日本最大級のLGBTQイベント「東京レインボープライド2021」が4月24日〜5月5日にかけて開催されています。
新型コロナウイルスの影響を受けて、2020年に続き、今年も各種イベントはオンラインで実施。
今年、設立10周年を迎える東京レインボープライド。トークライブでは「#声をあげる世界を変える」をテーマに、各ゲストがそれぞれの思いを語りました。
初日の4月24日には、様々なゲストが登場するトークライブ「#おうちでプライド2021」が配信され、タレントのSHELLYさんが登場しました。
2020年12月からYouTubeチャンネル「SHELLYのお風呂場」で、若い世代に性教育を伝えているSHELLYさん。
日本でいかに性教育が必要とされているかについて、実体験をもとに語りました。
「いろんな選択肢があって、みんなそれぞれ、のびのび生きて」
子どもの頃、SHELLYさんの姉はインターナショナルスクールに通っていて、SHELLYさんは日本の教育を受けていたといいます。
その中で、「入ってくる情報の差が大きく、学生の頃から本当に驚いていた」と話しました。
男女二元論の日本の教育や、将来は皆が結婚・子育てをする…と想定しているような日本社会の雰囲気に「違和感を感じていた」というSHELLYさん。
「なんか、こういう教育だと、偏見も生まれるよな…と感じましたし、これだと『箱にすっぽりハマらない人』は生きづらいよな…とずっと思っていました。これの大本って何だろう?と考えたときに、私の中での答えは、性教育だったんです」
「例えば交際やジェンダーに関する教育。自分の体、色んな人の体について知ることで、自分や相手を大事にできる。そうすると『あの人はこうだから変』という発想も多分、生まれないだろうと思います」
SHELLYさんは、「しっかりと教育をすることで、『いろんな選択肢があって、みんなそれぞれ、のびのび生きてほしいよね』という考え方になったらいいな、という思い」で、性教育のYouTubeチャンネルを始めたと説明しました。
SHELLYさんは、日本の学校教育での性教育の不足についても指摘します。
現在、文部科学省が定める学習指導要領には、中高生に妊娠の仕組みや避妊についてしっかりと教えるというような内容がないなどの問題があり、「高校でも本当にざっくりしか教えない」とSHELLYさん。
校長の方針などにより、学校によっても性教育の内容に格差があります。「実際はほとんど学校では教わってないというのが今の日本の現状」としました。
実際、SHELLYさんが妊娠、避妊方法、性被害について産婦人科医などを交えて紹介するYouTube動画には、若い世代から多くのコメントや質問が寄せられています。
動画では「言葉を選ぶように」心がけ
また、YouTubeチャンネルでは「すごく言葉を選ぶようにしています」とも話しました。
例えば、生理について話す時には「女性」という言葉でなく「子宮のある人」という言葉を使うよう心がけているといいます。
生理が毎月来る、トランスジェンダー男性もいるからです。
一方で、子宮があっても病気や手術が原因で生理が来ない人もいるため、生理の話をする際に「女性」でなく「生理がある人」と表現する動きなどもあります。
SHELLYさんは「言い方をちょっと気をつけることで、なるべくインクルーシブ(包括的)になるように、いろんな人が見ても除外されたと感じないように、言葉遣いを気にしてます」と話しました。
月経カップや吸水型の生理パンツについて、使ってみた感想を話したり、使い方を説明したりする動画もあります。
吸水型パンツについての動画の中でSHELLYさんは、「どうしても女性、女性って癖で言っちゃうんですけど…」と断りながら、トランスジェンダー男性の存在なども考え、「女性」と言わないように心がけていると話しました。
性について知らなくて「悩んでいる子がいっぱいいる」
YouTube動画には「本当にそういうこと(性的な行為など)をしたいって全く思わないんです。私って変ですか?」というようなコメントも寄せられたといいます。
SHELLYさんは「アセクシュアルなのかな?」と考え、「変じゃないよ。そういう方ってたくさんいるし、そういう大人もたくさんいるって話したい」とします。
「アセクシュアル」とは、恋愛的感情の有無に関わらず、他者に性的に興味関心を抱くことがない人のことを指します。
「アセクシュアル(無性愛)、アロマンティック(他者に恋愛感情を持たない)、パンセクシャル(全性愛)とかいろんなのがあるんだよっていうことを知らないと、『みんなは恋愛を楽しんでいて、私だけ変。これっておかしいのかな…』と自己嫌悪みたいな気持ちになってしまう方がいたりする」
本来なら学校の性教育で習えば、そのような悩みも解消されるかもしれませんが、そこまで詳細に教えられていない日本の現状があります。
「これも性教育で、本当にもっともっと、みんな幸せになれるのに…と思います」
SHELLYさんは「いろんな人がいて、その人が今幸せだったらそれでいい」とし、YouTubeでもさらに様々な、ジェンダーやセクシュアリティに関する情報も伝えていきたいと話しました。
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LGBTQをはじめとする性的マイノリティの存在を社会に広め、“性”と“生”の多様性を祝福するイベント「東京レインボープライド」。BuzzFeed Japanは2021年4月23日(金)〜5月1日(土)にかけて、性的マイノリティに焦点をあてたコンテンツを集中的に発信する特集を実施します。
特集期間中、Twitterではハッシュタグ「#待ってろ未来の私たち」を使って、同性婚やパートナーシップ制度などのトピックをはじめ、家族のかたちに関する記事や動画コンテンツを発信します。
同性婚の実現を求めて全国のカップルが国を訴えた裁判や、各地でのパートナーシップ制度の広がりなど、少しずつ社会が変わり始めている今だからこそ、「より良い未来に生きる私たち」に向けて、「2021年の私たち」からのメッセージを届けます。