菅義偉首相が率いる、新政権が発足しました。
新内閣も発表されましたが…女性は2人のみ。平均年齢は60.4才です。
こちらが今回発足した菅政権の閣僚の顔ぶれ。女性閣僚は、上川陽子法相と橋本聖子五輪相のみです。
女性に関する国連の機関「UN Women」とIPU(列国議会同盟)が2020年3月に発表したデータによると、2020年1月時点では、日本の閣僚ポストで女性が占める割合は15.8%で、なんと「世界113位」です。
ここで、各国の内閣を見てみましょう。
なお、以下の写真は全て、新政権発足時に撮影された集合写真のため、その後、閣僚の一部が交代していることがあります。
スペイン
カナダ
2019年11月に発足したカナダの内閣では、トルドー首相が男女の割合が半々の内閣人事をしました。
男女比だけでなく、海外へのルーツや様々なバックグラウンドを持った閣僚がいて、多様性のある内閣として日本でも話題になりました。
トルドー首相は2015年の組閣でも男女の割合を半々にしていました。記者からその理由について聞かれた際には「だってもう2015年だから」と答えています。
ルワンダ
ペルー
2020年8月にスタートした新内閣では、コロナ禍の中、マスク姿で集合写真を撮影。
内閣改造などで近年、短期間の間に頻繁に顔ぶれが変わっているペルーの内閣ですが、8月発足の新内閣にも女性7人が入閣しています。
2020年1月時点での内閣では、20人中11人と55%が女性閣僚で、世界でも6位でした。
ニュージーランド
フィンランド
2019年12月に発足したフィンランドのマリン政権。首相のマリン氏は34歳女性です。
菅首相と自民党4役の対象として、Twitterなどでは今週、マリン首相を含むフィンランドの連立政権を率いる5党首の写真が話題になりました。
駐日フィンランド大使館によると、閣僚も兼任している女性5党首中4人が30代で、科学・文化大臣は8月に1年間の育休から復帰したということです。
メキシコ
こちらは、メキシコのロペスオブラドール大統領が2018年に就任する直前に、公表した新内閣のメンバーの写真です。
2019年の統計では女性閣僚が8人で割合が42.1%の世界16位、2020年では7人で割合が35.0%、世界34位です。
女性議員の数も多く、下院では48.2%、上院では49.2%が女性です。
男女間格差を是正する方策であるクオータ制を導入していて、2002年に女性候補者30%クオータが義務化されてから、2008年には40%、2014年には50%と段階的に比率を引き上げました。
マレーシア
韓国
女性閣僚の少なさ、各地で課題。日本はG7で最低
この記事で女性閣僚が多い国の例として挙げた国は、世界でもトップクラスに女性閣僚が多い国で、世界の大半の国々では依然として、女性閣僚・政治家数の増加は課題です。
特にアジア各国では女性閣僚の数が少ない国が多く、UN Womenの2020年のランキングで100位以内に入っている国は韓国やマレーシアなどで、多くはありません。
2020年1月時点で、男女半々である50%を達成できているのは、190カ国中上位14カ国のみ。40%達成は30カ国でヨーロッパや中南米、アフリカの国が多いです。
一方で、G7各国(カナダ、ドイツ、イギリス、フランス、イタリア、米国、日本)の中では日本は最下位です。
日本は女性議員数の少なさも顕著
日本では女性の閣僚だけでなく、議員の数も世界の中で低い水準にあります。
内閣府の男女共同参画白書によると、2020年1月時点で、衆議院では女性議員の割合は9.9%、参議院では22.9%。各国と比べると191カ国中165位です。
世界経済フォーラム(WEF)が公表している「ジェンダーギャップ指数」では、2019年の日本の順位は153カ国中121位と先進国で最低で、政治分野では144位とワースト10入りしています。
最新版のランキングで日本より下にいるのはイラン、ナイジェリア、ベリーズ、ブルネイ、レバノン、オマーン、イエメン、そして今年初参加のバヌアツ、パプアニューギニアでした。
日本で女性が少ない傾向は与野党の役員人事でもあり、15日に決定した自民党の役員人事は、幹部4人が平均年齢71.4歳の高齢男性でした。
野党第一党である立憲民主党でもこのような傾向はあり、15日に発表された代表、幹事長、政調会長、国対委員長、選対委員長は平均年齢が57.8歳で、いずれも男性でした。
安倍政権では「女性活躍」の目標を掲げた政策も打たれていましたが、菅政権では、女性閣僚も前政権より減って2人の任命、総裁選での政策でもあまり女性に関する目立った政策は出ていませんでした。
9月16日夜にあった菅首相の初会見でも、女性に関する課題や政策については大きく言及されることはありませんでした。
BuzzFeed Newsは会見内容を、文章を単語レベルで分解し、ワードクラウドや単語の出現頻度などを分析する「テキストマイニング」の手法で分析しました。
結果、「新型コロナウイルス」やGoToキャンペーンの「goto」、「規制改革」などは多く言及されていましたが、「女性」は2回のみの言及で、「教育」「少子」などは1回でした。