10月31日に投開票日を迎える衆議院議員選挙。
新型コロナウイルスによる暮らしの変化を受けて、初めて投票に行くことを決めた人も多くいる一方、選挙には「行かない」とすでに決めている人もいるようです。
BuzzFeed Newsでは今月中旬、Yahoo!ニュースと共同で「これまで国政選挙で投票したことがなく、今回も投票しない」を対象にしたアンケート調査を実施。
回答者はYahoo! JAPANユーザーで、10〜70代以上の2000人から回答が寄せられました。
「投票したい候補者・政党がない」「投票しても何も変わらないと思う」といった理由で選挙に行かない人が多い一方、これまでの政府の政策も「効果的ではなかった」と答える人が約7〜8割程度を占めています。
アンケートに寄せられた声を紹介します。
「投票したい候補者・政党がない」55.9%
これまで一度も国政選挙に行ったことがなく、今回も投票しない人を対象にした今回の調査。
回答者2000人のうち、10〜20代が13%、30〜40代が54%、50〜60代が30%、70代以上が3%という内訳になりました。性別では女性が38%、男性が59%です。
なぜ選挙に行かないのか。その理由で最も多かったのは「投票したい候補者・政党がない」で、過半数の55.9%にのぼりました。
続いて「投票しても何も変わらないと思う」と答えた人が47.4%、「忙しくて時間がない」が14.2%、「政治は自分の生活に関係がないと感じる」が14.0%でした。
個別に寄せられた声の中には、「一人ぐらい行かなくても大して変わらない気がする」(40代男性・愛知県)、「やり方がわからない」(30代男性・石川県)、「誰が当選しても結局公約は守らないし、国民のためではなく自分らの地位や欲のためばかり」(40代女性・東京都)などの意見がありました。
政府の政策「効果的ではなかった」が約7〜8割
では、選挙に行かない人は、政府の政策に満足しているのでしょうか?
感染対策については、「どちらかというと効果的ではなかった」「全く効果的ではなかった」と答えた人が計67.8%でした。
経済的な補償に関する政策への評価はさらに厳しく、「どちらかというと効果的ではなかった」「全く効果的ではなかった」は計78.5%にのぼりました。
「生活保護を受給しているが…」
今回の選挙は、新型コロナウイルスの影響で世界が大きく揺れ、多くの人々がこれまでにない変化や葛藤を経験してきた中で行われます。
コロナの影響で、具体的にどのようなことで困っているかを聞いた設問で最も多かったのは、「収入が減少した」で40.0%を占めました。
続いて「趣味が楽しめない」が37.9%、「人との交流が減った」が14.7%、「感染の危険性が高い職場で働いている」が10.3%、「失業した」が6.7%でした。
アンケートには、切実な声が多く寄せられました。
「本当は働きたいと思っているが、子どもの学校や幼稚園がコロナの影響で休校などになる可能性があることを考えると、周りに助けてくれる人がいないので、働くのは難しいと考えるようになり、結局今も働いていない。予定していた収入が見込めなくなった」(40代女性・京都府)
「母子家庭で、夏休みから9月末まで3食(自宅で)食事。かなり痛いです。親が食べなくても子供に食べさせてました」(40代女性・茨城県)
「生活保護を受給させていただいているが、基本、最低生活費の受給のみでカツカツの生活。マスクや消毒液、またそれらによる肌荒れなどの対処で、薬や絆創膏を買わなくてはいけないが、余裕がない」
「ワクチンの副反応で寝込んでいるときも、食料や飲料をネットで頼みたくても配達料が高いため、頼む余裕がない。コロナ前と今で最低生活費の見直しをしてほしい。末端まで目を配ってほしい」(50代女性・大阪府)
「困っていることはない」と答えた割合(20.7%)は、今回初めて選挙に行くことを決めた2000人に同じ質問をした際の結果(14.6%)より高いという結果になった一方、コロナの影響が長引く社会で、多くの人が何らかの困りごとを抱えています。
期日前投票は2005年以降最多に
朝日新聞によると、今回の衆議院選挙で10月24日まで期日前投票に行った人は約567万人にのぼり、衆院選で期日前投票が導入された2005年以降、最多を記録しています。
選挙戦を通じて各候補者はどのような政策を訴えるのか。そして選挙後には、投票しなかった人の声もすくい上げられるような政治を実現できるのか。
衆院選は、10月31日に投開票日を迎えます。
「これまで国政選挙で投票したことがなく、今回初めて投票する人」2000人を対象に実施した、アンケート調査の結果はこちら。