フィンランドの生理用品メーカー「Vuokkoset」が新しいパッケージのタンポンを発売した。生理のあるトランスジェンダー男性のためのデザインだ。
当事者からは、好意的な意見が寄せられている。
毎年11月20日は、トランスジェンダーの尊厳と権利について考える「国際トランスジェンダー追悼の日(Transgender Day of Remembrance)」に制定されている。
また、追悼の日までの1週間は「トランスジェンダー認知週間」と呼ばれ、当事者が抱える困難や課題について考える週間になっている。
今回のパッケージは、この週間に合わせて特別にデザインされたものだ。トランス男性など当事者が月経中に経験する「性別違和」という見過ごされがちな問題に、光を当てている。
広告のモデルは、トランスジェンダー男性で、社会的活動家として活躍するダコタ・ロビン氏が務めた。
同氏は、自身の生理の体験をこう振り返っている。
「若い頃、生理に対して、違和感だけではなく、『何かがおかしい』と感じていた。私たちの社会は、生理のある個人の多様性を認めていない気がする」
キャンペーン画像には「トランスジェンダー男性にとって、生理の痛みは身体的なものだけではない」という言葉が添えられている。
Vuokkosetのホームページには、デザインに込められた思いが、こうつづられた。
「トランスジェンダー男性は毎月、生理の痛みを感じるたびに、本当の自分と生まれたときに割り当てられた性別が一致しないことを思い知らされます」
「この痛みは、社会で、生理や生理用品が『女性のもの』として見られることで、さらに助長されます」
「生理があるのは『女性』だけではありません。トランスジェンダー男性やノンバイナリーの人にも生理はきます」
同ブランドによると、93%のトランスジェンダー男性が「生理のときに性別違和を感じたことがある」と答えているという。
広告に対し、Xにはさまざまな反応が寄せられた。ユーザー間では、こんなやりとりがあった。
💬ユーザー①「女性のためにデザインされたタンポンと、トランス男性のためにデザインされたタンポンの違いは?」
💬ユーザー②「パッケージ以外には、特に違いはないと思う。でも、女性的なパッケージのせいで、タンポンを買うときに強いストレスを感じることがある」
💬ユーザー①「なるほどね!納得」
また、他のユーザーからはこんな意見も寄せられた。
💬「この製品をみて、論争したがる人もいるだろう。けど私は、トランス男性が生理用品を買いやすくなった、新しい機会が増えてよかったとしか思わない」