたが、及ばなかった。

沖縄には、いまも在日米軍基地の74%が集中している。

いっぽう、沖縄出身でSPEEDの今井絵理子氏は、比例区で当選した。

那覇市生まれの32歳。圧倒的な知名度を誇るタレント候補。

小学6年の長男に聴覚障害がある今井氏。選挙戦初日の街頭演説では「障害はひとつの個性です。個性を認め合える社会を作りたい」と訴え、高村正彦・副総裁が「今井さんはヤングデモクラシーの旗手」と持ち上げた。

選挙期間中は、毎日新聞社沖縄タイムスの候補者アンケートに対し、すべて無回答だったために「政治へのやる気が足りない」と批判の声も上がっていた。

当選後のNHKのインタビューに対しては「心のなかでSPEEDの曲、Starting Overが鳴っています」と話し、「いまがスタートライン。責任を果たせるようがんばりたい。私自身も障害児を持つ母親として、きちんと当事者の方々の声を届けられるように一歩一歩がんばっていきたい」と答えた。

テレビ東京で放映された池上彰氏のインタビューでは、米軍基地問題についての質問も飛び出た。

「12歳から東京に暮らしているので、いまの現状はわからない。もっともっと足を運んで取り組んでいかないといけない」と応じた今井氏。池上氏に「沖縄の問題については立候補して初めて考えたのか」と聞かれると、「はい、そうですね。これからきちんと向き合っていきたい」と話した。

国会で具体的に何を訴えていくのか。政治家としての力は未知数だ。