偏見の目に負けず5年。脱毛症の母の問いに答えた息子の姿がこちら。

母は、息子に問いかけました。「君たちに髪の毛がなかったらどうする？」と。

小学生でも、男の子だったとしても……。ヘアドネーションできるって知ってました……？

ますみってぃさんのTwitterより / Via Twitter: @07_masumi_06

Twitterに「末息子がヘアドネーションのために伸ばし始めて丸5年…」と投稿された4枚の画像があります。

この春、中学生になる息子さんが美容室で髪を切った日の写真でした。

5年間というのは、彼の人生の半分近くです。そんな長い月日を費やして、70cm以上も伸ばした髪が写っていたのです。

この勇気ある行動に、リプライ欄では「決して真似できる人多くないよ。凄い！」「どうか必要な方のもとへ無事に届きますように」など、勇姿を称えるコメントが寄せられています。

BuzzFeedは、投稿者で母のますみってぃさん（@07_masumi_06）を取材しました。

ヘアドネーションのきっかけは、母から子どもたちへの問いかけでした。

ますみってぃさんのTwitterより / Via Twitter: @07_masumi_06

ますみってぃさんは、多発性の脱毛症でウィッグを被って、生活を送っています。

「今はほとんど生え揃っていますが、人の目が怖くて、未だにウィッグを被って生活しています」

ウィッグを被っていても生活に不自由はなく、お洒落もできます。ある時、ふと、自分の子どもたちにこんなことを質問してみました。

「君たちに髪の毛が無かったらどうする？」と。

そんな思いに答えて4年前、長女さんがヘアドネーションを実施しました。

「その時にはすでに末息子の髪が肩下まで伸びていました。当時は、毎日チョンマゲを結んで学校に通っていました。姉の姿と私の病気がリンクして、姉がヘアドネーションしたその日に、髪の毛を伸ばす意味を見出したようです」

「最終的にヘアドネーションに踏み切った背景は、髪の毛が抜けて、泣き暮らしてた私を見て、決意したみたいです」

幼いながらに、髪を伸ばす中で葛藤も。父や同級生など周りの人の目に...。

ますみってぃさんのTwitterより / Via Twitter: @07_masumi_06

最近になって、ヘアドネーションは多くの人に知られるようになってきました。

しかし、小学生の男の子が髪を伸ばし続けるとなると、どうしても周りから理解されず、偏見の目で見られることもあったそう。

一番のネックは、お父さんだったと話します。

「主人は『男の子はこうあるべきだ』と言う人でした。今は納得していますが、最初は理解できなかったみたいです」

また、上級生やクラスメイトからは嫌味やいじめ。さらには学校の先生からの圧力も感じました。

「手を出されるのではなく、言葉の暴力を受けました。担任の先生からは地味に『切れば』というプレッシャーがありました。息子は何度か『切りたい』と泣いた時もありました」

信念を貫き通して丸5年。ようやく切ってみた感想は……？

ますみってぃさんのTwitterより / Via Twitter: @07_masumi_06

髪を切って開口一番、息子さんの口から出た最初の言葉は「寒い」という一言でした。

「今は髪の毛を洗うのが楽だと男の子らしからぬ感想を漏らしています」

最後に、ヘアドネーションを通して伝えたいことがあると話します。

「男の子はヘアドネーションしたくても、偏見や校則によって髪型を決められている場合が多いです」

「ドネーションを通して、男女関係なく髪の毛を伸ばせるようになってもらいたいですね。性別で判断しない世の中になってもらいたいです」