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彼でも、彼女でもなく。サム・スミスが自分の「代名詞」を変えた理由

自分の性別を男性とも女性とも自認しない人は「ノンバイナリー」「Xジェンダー」「ジェンダークィア」などと呼ばれ、”第3の性”として法的に認める動きが世界各地で進んでいます。

イギリス出身のシンガーソングライター、サム・スミスさんが9月13日、自身のSNSで「自分を指す代名詞を(性別を男女のいずれとも特定しない)『They』や『Them』に変える」と発表しました。

「自分は男でも女でもない」

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サム・スミスさんは今年3月、タレントのジャミーラ・ジャミルさんとの対談で「自分は男でも女でもない」と語り、性別を男性とも女性とも定義しない「ノンバイナリー」であると公表

自分にとってノンバイナリーとは、「特定のジェンダーに属さないこと。僕たちは色んなものが混ざり合ってできていて、一人ひとりがそれぞれ特別な存在だということ」だと語っていました。

ノンバイナリーのように既存のジェンダーの枠組みを超えた性自認を持つ人は、「Xジェンダー」「ジェンダークィア」などとも呼ばれ、”第3の性”として法的に認める動きが世界各地で進んでいます。

英語圏ではこうした性自認の人を指す際に、性別を男女のいずれかに特定する代名詞「He(彼)」や「She(彼女)」ではなく、「They」や「Them」を単数形として使うことを希望する人もいます。

アメリカの著名人では、俳優のインディア・ムーアさんやニコ・トルトレッラさんなどが「They / Them」の代名詞を使用。ムーアさんは自身のSNSにも明記しています。

「内面も外見もありのままの自分を」

スミスさんはノンバイナリーであると公表した当初は、当面は「He」の代名詞を使い続けるつもりだと話していましたが、今回改めて「They / Them」に変更することを発表しました。

TwitterやInstagramに投稿した文章には、このような思いが綴られていました。

今日はとてもいい日なので、言っちゃいます。私は自分の代名詞を「THEY/THEM」に変えることを決断しました。

これまでずっと自分のジェンダーについて悩み、苦しんできましたが、内面も外見もありのままの自分を受け入れることに決めました。

本当に嬉しくありがたいことに、私はこの決断を応援してくれる人に囲まれていますが、それでもやっぱり発表をするのはとても不安でした。私は周りの人が自分のことをどう思ってるか気にしすぎる質なので…でもそんなの糞食らえ!

これからたくさんの人が私のジェンダーを間違えることもあると理解していますが、私からのお願いは『どうか、どうか、努力してください』です。

今私に見えているように、あなたにも私のことが見えるよう願っています。ありがとう。

さらに、「まだ自分は『ノンバイナリー』とは何かを十分に説明できるような段階ではないけれど、いつかはそうなりたいと思っています。だから今はまず、ここにいることを見えるようにして、オープンにしたかったんです」と続けました。