トランプ大統領が新型コロナ陽性。「療養中も職務を全うする」と専属医師

    大統領専属の医師は、「大統領と夫人の体調は良好。回復期はホワイトハウス内の自宅で過ごす予定」だと発表した。9月29日に討論会に登壇した、バイデン候補への感染も懸念されている。

    ドナルド・トランプ米大統領が10月2日(現地時間)、自らが新型コロナウイルスに感染したとツイートした。

    ツイートによると、検査の結果、妻メラニアさんも陽性反応が出たため、共にすぐ、隔離と治療に移るという。

    Tonight, @FLOTUS and I tested positive for COVID-19. We will begin our quarantine and recovery process immediately. We will get through this TOGETHER!

    「今夜、メラニアと私はCOVID-19の検査で陽性反応が出た。直ちに隔離と治療に入る。この危機を一緒に乗り越えるさ!」

    10月1日にトランプ氏の最側近の1人、ホープ・ヒックス氏の感染が明らかになっており、これを受けて2人も検査を受けた。

    11月の大統領選に向け、第1回目のテレビ討論会が9月29日に行われた。この際、トランプ氏がオハイオ州クリーブランドの会場へ向かう時に利用した大統領専用機エアフォース・ワンに、ヒックス氏も同乗していたという。

    SNSでは、討論会で対峙した民主党のジョー・バイデン候補への感染を懸念する声も上がっている。いずれも70歳代のため、万一の際は重症化するリスクは否定できない。

    ホワイトハウスの発表で、トランプ氏専属の医師ショーン・コンリー氏は次のように記した。

    「現時点で、大統領と夫人の体調は良好。回復期はホワイトハウス内の自宅で過ごす予定だ」

    「ホワイトハウスの医療チームと私で、警戒を怠らないよう(容態を)注視していく。私たちの国の優れた医療従事者たちや医療機関に感謝している」

    「大統領は療養中も職務を遂行するため、(国民には)安心してもらいたい。今後の動向については、また発表する」

    トランプ氏はこれまでも、定期的に新型コロナウイルスの検査を受けていた。

    3月には、後に陽性と判明した複数の外国政府職員との濃厚接触があったため自身も検査を受けたが、陰性だった。

    政治への影響は現状では未知数だが、アメリカ合衆国憲法修正第25条によると、大統領が職務を遂行できないと判断された場合、副大統領が「大統領代行」として引き継ぐことになる。

    新型コロナウイルス感染症による死者は、世界で100万人を超えた。アメリカの死者数は世界最大の20万人以上だが、発表されている数字よりも実際の死者数ははるかに多いと専門家らは指摘している。

    しかしこれまで、トランプ氏は新型コロナウイルスの脅威を軽視しているような発言を繰り返してきた。7月には、新型コロナウイルスは「そのうち消滅する」と述べている。

    選挙活動の支持者集会でも、大勢がマスクを着用せずに集まる姿が問題視されていた。支持者の中には「新型コロナウイルスの大流行はデマで、マスクをする必要はない」と考える人もいる。

    この2カ月ほどは報道陣の前でマスク姿を披露する頻度が増えたものの、トランプ氏は「聞き取りにくい」ことを理由に、記者会見でマスクを外すよう報道陣に指示する場面もあった。