「自分の好きな服を着れる社会に」ムスリム女性が語る、ファッション業界で感じた“違和感”とは

    「誰もが、自分の好きな服を着れる社会であるべきです」現代のモデストファッション業界をけん引するイギリス出身のデザイナー、サイーダ・ハックさんに話を聞きました。

    イギリス出身のファッションデザイナー、サイーダ・ハックさん。一部のムスリム女性が全身に羽織る長衣「アバヤ」を販売するブランドを立ち上げ、話題を呼んでいます。

    BuzzFeedは、現代のモデストファッション業界をけん引するサイーダさんに話を聞きました🎤

    サイーダさんの転機は2017年、ロンドン・モデストファッションウィークに携わったときだそう。

    サイーダさんは、25万人近いフォロワーを抱えるTikTokで、自身がデザインした商品を宣伝しています。

    ブランドの特徴は、「大胆なモデスト(控え目さ)」と話すサイーダさん。ムスリムの伝統的な装いと、ロンドンのストリートファッションやヒップホップ文化を組み合わせたデザインを提案しています。

    目玉商品は、パーカーのようなデザインのアバヤ。そのほかにも、さまざまな色やデザインのアバヤを、TikTok動画で紹介しています。

    プライベートでも、パーカーやトレーナーをよく着用するというサイーダさんは、パーカー風アバヤについて、次のように述べました。

    「今まで生きてきて、ずっと欲しかったけれど、どこにも見つけられなかったものです」

    GRAZIAの取材では、フェミニンなデザインではなく、自らも大好きな、ストリート風のデザイン展開が、自身のブランドの特徴だと語っています。

    サイーダさんは昨年、スポーツブランド「Nike」とタッグを組み、期間限定のムスリムファッションコレクション「Nike By You x Saeedah Haque Limited Collection」を販売しました。

    @saeedahhaque

    The most insane dream to come true #nike #muslim

    ♬ original sound - saeedah haque

    Nikeは2017年、一部のムスリム女性が髪を覆うために着用するヒジャブをスポーツ向けにアレンジした「プロヒジャブ」の販売を開始し、話題になりました。

    Nikeの取り組みを知ったサイーダさんや、サイーダさんのSNSフォロワーが、Nikeに連絡を取り、今回のコラボが実現したということです。

    TikTokで喜びを共有したサイーダさんは、次のようにつづっています。

    「本当に実現しちゃったよ!デザイナーとして、期間限定でNikeと正式に提携することになった。みんなに、この報告ができていることが夢みたい」

    「私がずっと携わってきたモデストファッションの分野で、Nikeにとっても初めてのアバヤがそろそろ販売される」

    「夢がかなった。これは、ムスリムコミュニティがずっと必要としてきたこと。今回のコラボをきっかけに、スポーツの分野で、もっとムスリムファッションが見られるようになるのを願っている」

    ムスリム女性が身体や髪を隠すアバヤやヒジャブなどは、しばしば「女性の抑圧の象徴」という見方をされます。

    ムスリムのファッションに対する誤解について、サイーダさんは次のように話しました。

    この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:筒井華子