ラグビー日本代表が挑む南アとは 日本の勝機は?世界の下馬評は?

    ラグビー日本代表が初のW杯決勝トーナメントに進出した。闘う相手は、4年前に撃破した強豪・南アフリカだ。勝機はあるのか。世界はこの試合をどう見ているのか。

    史上初めてW杯の決勝トーナメント進出を決めた日本を因縁の対決が待っている。

    W杯2回優勝の強豪、南アフリカとの闘いだ。

    なぜ「因縁」なのか。

    前回W杯で日本は南アを撃破した。「スポーツ史上最大の番狂わせ」と報じられた勝利から、日本ラグビーの快進撃が始まったからだ。

    この勝利は世界を震撼させた。W杯を主催するワールドラグビーは「W杯史上最大の衝撃」と評価した。

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    この勝利は、世界中を驚かせた一方、日本にはそれまで長い間「冬の時代」が続いていた。

    ラグビー日本代表は1987年の第1回W杯から出場を続けている。2011年W杯までの日本の通算成績は1勝21敗2分。1991年にジンバブエに勝ったのが、たった一度の勝利だった。

    そんな日本が、2015年にイングランドで開かれたW杯のグループリーグ初戦で、W杯2回優勝の強豪・南アフリカを撃破したのだ。

    日本代表はこの勝利で、大きな自信を得た。選手らは「勝利は決して一度だけの奇跡ではなく、厳しい準備を重ねてきたうえでの必然」と胸を張った。

    そして今回の大会では、代表のフィジカルと戦術をさらに発展させ、破竹の4連勝をあげた。

    その背景には、南ア戦で日本の実力を見直した強豪国がその後、日本とのテストマッチに応じるようになり、強化が進んだこともあげられる。

    その日本が、W杯の大舞台で再び南アフリカを迎えることになる。

    2015年の再現となるか。世界は固唾をのんで見守っている。

    南アの特徴は、屈強なフィジカル

    そして驚異的な速さのウイング

    日本の強みはスピード、スタミナ、そして組織力

    W杯公式サイトは「日本の強みは、ラグビーの常識を覆すプレー」と高評価

    日本はキックへの対処に要注意

    海外メディアの予想は南ア有利...

    海外メディアは一様に、南アが有利と見ている。

    ガーディアン紙は、W杯の一次リーグで敗退したことがなく、2度の優勝を経験した南アと、決勝トーナメント初進出の日本の立場の違いを、こう表現した。

    「南アにとって、W杯はこの試合から始まるように感じている。一方で日本にとって、ここまでのドラマは、すでに大きな転機だった」「日本の栄光がさらに続くとは考えにくい」

    そのうえで「世界のラグビー界は日本の勝利を願っているが、南アほど空気を読まないチームもない」と、南アの勝利を予想した。

    テレグラフ紙も、「スコットランドと日本はともにハイテンポで似た闘い方だったが、日本の方がより巧みだったから勝った。一方で南アは身体が大きく、スコットランドのようにスペースを与えない」とし、「南ア37-17日本」と予想した。

    ラグビー大国ニュージーランドのニュースサイトstuffは「日本はホームの大観衆のサポートを受けるが、南アが10点差で勝つ」との見方を示した。

    英国のブックメーカー、ウイリアムヒルは南アのオッズを1.18倍、日本を5.5倍と設定、南ア有利とみている(10/19現在)。

    「奇跡」といわれた2015年の勝利を超え、これから日本がW杯で「勝って当然」と言われるチームとなれるか。

    その進化と真価が問われる試合となる。

    日本代表には南ア代表資格がある選手が3人いる。

    決戦の行われる10月20日は「ミスター・ラグビー」と呼ばれた日本のレジェンドの命日でもある。

    キックオフは10月20日午後7時15分。東京スタジアムで。

    日本の力をぶつけましょう。 #ONETEAM #japan #日本代表 #SouthAfrica #南アフリカ

    Via Twitter: @ryoto1010

    先発する予定の中村亮土選手の決意