現在、国会で「入管法改正案」についての審議が行われています。
この政府案は、母国での弾圧から逃れ、日本に助けを求めてきた難民の受け入れや収容に大きな影響を与えるもので、市民から多くの反対の声があがっています。
歌手や俳優たちも、自身のSNSや会見で反対の声をあげました。
SUGIZOさん「どの国にいようとも基本的人権は守られるべき」
小泉今日子さん「#難民の送還ではなく保護を」
俳優の小泉今日子さんは、自身が代表取締役を務める株式会社明後日のTwitterアカウントで、改正案への反対の姿勢を示しました。
小泉さんは、廃案を求める会見についてのツイートを引用リツイートする形で、「#難民の送還ではなく保護を」と投稿しました。
Twitterでは、このハッシュタグや「#入管法改悪反対」で、人々が反対の意見を投稿しています。
政府案では、国に帰れない理由があったとしても強制送還を拒むと刑事罰の対象となりうる、いわゆる「送還忌避罪」(退去強制拒否罪)も新設される見通しです。
七尾旅人さん「日本の難民認定率はずっと世界最低レベルだったのに…」
せやろがいおじさん「最悪の法改正」「改悪すぎる」
お笑い芸人・YouTuberの「せやろがいおじさん」こと榎森耕助さんは、YouTube動画や会見で、入管法改正案は「最悪の法改正」と批判。
動画では政府案の内容について説明し、「帰れない人たちを無理やり帰らせる」「改悪すぎる」「どう考えても鬼」などと指摘しました。
榎森さんは4月、「東日本入国管理センター」(茨城県牛久市)に収容されている難民申請者らと面会。数日後に開かれた、改正案に反対する会見では、以下のように話しました。
「面会で(長期収容されている人に)改正案で『よくなるんでしょ?』と言われ、伝えるか迷いましたが内容を伝えました。人の表情が絶望にかわる瞬間を目の当たりにしました。今回の入管法改正というのはそういうものなんだと、改めて実感しました」
「改悪されるのか、ここで止められるのか。岐路に立っています」
ソウル・フラワー・ユニオン「人でなしの非道な法案」「声をあげてほしい。頼むわ、みんな」
ロックバンド「ソウル・フラワー・ユニオン」は、「PROTECT REFUGEES(難民を守れ)」と書かれた画像を添えて「#入管法改悪反対」とし、こうツイートしました。
《この、人を人と思わない、人でなしの非道な法案が近々強行採決されようとしている。ミュージシャンも音楽関係者も音楽リスナーも、自分を無力だと思わずにもっともっと声を上げて欲しい。頼むわ、みんな。ほんま、止めたい》
また、Vocalの中川敬さんは反対署名に、コメントを寄せています。
《本国へ帰国すると迫害を受ける恐れがある人々を、如何なる理由があっても強制送還するようなことがあってはならない。人権蹂躙が続く入管行政の現状を改善するどころか、追い打ちをかけるような今回の入管法改悪に断固反対します》
中島京子さん「入管の権限を強めるような法改正、通していいはずがない」
作家の中島京子さんは5月6日に開かれた、入管法改正案に反対する会見に参加。改正案に反対の姿勢を示しました。
中島さんは、非正規滞在のスリランカ人男性と日本人女性の恋愛小説『やさしい猫』を昨年から読売新聞で連載。入管収容の実態についても小説を書くために取材していました。
名古屋出入国在留管理局では3月、収容中のスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさんが死亡。収容中に体調を崩していたにも関わらず、適切な治療が受けられていなかった可能性が高く、遺族や支援者は政府に説明を求めています。
中島さんは会見で「ウィシュマさんの死に関して納得できる説明がされていません。入管の権限を強めるような法改正は通していいはずがないと思います」と話しました。
(サムネイル:左・時事通信社、右・Getty image)