4月14日の「パートナーデー」に合わせ、渋谷区MIYASHITA PARKで、性感染症をテーマに無料音楽フェス『BLUE HANDS TOKYO』が開催された。
イベントには、このプロジェクトに賛同するアーティスト6組が出演。そのうちの1人が、ラブリーサマーちゃんだ。
DJとしての出演だったが、ラストには「I Told You A Lie」を歌い、観客エリアに降りてファンとハイタッチしたり、撮影に応じたりと、交流しながらのパフォーマンスを披露した。
BuzzFeed Japanは、終演後のラブリーサマーちゃんに話を聞いた。
――「#しかたなくない」プロジェクトに賛同した理由は?
もともと、お友だちの2人が「#しかたなくない」プロジェクトに関わっていた人だったんです。
キャンペーンについて初めて知ったとき「それはおいらがずっと言いたかったことなんだよ!」と思って(笑)
「しかたないことがあってたまるか!」とずっと思っていたので、それをプロジェクトにしているのにめっちゃ感動して、最初から共感していました。
その人たちと話したり、自分で調べたりする中で、共感よりも賛同になっていったんですよね。自分にできることがあったら何か一緒にしたいな……と思っていたところにお話があったので「ぜひ!」という感じでした。
――ラブサマちゃんが、具体的に「しかたなくない」と声を上げたいことはありますか?
生理のたびに毎月思うのは「なんで生理用品が軽減税率の対象じゃないの?」。どう考えてもしかたなくないだろ。毎月起こるから、毎月思っちゃうんですよ。
――生理にかかる費用、高いですよね。
うん。例えば……ケーキ。ケーキ屋さんにケンカ売るつもりはないんですが、ケーキって毎月食べなくても生きてはいける。(テイクアウトの場合)ケーキの税率が8%で、生理用品の税率が10%なの、意味わからなくないですか?(笑)
ほかにもいっぱいありますけどね……。そうですねえ、「しかたない」ねえ……。便利な言葉ですよね。「しかたない」って諦めること、あると思うし。
――「しかたない」の言葉に、いろんなニュアンスがありますよね。当事者が言うか、外野が言うかでも違う。
うんうん。
――生理については、他の人が「しかたない」と思っているから軽減税率にならない。当事者じゃないと「分からない」から。「分からない」と「しかたない」を混同しているせいで無視されていることって、たくさんありますよね。
そうですよね。生理は絶対に避けられない苦痛なのに、自分たちの痛みを矮小化されている感じがするから、なんていうか……怒りみたいなものがあるんだと思います。
「しかたなくない」ってそういうことですよね。「しかたないから」と自分で自分に言えば、グッと溜飲(だくいん)を下げられる時もあるけど、そこで「しかたなくないんだよ」と言ってあげるのは「あなたの痛みは矮小化できるものじゃないよ」と言ってあげること。
タフだけど、優しいプロジェクトですよね。
――MCで「性のこと、もっと風通し良く話せるようになったらいいね」とおっしゃっていて、とても共感しました。
自分がオープンな人間なんで、性やからだについて「言えない……」みたいなことはないんですけど。いろんな人に見てもらっている立場だからこそ、性について話したり書いたりすると「聞きたくないです」「見たくないです」って(メッセージが)来るんです。私が「女であること」に対して。
「生理の話とか別に聞きたくないし」もある。例えば「ピル飲んでます」と言ったり、ピルの写真をあげたりするじゃないですか。普通に自分の日常だから。そうすると「見たくないです」とくるんですよね。
そんなこと言ったら、風通し悪くなっちゃうよね? 自分は「ハア!?なにくそ」「だったら言わしてもらうけどさ!」みたいなタイプの人間だから風通しよくやらせてもらってますけど、言えなくなっちゃう子もいるよなあ……。ガッツのある人が、ガンガンしゃべっていくしかないと思います。
4年ぶり! 制作中の新アルバムについて
――前作『THE THIRD SUMMER OF LOVE』はUKロック色の強い1枚でしたが、今作のコンセプトはありますか?
今回はミニアルバムなんですけど、コロナ禍にサクサクと日記みたいに作っていた作品で。超コンセプチュアルに「こういうのやりてえ!」みたいな気持ちで作ったというより、日記をポロポロ書いていた感じです。
肩肘張らない、自然な自分が出ている軽めのアルバムになっていると思います。
――いつ頃リリース予定ですか?
「8月に出せたらな!」の感じです!