「思ってたのと違う」親子向けイベント、“宣伝内容とかけ離れている”と話題に→運営が謝罪と返金

    『チャーリーとチョコレート工場』をモチーフにしたとみられるイベントが、「宣伝内容とあまりに違いすぎる」と多数の苦情を受け中止となった。ウェブサイトでは生成AIが作成した画像が使われ、実際の会場の様子は伝えられていなかった。

    スコットランド・グラスゴーで開催された『チャーリーとチョコレート工場』をモチーフにしたとみられるイベントが、「宣伝内容とあまりに違いすぎる」と多数の苦情を受け中止となった。

    Police were called to an 'immersive' Willy Wonka Experience after families showed up to an 'empty warehouse'

    The event reportedly charged $40 for entry, advertised with AI art, and said it would be a 'journey filled with wondrous creations and enchanting surprises at every… pic.twitter.com/udz8KeWVxQ

    — Culture Crave 🍿 (@CultureCrave) February 27, 2024
    Twitter: @CultureCrave

    「Willy's Chocolate Experience(ウィリーのチョコレートエクスペリエンス)」と題されたイベントは、親子で楽しめる「没入型」イベントとして2月24日から2日間、開催される予定だった。

    ところが、1枚35ポンド(約6700円)のチケットを購入した客が目にしたのは、想像とかけ離れた会場の様子…。

    「かつてないチョコレートのファンタジー世界を満喫してください」「魅惑の体験を」と謳われたイベントのウェブサイトには、「ENCHANTED GARDEN(魔法の庭)」「Imagination Lab(想像の実験室)」など、各エリアの説明に画像が添えてあるが、これらは生成AIで作成したものだという。

    実際の会場の様子は、事前には伝えられていなかった。

    加えて、ウェブサイトの下部には小さく「当イベントは、ワーナー・ブラザースが所有する『ウォンカ』シリーズ(※映画『夢のチョコレート工場』『チャーリーとチョコレート工場』『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』)とは、一切関係ありません」と注意書きがある。

    Twitter: @CultureCrave

    保護者たちからの苦情や返金の申し出が殺到し、イベントは初日の途中で中止となった。チケットを買った人々はFacebookでグループを立ち上げたが、運営会社ハウス・オブ・イルミナティから直接連絡はないという。

    なんとも物悲しい会場の写真がSNSで拡散されており、ネットミームにもなっている。

    💬「このイベントを承認した人に会ってみたい。(会場が完成した時間に)タイムスリップして『完成、いい感じじゃない!?』って言っている運営側を見てみたい🤣🤣」

    I’d love to meet the person who signed off on this Willy Wonka experience. I’d love to go back in time and meet them at the precise moment they said “all done, doesn’t it look good!?” 🤣🤣 pic.twitter.com/JjMxORGH2I

    — ฿Ɇ₦ - тν ℓєgѕ 📺🪩 (@bejokex) February 27, 2024
    Twitter: @bejokex

    💬「同じバイブス」

    Twitter: @OtakuRockU_

    ウンパ・ルンパ役として雇われた役者のカースティ・パターソンさん(画像右)は、別の意味で注目を浴びた。

    大失敗と言っても差し支えないイベントで、子どもたちを楽しませようと、楽しげにウンパ・ルンパを演じる姿が保護者の心を打った。

    💬「カースティ・パターソンに正義を。この女王は、クソみたいなイベントだったにもかかわらず、子どもたちにベストを尽くした ❤️」

    Justice for Kirsty Paterson. This queen did her best with those kids despite the shit show she was in ❤️ https://t.co/qiB69JyXya pic.twitter.com/KvAKhjvzYw

    — Neil Watson-Slorance (@neilslorance) February 29, 2024
    Twitter: @neilslorance

    💬「カースティ・パターソンをはじめ、スコットランド内外の不安定な職業に就いている役者たちには、尊敬の念しかない」

    Nothing but respect for Kirsty Paterson and all the precarious jobbing actors of Scotland and beyond, who've all at times had to give it their best in the most ludicrous circumstances.

    Here's a pic someone found of her at work, trying to rescue some cheer for the weans. https://t.co/E1EDQyVUBh pic.twitter.com/NPR1NglOLe

    — Kieran Hurley (@kieran_hurley) February 29, 2024
    Twitter: @kieran_hurley

    「(そういった役者の)誰もが、最も滑稽と言える状況下でベストを尽くさなければならなかった経験があるだろう。これは誰かが見つけた仕事中の彼女の写真。子どもたちに元気を与えている」

    💬「彼女は子どもたちのため、イベントを素敵なものにしようと努めていた」

    she was actually trying to make it nice for the kids https://t.co/FSfqJ02Kad pic.twitter.com/T96UTlcKj0

    — laura 🦠 (@ecto_fun) February 29, 2024
    Twitter: @ecto_fun

    同じくウンパ・ルンパ役で雇われたジェニー・フォガーティさんがザ・スコッツマン紙に語ったところによると、役者たちが台本を入手できたのはイベント前夜。客が入る1時間前に、衣装を受け取ったという。

    時給は16.66ポンド(約3000円)だが、まだ支払われていないそうだ。

    イベントが中止になった当日、ハウス・オブ・イルミナティはFacebookに謝罪文を投稿した。投稿は現在非表示になっているが、BBCによると、次のような内容だった。

    「今日が多くの人にとって非常にストレスの多い、イライラする日となってしまったことを心からお詫びします」

    「残念なことに、開催直前でさまざまな部分で期待外れなことが起き、なんとかイベントを続けようとしましたが、今朝中止にすべきだったかもしれません」

    「全面的に謝罪」し、「チケットを購入したひとりひとりに全額を返金する」と述べた。