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「太った人を侮辱している」ファッション写真に批判→プラスサイズモデルの投稿が話題

エミリー・ラタコウスキーがモデルとなり、フランスの雑誌に掲載された写真が「ファットフォビア(肥満嫌悪)」だと批判の的になっている。あるプラスサイズモデルjは両足に1本ずつデニムを履いた写真を投稿し、問題提起した。

モデルのエミリー・ラタコウスキーがInstagramに投稿したある写真が「ファットフォビア(肥満嫌悪)」だと批判を集めている。

写真は、フランスのLe Monde紙系列の雑誌『M LE MAGAZINE DU MONDE』に掲載された中の1枚だ。サイズの大きいデニムの片足側に、エミリーがすっぽりと入り、ウエストの余った部分を強調するようなポーズをとっている。

ダイエット商品の広告で「どれだけ痩せたか」をアピールするため、モデルやユーザーが大きいサイズのズボンを履いてウエストを広げている写真を見たことがあるだろう。

近年、こういった宣伝方法は「太っている人を侮辱している」「痩せていることを美とする」というメッセージを拡散してしまうという観点から、否定的に受け取られるケースが増えている。

グラマー誌は「文化的なファットフォビアの全盛期を広く連想させるイメージだからこそ、(今回のエミリーの写真を)ファッション誌のエディトリアル写真に採用したのはマズい選択」だと書いた。

投稿には、エミリーと雑誌を非難するコメントが寄せられた。ファットフォビアを助長しているという指摘に加え、プラスサイズの服が手に入りづらいことに触れる人もいた。

💬「撮影に取り組んだチーム全体が、これがクールだと思っていたのがやばい」

💬「痩せている人の突飛な写真を撮るためじゃないと、デザイナーはプラスサイズの服をつくってくれないらしい」

💬「痩せている人の撮影のためじゃなくて、企業が実際にプラスサイズの服を生産してくれればいいのに笑」

「そこまで深い意味はない」「モデルは仕事をしただけ」とエミリーを擁護する声もある。

コメントに限らず、TikTokなどでも抗議の投稿が確認できる。プラスサイズモデルのタブリア・メジャーズは、Instagramに次のような写真を載せた。

エミリーがデニムの片足部分に両足を入れているのに対し、タブリアは両足にそれぞれ1本ずつデニムを履いている。他の写真では、サイズの小さい服を結んだり縫ったりして身にまとっている。投稿文には、次のように書いた。

「両足にデニムを1本ずつ履いて、大きなウエストに合うように小さなスカートを複数枚縫い合わせて、胸のまわりに小さなスウェットを2枚巻いた。着られるものを見つけられない気持ちが、みんなにも伝わるように」

「もっとたくさん深刻な問題が起きているけれど、これ(エミリーの写真)は本当に私の心を揺さぶった。どうして誰も、雑誌の責任を追及しないの?」

10年近いモデル歴の中で、タブリアと同じかそれ以上のサイズのモデルの仕事が奪われていくのを「目の当たりにしてきた」と、業界の現状を指摘している。

「今ではミドルサイズのモデルが、かつてプラスサイズモデルがしていた仕事をしている」

投稿は、35万件を超える「いいね」と約5000件のコメントを集めた。

💬「あなたが書いてくれたこと、とても大事だと思う。それに写真がどれもキマってる!」

💬「いつも私たちのようなプラスサイズ女性やモデルを支持してくれてありがとう!こういう意識を広めるのは、とても重要」

エミリーは2021年、エッセイ集『My Body』を出版。これまで美の基準やボディイメージに関して、オープンに論じてきた。その活動もあり、ファンは今回の出来事に動揺しているようだ。

エミリーは今のところ、コメントを発表していない。