「もうすぐ初めてのセックスを経験するかも……」「大丈夫かな?」と不安に思う人がいたら。
初体験の前に、知っておくべきことは?
サッコ先生こと、産婦人科医の高橋幸子先生に聞きました。
🐼:初めてのセックスで傷つかないために、知っておくべきことはなんでしょうか?
サッコ先生:まず、避妊や感染症予防をするなど、自分と相手の体とこころを守る方法を知っておきましょう。
そして、初めてのセックスをいつするのか、誰とするのかは、あなたが選んでいいということを知っていてください。
安心、安全が1番大事です。
自分が、どんなシチュエーションでデビューしたいのかを、まずはしっかり考えてみてくださいね。
🐼:なるほど……!とても大切なことですね。
「自分と相手を守る方法を知っておきましょう」
サッコ先生:コミュニケーションには色々あって、その中に、性的なコミュニケーションがあります。
そして、性的な触れ合いには3つあります。
1つ目は、赤ちゃんを授かるための「生殖の性」。2つ目は、気持ちよくなるための「快楽・コミュニケーションの性」。
3つ目は、性暴力や、それぞれが対等な立場にない「暴力・搾取の性」です。
3つ目の「暴力・搾取の性」には、巻き込まれないでほしいし、困った時は誰かに相談してほしいです。
性的な接触は、お互いに安心できる相手と、安心できる場所や時間でなら、心地よいものです。
コミュニケーションとしての性には、親密さが増し、心地よいというメリットがありますよ。
人を好きにならない人もいるから全員ではないけど、大好きな人ができて、触れ合いたいと思うことは、とっても自然なことです。
一方で、性交には性感染症のリスク、女性の腟に男性のペニスを入れて行う「腟性交」には妊娠の可能性があります。
リスクについてよく知らずにセックスをすることは、ブラックホールに吸い込まれにいくようなもの。
きっちり避妊をする。避妊しても100%じゃないことも踏まえ、妊娠したらどうするかまで考えて、自分と相手を守る方法を知っておきましょう。
勉強不足なら、デビューはまだNGです。
「どんなデビューを迎えたいか、話し合って」
🐼:パートナーにセックスしたいと言われたら、流されそうです。どうしたらいいですか?
サッコ先生:そのシチュエーションになるよりも前に、自分がどんなデビューを迎えたいかを考えておきましょう。
そのパートナーと、どんなデビューを迎えたいかを話し合っておいて、その状況に合わせて、決めて、準備をするのが1番いいと思います。
お互いが安心安全じゃないシチュエーションでは、心地よいものにもなりません。
お互いの価値観の共有とすり合わせが必要です。
そして、妊娠や性感染症について、予防できることは予防する。
予防しきれないこともあるから、リスクを考えた時に「まだ早い」と感じるなら、「しない」という判断も。
もし、「する」という選択肢を選ぶなら、防ぎきれないことが起こったときに、どう自分が行動するべきかを知っておいた上で、デビューしてほしいなと思います。
「女子もコンドームの正しい付け方を知っておいて」
🐼:なるほど。そうですよね。自分を守る方法についてですが、コンドームの付け方については、女子もやはり知っておくべきですか?
サッコ先生:はい。女子も、動画などを見て、コンドームの正しい付け方を知っておいてください。
自分が知っておかないと、パートナーが正しくつけているかどうかのチェックができません。
もし破けて、妊娠が起こるのは自分の体。パートナーが正しくつけているかを、自分の目で確認できなかったらおっかないですよね。
何を確認したらいいか分からなかったら確認もできないので、デビューの前には必ず動画をチェックしてください。
「自分で自分の体を知ることも大切」
また、他人に体を明け渡す前に、しっかり自分で自分の体を知ることも大切です。
男子は、セルフプレジャー(マスタベーション)を自分でしてる人が多いかもしれませんが、女子は必ずしもそうではないかもしれません。
自分の体を知らないまま、相手に明け渡すのは、不安もあるし、緊張するし、怖いと思います。
まず自分で、自分の体のどこを、どう、どれくらいの強さで触れば気持ちいいのか、知っておきましょう。
何が気持ちよくて、何が気持ちよくないのかも知っておいてください。
すごくデリケートで敏感な場所なので、少しの接触ですごく敏感に感じます。
AVで知識を得ただけの人に、ガシガシされたら、それが痛くて怖いことだということも分からず、NOとも言えないかもしれません。
どういう状態が気持ちいいのか、自分で自分のことをまず知っておきましょう。
🐼:たしかに、そうですよね…!でも、それは意識していない人が多いかもしれません。
サッコ先生:セルフプレジャーだけでなく、自分の体について知っておくことは大切ですよ。
「なんかいつもと違うな」と違和感を感じたり、性感染症の疑いがある時には、男子は泌尿器科、女子は産婦人科に行ってね!と言っています。
けど、「なんかいつもと違う」と"感じること"がすごく重要で、「いつも」が分からなければ、「いつもと違う」も分からないですよね。
男性は自分で、自分の性器を見たり触ったりしている人が多いかもしれないけど、女性は、自分の性器を見たり触ったりしたことがある人が多くないかもしれません。
まず、「いつも」の状態の自分の体を知ることが大切です。
「からここの森」へようこそ!大人になるにつれて誰もが経験する、からだとこころの変化。初めての出来事にびっくりしたり、不安を感じたりしたときは、探検隊の仲間と一緒にこたえを探しに行こう!
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