スコットランド・グラスゴーで開催された『チャーリーとチョコレート工場』をモチーフにしたとみられるイベントが、「宣伝内容とあまりに違いすぎる」と多数の苦情を受け中止となった。
「Willy's Chocolate Experience(ウィリーのチョコレートエクスペリエンス)」と題されたイベントは、親子で楽しめる「没入型」イベントとして2月24日から2日間、開催される予定だった。
ところが、1枚35ポンド(約6700円)のチケットを購入した客が目にしたのは、想像とかけ離れた会場の様子…。
「かつてないチョコレートのファンタジー世界を満喫してください」「魅惑の体験を」と謳われたイベントのウェブサイトには、「ENCHANTED GARDEN(魔法の庭)」「Imagination Lab(想像の実験室)」など、各エリアの説明に画像が添えてあるが、これらは生成AIで作成したものだという。
実際の会場の様子は、事前には伝えられていなかった。
加えて、ウェブサイトの下部には小さく「当イベントは、ワーナー・ブラザースが所有する『ウォンカ』シリーズ(※映画『夢のチョコレート工場』『チャーリーとチョコレート工場』『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』)とは、一切関係ありません」と注意書きがある。
保護者たちからの苦情や返金の申し出が殺到し、イベントは初日の途中で中止となった。チケットを買った人々はFacebookでグループを立ち上げたが、運営会社ハウス・オブ・イルミナティから直接連絡はないという。
なんとも物悲しい会場の写真がSNSで拡散されており、ネットミームにもなっている。
💬「このイベントを承認した人に会ってみたい。(会場が完成した時間に)タイムスリップして『完成、いい感じじゃない!?』って言っている運営側を見てみたい🤣🤣」
💬「同じバイブス」
ウンパ・ルンパ役として雇われた役者のカースティ・パターソンさん(画像右)は、別の意味で注目を浴びた。
大失敗と言っても差し支えないイベントで、子どもたちを楽しませようと、楽しげにウンパ・ルンパを演じる姿が保護者の心を打った。
💬「カースティ・パターソンに正義を。この女王は、クソみたいなイベントだったにもかかわらず、子どもたちにベストを尽くした ❤️」
💬「カースティ・パターソンをはじめ、スコットランド内外の不安定な職業に就いている役者たちには、尊敬の念しかない」
「(そういった役者の)誰もが、最も滑稽と言える状況下でベストを尽くさなければならなかった経験があるだろう。これは誰かが見つけた仕事中の彼女の写真。子どもたちに元気を与えている」
💬「彼女は子どもたちのため、イベントを素敵なものにしようと努めていた」
同じくウンパ・ルンパ役で雇われたジェニー・フォガーティさんがザ・スコッツマン紙に語ったところによると、役者たちが台本を入手できたのはイベント前夜。客が入る1時間前に、衣装を受け取ったという。
時給は16.66ポンド(約3000円)だが、まだ支払われていないそうだ。