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「カナダ、東京五輪へ不参加を表明」はミスリード。「反日国家」などと去年の記事が拡散

カナダのオリンピック委員会は3月24日、今夏の東京五輪は「安全に開催できると確信している」と声明を発表している。

「カナダが今年の東京五輪への不参加を表明した」という情報がTwtterで拡散されている。

しかし、この情報はミスリードだ。

「カナダ、今夏の東京五輪に不参加を表明 IOCは4週以内に結論」というBBCの記事が根拠となっているが、この記事が配信されたのは1年前の3月。カナダのオリンピック委員会は今月24日、「安全に開催できると確信している」との声明を発表している。

拡散された1年前の記事

「カナダが五輪不参加を表明」という情報は、俳優の宍戸開さんや落語家の立川談四楼さんなどのTwitterアカウントで拡散。

宍戸さんの投稿は1900回以上、立川さんは3800回以上リツイートされている。

ネット掲示板「5ちゃんねる」にも《【菅号外】カナダ、東京五輪不参加を表明!!》というスレッドが立ち、まとめサイト「ツイッター速報」は《【悲報】カナダ、五輪不参加を表明 反日国家》との見出しで記事化した。

だが、これらの情報のソースとして拡散されている元記事の配信日時に注意が必要だ。

BBCが「カナダ、今夏の東京五輪に不参加を表明 IOCは4週以内に結論」という記事を公開したのは、2020年3月23日。

つまり、この情報は東京五輪の延期が決まる前のものであり、最新情報ではない。

カナダ五輪委員会「安全に開催できると確信」

では、現時点でカナダのオリンピック委員会は五輪参加についてどのように考えているのか? 今月24日に次のような声明を発表している。

《現在、我々は今夏に予定されているオリンピックは安全に開催できると確信しています》

《IOCはNBA、WNBA、NWSL、NHL、ヨーロッパのサッカーリーグなど試合再開に成功したスポーツ団体から学びました。彼らは移動、入国、物理的距離をとること、PPE(防護具)、クリーニング、ウイルスの検査と追跡、ワクチンなど、ほぼすべての可能性を考慮した対策を立てています》

《週末に発表されたように、海外からの観戦者が大会に参加しないことで、東京にいる人々にとっては(これまでの五輪と)異なる体験をすることになるのは間違いありません。ですが、チーム・カナダは、安全で安心なオリンピックを提供するという東京2020組織委員会の取り組みを支持しています》


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